土地買取のメリット・デメリット！買取時の注意点もわかりやすく解説

土地の主な売却方法には、買取と仲介があります。買主と売主の間に不動産会社が入る仲介と異なり、買取は不動産会社が直接物件を買い取ってくれます。そのため、売却しにくい土地でも早く手放すことが可能です。しかし、買取には市場価格より売却価格が安くなるといったデメリットがあるので、事前に注意点を押さえておくことが大切です。

この記事では、土地買取のメリットやデメリットを解説します。仲介との違いも紹介しているので、買取と仲介のどちらを選ぶべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

土地買取とは

土地買取とは、不動産会社が売主から直接物件を買い取ることです。不動産会社が買主となるので、土地の買主が見つからず、売却に時間がかかる事態を避けやすくなります。そのため、土地を早く売却して現金化したい方に選ばれる土地売却の手段です。

土地売却の方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事：土地売却の流れは？土地を高く売るコツや費用・注意点を解説

買取と仲介との違い

不動産会社を利用して土地を売却する方法には、買取と仲介があります。仲介は買取と異なり、不動産会社を通して第三者に売却することになります。

買取と仲介の主な違いは、以下のとおりです。

	買取	仲介
買主	不動産会社	不動産会社または個人
売却にかかる時間	早い	時間がかかりやすい
売却価格	市場価格より下がりやすい	買取より高く売却しやすい
仲介手数料	かからない	かかる

不動産会社と直接売買する買取では、仲介より早く売却しやすい傾向があります。ただし、買取業者は再販を目的としているので、売買金額を市場価格より安く提示するのが一般的です。

一方、仲介では不動産会社を通して幅広い買主にアプローチできるので、市場価格より高い金額で売却できる可能性があります。

土地買取のメリット

土地買取を選ぶメリットには、以下のようなものがあります。

それぞれ詳しく紹介します。

仲介手数料がいらない

土地買取は仲介業務が発生していないので、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要がありません。不動産会社への仲介手数料は、法律によって以下のように上限が定められています。

売買価格	仲介手数料の上限
200万円以下	売買価格の5%+消費税
200万円超400万円以下	売買価格の4%+2万円+消費税
400万円超	売買価格の3%+6万円+消費税

例えば、5,000万円で売却したときは、156万円（税抜）が仲介手数料の上限となります。

なお、仲介で売却する方が高い価格で売れやすいため、仲介手数料を負担しても買取より手元に残る金額が大きくなる可能性もあります。

早期に現金化しやすい

仲介の場合は、土地の買主が見つからなければ土地を売却できません。加えて、買主が見つかったとしても、買主のローン審査に時間がかかるケースもあります。

買取であれば不動産が直接買い取るので、契約内容が固まった段階ですぐに売買契約が結べます。

早めに現金化したい方は、スムーズに売却しやすい買取を選ぶのがおすすめです。一方、時間をかけても可能な限り高く売りたい方は、買取のメリットを感じにくいかもしれません。

売れにくい土地でも買い取ってもらえる

買取では、以下のような売れにくい土地でも買い取ってもらえる可能性があります。

条件があまりよくない土地は、買主がなかなか見つかりません。しかし、土地活用に長けている不動産会社であれば、仲介で売れにくい土地でも買い取ってもらいやすい傾向があります。

ただし、人気のエリアにある土地や建物を建てやすい形状の土地は需要が高いため、仲介を選択したほうが相場より高く売却しやすくなるでしょう。

契約不適合責任が免除になる

契約不適合責任とは、売買契約で引き渡されたものが契約内容に適合しなかったときに売主が負う責任のことです。例えば、買主の引き渡し後に土壌汚染や埋設物が見つかったり、契約内容と土地の広さが違うことが判明したりすれば、損害賠償請求や契約解除につながる可能性があります。

土地買取を専門とする不動産会社のなかには、契約不適合責任を免除している場合があります。そのため、損害賠償請求や契約解除といった不安を抱えることなく土地売却がしやすいといえるでしょう。

周囲に知られずに不動産を売却できる

仲介で土地を売る場合は、不動産会社が近隣エリアにチラシを配ったり、インターネット上に広告を出したりして買主を探すこととなります。そのため、土地を売り出していることを周囲に知られたくない人にはおすすめできません。

一方、不動産会社とのやり取りだけで手続きが完了する土地買取では、周囲に知られず売却できるメリットがあります。土地売却を周囲に知られたくない方は、土地買取にメリットを感じやすいでしょう。

土地買取のデメリット

早めに土地を現金化できる土地買取ですが、以下のようなデメリットもあります。

それぞれ詳しく紹介します。

売却価格が市場価格よりも下がる可能性がある

不動産会社に土地を買い取ってもらう場合の買取価格は、仲介で売却するときの相場の6～8割ほどになるといわれています。

土地の買取業者は、買い取った土地の整地をしたり新しい建物を建てたりして、付加価値を付けた状態で売却するのが一般的です。また、土地の買取価格を抑えた方が、買取業者が得られる利益が大きくなるので、買取業者は安い価格で購入する傾向があります。

