不動産売却を検討していたところ、自宅のポストに売却依頼のチラシが入っていた。といったケースを経験した人もいるかと思います。
チラシを読んで「早く売却した方がいいのだろうか」「この不動産会社に依頼すべきだろうか」と考えている人は、ぜひ一度こちらの記事を読んでみてください。
この記事では不動産売却のチラシを信じていいのかといった内容から、不動産会社を選ぶ際に抑えておくべきポイントを解説します。
この記事を最後まで読めば、チラシを投函した不動産会社に依頼すべきかどうかの判断基準を学べます。
ぜひ最後までお読みください。
不動産売却のチラシは信じていい?
不動産売却のチラシには、慎重な対応が求められます。これらのチラシは、一見魅力的に見えますが、必ずしも信頼できる情報源ではありません。その理由は下記の通りです。
- チラシには法的な規制がないため、誇張や不正確な表現が含まれる可能性がある
- 不動産会社が物件を集めるための営業ツールとして使用している
とくに注意が必要なのは、具体的な売却価格や購入希望者の存在を強調しているチラシです。これらの情報は現実を反映していない場合があるため、チラシの内容を簡単に信じるのは適切ではありません。
不動産会社がチラシを出す理由
不動産会社がチラシを配布する背景には、さまざまな戦略的理由があります。主な理由としては、以下の通りです。
- 業務効率の向上
- 他社との差別化
- 両手取引の可能性
これらの要因により、不動産会社はチラシ配布を重要な営業ツールとして活用しています。チラシは単なる広告媒体ではなく、会社の成長戦略や収益向上に直結する重要な手段なのです。ここからは、不動産会社がチラシを配布する具体的な理由について、詳しく見ていきましょう。
業務効率が良い
不動産会社がチラシを配布する主な理由のひとつに、業務効率の向上があります。売主との取引は、買主との取引に比べて効率的だと考えられているのです。
なぜなら、売主は多くの場合、明確な売却意思を持っているからです。また、売主からチラシを見て問い合わせをしてもらうことにより、物件情報の収集も容易になります。
これらの要因により、不動産会社は限られた時間と労力でより多くの取引を成立させる見込みが高まります。結果として、会社全体の生産性向上につながるのです。
他社との差別化ができる
チラシ配布は、不動産会社が競合他社との差別化を図る効果的な方法のひとつです。独自のデザインやメッセージを用いることで、会社の個性をアピールします。
また、特定の地域に特化した情報を提供したり、特定のターゲット層に向けた戦略的なアプローチを取ったりすることも可能です。このような差別化戦略により、競合他社との違いを明確にし、潜在的な顧客の注目を集めます。
結果として、市場での存在感を高め、新規顧客の獲得につながる可能性が高まるのです。
両手取引が見込める
不動産会社がチラシを配布する重要な理由のひとつに、両手取引の可能性があります。両手取引とは、売主と買主の両方を同じ会社が仲介する取引のことです。
この取引形態には、いくつかのメリットがあります。まず、仲介手数料を両方から得られるため、収益性が高くなります。また、取引全体のコントロールがしやすくなり、情報の流れもスムーズになるのです。
結果として、取引がスピーディに進むという利点もあります。
不動産売却のチラシで注意すべき表現
不動産売却のチラシには、注意深く読み取るべき表現がいくつか存在します。
注意すべき代表的な表現は以下の通りです。
- 具体的な物件情報が記載されている
- 購入希望の顧客がいることをアピールしている
- 具体的な売却価格が記載されている
- 期間限定が強調されている
これらの表現が含まれているチラシは、必ずしも悪意があるわけではありませんが、売主の利益を最優先に考えているとも限りません。チラシの情報を鵜呑みにせず、複数の不動産会社から査定を受けたり、市場の実態を調査したりすることが重要です。信頼できる不動産会社を見つけるためには、一括査定サイトの利用や口コミの確認など、多角的なアプローチが効果的でしょう。
ここからは先ほど紹介した注意すべき表現について、もう少し詳しく解説します。
具体的な物件情報が記載されている
具体的な物件情報が記載されているチラシには注意が必要です。「○○地域で駅から〇分」「間取りは○○」などの詳細情報は、特定のエリアの売主の関心を引くことを狙っています。
しかし、これらの情報は必ずしも実際の物件を指しているとは限りません。エリアの一般的な物件特性を予測して作成されることもあるのです。つまり、実際の買い手のニーズではなく、売り物件を増やすための戦略的な情報である可能性があります。
そのため、このような具体的な情報に惑わされず、冷静に判断することが大切です。
購入希望の顧客がいることをアピールしている
「購入希望の顧客がいます」という表現はとくに注意が必要です。「当地区限定で探している顧客がいます」などの文言は、売主の興味を引くための誇張表現の可能性があります。実際には、具体的な購入希望者がいるとは限らないのです。
このような表現は、売主を引き付けるための営業戦略として使用されることがあります。そのため、こうした文言を見かけた際は、その真偽を慎重に確認する必要があります。安易に信じるのではなく、実際の需要を確認することが賢明です。
具体的な売却価格が記載されている
具体的な売却価格が記載されているチラシは慎重に扱う必要があります。「○○円以上で売れます」などの表現は、根拠が不明確な場合があります。「他社よりも高く査定します」という文言も、実際の市場価値を反映していない可能性があるのです。
これらの表現は、売主の期待を不当に高める恐れがあります。そのため、このような具体的な価格情報に惑わされず、複数の不動産会社から査定を受けるなど、客観的な価格評価を行うことが重要です。
期間限定が強調されている
期間限定を強調しているチラシにも注意が必要です。「期間限定での高額査定」などの表現は、売主に即決を迫る心理的圧力をかける可能性があります。しかし、実際には不動産の適正価格は短期間で大きく変動することは稀です。
このような表現は、売主の冷静な判断を妨げる恐れがあります。そのため、急かされているように感じても、慌てずに十分な時間をかけて検討しましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶポイント
信頼できる不動産会社を選ぶには、いくつかのポイントがあります。不動産会社を選ぶ際は以下のポイントを押さえておきましょう。
- 査定額の根拠
- 宅地建物取引業の免許の有無
- 実績の有無
- 地域事情の理解度
- 担当者との相性
- 囲い込みを行っていないか
- 口コミや評判など
これらのポイントを総合的に考慮することで、自分に合った信頼できる不動産会社を見つけることが可能です。適切な不動産会社を選ぶことで、スムーズな売却を実現し、満足のいく結果を得られる可能性がぐっと高まります。
ここからは、各ポイントについて詳しく説明していきます。
査定額の根拠で選ぶ
信頼できる不動産会社は、査定額の根拠を明確に説明可能です。具体的な比較対象物件や取引事例を示し、地域の相場や市場動向を踏まえた説明をします。また、物件の特徴や立地条件を考慮した詳細な分析を提示します。一方で、査定額が高すぎる場合は注意が必要です。根拠のない高額査定は、売却が長期化するリスクがあるためです。適切な査定を受けるには、複数の不動産会社から見積もりを取ることをおすすめします。
たとえば、イエカカクの一括見積もりサービスを利用すると、複数の会社から同時に査定を受けられ、比較検討が容易になります。イエカカクは実績豊富な優良企業から最大6社まで一括で査定依頼ができるサイトです。当サイトから査定いただいた人の中には1,000万円以上高く売却できたという実績もあります。査定は無料なので、ぜひご利用ください。
宅地建物取引業の免許の有無で選ぶ
宅地建物取引業の免許は、不動産会社の信頼性を示す重要な指標です。悪質業社などの場合は免許を受けていない可能性が高く、取引トラブルを避けるためにも有効な手段といえます。
宅地建物取引業の免許の有無は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」から確認できます。
免許の取得状況のほかに免許更新の回数も確認可能です。免許の更新回数の見方は番号の前のカッコに記載されている数字です。免許更新は5年に一回のペースで実施されます。
たとえば以下の免許番号の場合は更新回数が2回なので少なくとも10年以上は不動産業を営んでいる企業であることが読み取れます。
国土交通大臣免許 (02)第〇〇号
宅地建物取引業の免許は不動産会社の実績を把握する手段のひとつのなので、気になる不動産会社がいれば確認しましょう。
実績で選ぶ
豊富な取引実績は、不動産会社の信頼性と経験を示します。不動産会社の実績は以下の点からチェックできます。
- 年間の取引件数
- 対象地域での売却実績
- 類似物件の取扱い経験
実績が豊富な会社ほど、自社での売却実績データを多数抱えているため、より正確で現実的な査定額を算出できる傾向にあります。
実績の確認方法としては、会社のウェブサイトを確認するのが一般的です。多くの不動産会社は自社のウェブサイトで過去の取引実績、成功事例、取引規模や種類、対象地域での実績などの情報を公開しています。これらの情報から、会社の経験や専門性を把握できます。また、店舗や看板での確認も有効な方法です。
なお大手の不動産会社仲介取引件数などの実績は公益財団法人不動産流通推進センターの「不動産業統計集」などで確認可能です
豊富な取引実績は、不動産会社の信頼性と経験を示します。査定額の信頼性も上がるので、不動産会社を選ぶ際は確認しておくと良いでしょう。
地域事情を理解しているかで選ぶ
地域に精通した不動産会社は、より適切な査定と効果的な販売戦略を立てられます。たとえば売却を検討している地域によって開発計画の有無など街としての将来性や、地域特有の相場感覚が異なります。地域に精通した不動産会社の場合はこれらの情報を掴んでいる可能性が高く、現実的な販売戦略が立てられるでしょう。