土地を高い価格で売却したい方は、仲介を選んだ方が後悔しにくいでしょう。

最終的な土地の買い手が分からない

土地買取は不動産会社とのやり取りで完結するので、最終的な土地の買い手がわかりません。土地の近隣に知人や親戚が住んでいる場合は、土地が想定外の用途に使われたり、あまり好ましくない人に購入されたりするのは避けたいでしょう。

一方、土地を仲介で売却する場合は、どの人に売るのかを売主自身で決められます。最終的な買い手を把握しておきたい方は、仲介で土地を売却するのがおすすめです。

買取してもらえない可能性がある

土地の状況によっては、買取を断られる可能性があります。例えば、極端に需要の低かったり再建築が難しかったりする土地は、土地活用の幅が狭まってしまいます。土地の買取先が見つからないときは、複数の不動産会社に相談するのがおすすめです。

多くの不動産会社のなかから土地売却が得意な不動産会社を見つける際は、一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用するのがおすすめです。イエカカクでは、査定申し込みフォームに必要事項を入力するだけで、最大6社を手軽に比較できます。

土地は買取と仲介どちらがおすすめ？

土地を売却する際に買取と仲介のどちらを選ぶべきかは、人によって異なります。ここでは、土地買取がおすすめな人と、土地仲介がおすすめな人をそれぞれ詳しく紹介します。

土地買取がおすすめな人

土地買取がおすすめなのは、以下のような人です。

仲介で土地を売る場合は、買主が見つかるまで土地を手放すことができません。一方、不動産会社が買主となる土地買取を選べば、すぐに現金化できる場合があります。

また、特殊な形状であるといった買主が見つかりにくい土地でも、土地活用に長けた不動産会社に依頼すれば買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。

土地仲介がおすすめな人

以下のような人は、土地仲介を選ぶのがおすすめです。

仲介で土地を売却すると、市場価格より高い金額で売れる可能性があります。そのため、売却を急いでいない方や周囲に売り出していることを知られても問題ない方は、仲介を選ぶのがおすすめです。

また、条件のよい土地であるほど高く売却しやすくなるので、買取より仲介を選ぶのがよいでしょう。

土地買取を行う際の注意点

土地買取を依頼するときは、以下の点に注意が必要です。

ひとつずつ詳しく解説します。

事前に相場を調べておく

不動産会社のなかには、相場とかけ離れた買取価格を提示するところもあります。しかし、土地売却の知識が浅い方や土地売却を急いでいる方は、安い価格を提示されたことに気付かずに売却してしまう可能性があります。そのような事態を避けるためにも、事前に買取価格の相場を調べておくことが大切です。

土地の相場を調べる際は、国道交通省の「不動産情報ライブラリ」を活用するのがおすすめです。不動産情報ライブラリで近隣の土地の取引価格や成約価格の情報を確認すれば、相場感覚を身に付けられるでしょう。

複数の不動産会社で査定をする

土地買取では、売却価格が市場価格より下がる可能性があります。ただ、実際の売却価格は不動産会社によって異なるので、複数の不動産会社で査定を受けることでより高い金額で売却できる可能性があります。

複数会社の査定金額を比較して相場を把握することができれば、相場とかけ離れた価格で売却するリスクも抑えられるでしょう。

一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用すれば、最大6社に簡単に査定依頼ができます。優良な不動産会社も集まっているので、安心して依頼できるところを探している方も活用してみましょう。

税金がかかる

土地買取で得た利益には、税金がかかります。土地の取得や売却にかかった費用を差し引いて利益が残ったときは、売却した年の翌年2月16日～3月15日の間に確定申告をしなければなりません。

納税額は、以下の式で算出した譲渡所得に税率をかけることで求められます。

譲渡価額ー（取得費＋譲渡費用）－特別控除額

適用される税率は、売った年の1月1日時点で土地の所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」に該当するか、5年以下の「短期譲渡所得」に該当するかによって以下のように異なります。

	所得税	住民税
長期譲渡所得	15％	5％
短期譲渡所得	30％	9％

なお、土地買取の場合は基本的に仲介手数料が発生しませんが、仲介で土地を売却したときは手数料がかかるので注意しましょう。

住宅ローンがある場合完済しておく必要がある

住宅ローン返済中の不動産を売却する際は、ローンを完済して金融機関の設定している抵当権を抹消しておくのが一般的です。ローンの残債が不動産の売却代金を下回るときは、不動産の売却益で完済できます。一方、ローンの残債が売却代金を上回っているときは、不足分を自己資金で補う必要があるので注意が必要です。

ローンの残債は、金融機関から郵送される書類やWEBサイトから確認できます。

土地買取はイエカカクがおすすめ

土地を納得いく価格でスムーズに売却するためには、買取と仲介のいずれかの自分に合っている方法を選ぶことが大切です。加えて、土地売却を得意としている不動産会社に依頼するのも重要なポイントです。複数の不動産会社を比較するときは、一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用するのがおすすめです。

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