また不動産会社は地元会社同士の結びつきが強い特徴を持ちます。そのため地域に根ざした会社の方が売り手・買い手の情報が掴みやすいです。これらの要素により、より現実的な相場での査定や取引が可能となり、スムーズな取引が期待できます。
担当者との相性で選ぶ
不動産取引は長期にわたるため、担当者との相性は非常に重要です。専門性が高く、一般の人にとってわからない点も多いため、気軽に疑問を聞ける関係性が望ましいです。担当者との相性が良ければ、不安を感じることなく取引を進められます。
相性を見極めるには以下のポイントに着目しましょう。
- コミュニケーションがスムーズか
- 質問に対して丁寧でわかりやすい回答をしてくれるか
- 売主の要望や懸念事項をしっかり聞いてくれるか
相性の良い担当者と取引を進めることで、安心感が生まれ、より満足度の高い売却が期待できます。
囲い込みを行っていないかで選ぶ
不動産会社を選ぶ際、囲い込みを行っていないかどうかは重要なポイントです。囲い込みとは、不動産会社が売却依頼を受けた物件情報を意図的に他社に公開せず、自社だけで取引を完結させようとする行為を指します。
囲い込み行為は、なかなか買い手が見つからない、値下げを要求されるなど、売主の利益を損なう可能性があるため注意が必要です。たとえば囲い込みを行う不動産会社は、物件情報を他社に提供せず、自社のみで買主を見つけようとします。また、物件情報をレインズ(不動産情報ネットワーク)に登録しない、または登録してもすぐに削除するなどの行動が見られます。
対して優良な不動産会社は、売主の利益を最優先に行動を起こしてくれる可能性が高いです。専任媒介契約や専属専任媒介契約を強要せず、他社での査定や相見積もりを制限しません。また、売主の希望を叶えるために売却方法について複数の選択肢を提示するケースもあるでしょう。このような会社を選ぶことで、公平で透明性の高い取引が期待できます。
囲い込みによる自社の利益を優先した取引を強引に進めようとしない、優良な不動産会社を選ぶことが、スムーズな売却につながります。
口コミや評判から選ぶ
不動産会社を選ぶ際、口コミや評判は非常に重要な判断材料となります。他の顧客の経験は、不動産会社の信頼性を判断する上で貴重な情報源だからです。不動産会社のウェブサイトなどは基本的にその会社の良い点しか載っていないため、実際の利用者の声を聞くことが大切です。口コミは、会社の対応の質や取引の満足度など、公式情報では得られない実際の体験に基づいた情報を提供してくれます。
口コミや評判を確認はオンラインの口コミサイトを活用するのが一般的です。たとえば不動産会社の口コミをオンラインで確認するにはは以下の方法が挙げられます。
- 検索エンジンの口コミサイト
- 不動産ポータルサイト
- SNSの投稿
ただし、オンラインの口コミや評判は実際に利用していない人も投稿が可能で、信憑性の低い投稿が存在するのも事実です。口コミの評判を鵜呑みにしすぎるのは注意です。
口コミや評判を参考にしつつ、これまで解説したポイントを総合的に判断することで、より信頼できる不動産会社を見つけられる可能性が高まります。
【売主向け】不動産売却のチラシを活用する際のポイント
不動産売却のチラシを活用する際、売主が押さえるべきポイントがいくつかあります。これらのポイントは、チラシの情報を効果的に利用しつつ、潜在的なリスクを回避するために重要です。
主なポイントとしては、以下の通りです。
- チラシの内容を鵜呑みにせず、批判的に見る姿勢を持つ
- チラシに記載された会社の実績や評判を別途調査する
- 一括査定サイトなど、他の情報源もあわせて活用する
- チラシに記載された情報の根拠を不動産会社に確認する
- 囲い込み取引を避けるため、一社に依存しすぎない
これらのポイントに共通するのは、チラシの内容だけで判断せず、他の情報も取り入れながら冷静に判断することです。このアプローチを取ることで、チラシの情報が本当に有益かどうかを見極められ、結果としてスムーズかつ好条件での売買取引につながる可能性が高まります。
不動産売却を検討しているならイエカカクがおすすめ
不動産売却のチラシは、一見魅力的に見えますが、必ずしも信頼できる情報源ではありません。不動産会社の中には業務効率の向上や他社との差別化、両手取引の可能性を見込んでチラシを配布しています。
チラシの表現に踊らされて、慌てて売却をしてしまうのは危険なので注意しましょう。もしチラシを活用する際は、内容を鵜呑みにせず批判的に見る姿勢を持ち、会社の実績や評判を別途調査し、一括査定サイトなど他の情報源もあわせて活用することが重要です。
最終的には、複数の情報源を比較検討し、慎重に判断することで、より良い不動産売却の機会を見つけ出せるでしょう。
一括査定サイトを利用する際はイエカカクがおすすめです。イエカカクは実績豊富な優良企業から最大6社まで一括で査定依頼ができます。当サイトから査定いただいた人の中には1,000万円以上高く売却できたという実績もあります。
この実績は優良な不動産会社と提携しているイエカカクだからできることといえるでしょう。
イエカカクの査定依頼は無料でネット上から行えるので、気になる方はぜひ以下から査定を行ってみてください。