古い家を解体して更地にする費用の相場は？更地にした方がいいケースも紹介

古い家の解体を検討中で、費用がどのくらいかかるか心配な人も多いでしょう。家の解体費用は家の大きさや建物の構造によって異なります。

この記事では、古い家の解体費用の相場や費用を抑えるためのポイント、更地にすべきケースについても詳しく解説します。古い家のある土地をどうするかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

古い家を解体して更地にする費用の相場は？

古い家を解体して更地にする場合、建物の解体費用はどのくらいかかるのでしょうか。解体費用は建物の構造と広さによって変動します。

建物の構造による解体費用の坪単価の目安は、以下のとおりです。

構造	解体費用の坪単価相場
木造	3万円～5万円
鉄骨造	4万円～7万円
鉄筋コンクリート造（RC造）	5万円～8万円

一般的に建物の面積が広いほど解体作業量が増えるため、解体費用が高額になります。また、建物の強度が高いほど解体費用が高くなるため、木造よりも鉄筋コンクリート造の建物の方が費用は多くかかります。

上記の相場から、建物の坪数別の解体費用の目安は、以下のとおりです。

解体費用はその他にもさまざまな要因で費用が変動するので、上記はあくまで目安と考えましょう。

古い家を解体して更地にするメリット

古い家を解体して更地にすると、以下のようなメリットがあります。

建物を解体して土地が更地になると、新しい建物を建てたり、土地を売ったりと選択肢が広がります。更地であれば買主がすぐに新しい建物を建てられるため、土地を探している人にとっても魅力的です。また、老朽化した建物がなくなると管理の手間や費用が削減でき、地震や火災などのリスクもなくなります。

古い家を解体して更地にするデメリット

古い家を解体して更地にすることにはメリットもありますが、以下のようなデメリットもあります。

建物を解体して更地にするには、先述のとおり、高額な解体費用がかかります。土地を売る場合、この解体費用を売却価格に上乗せできるとはかぎらず、売主の負担になるケースもあります。

また、更地にすると固定資産税が大幅に上がる点にも注意が必要です。住宅用地の特例により、建物がある土地は固定資産税が最大6分の1に軽減されます。しかし更地にすると、この特例を受けられなくなります。

さらに、長年住み続けた思い出の詰まった家を解体することは、多くの場合、精神的な苦痛を伴います。金銭的な面だけでなく、このような心情面も考慮する必要があるでしょう。

古い家を解体して更地にした方が良いケース

続いて、古い家を残したままにするより解体した方が良い、以下のようなケースを解説します。

倒壊するおそれがある家の場合

倒壊のおそれがある古い家は、解体して更地にした方が良いでしょう。老朽化が進んだ建物は地震や台風といった自然災害時に倒壊するリスクが高く、人命に関わる重大な事故につながる可能性があります。

例えば、地震や台風などの自然災害時に老朽化した家が倒壊し、通行人が下敷きになるといった事故が起こるかもしれません。また、空き家の倒壊により隣家が損傷し、その修繕費用をめぐってトラブルになることも考えられるでしょう。

このように、安全性の観点から倒壊リスクの高い古い家は速やかに解体し、更地にしておく方が安心といえます。

空き家の管理を負担に感じている場合

空き家の管理に負担を感じているなら、解体して更地にすることを検討してみましょう。空き家の維持管理には、定期的な清掃や修繕、庭の手入れなど、多くの手間とコストがかかります。特に遠方に住んでいる場合や、高齢で管理が難しい場合は大きな負担となるでしょう。

空き家を放置すると庭木が伸び放題になり近隣住民から苦情が来たり、空き巣に入られて貴重品を盗まれたりするリスクがあります。

空き家の管理は、想像以上に負担が大きいものです。もし管理に悩んでいるなら思い切って解体すると、精神的・経済的な負担から解放されるでしょう。

建て替え費用の方が安くつく場合

古い家の状態によっては、リフォームするよりも建て替えの方が費用を抑えられる場合があります。その場合は、解体して更地にすることを検討しましょう。老朽化が激しい家は、基礎や柱のような構造部分にまで劣化が広がっているおそれがあります。

築50年以上の木造住宅で耐震補強、屋根の葺き替え、配管の全面交換が必要な場合、工事費用が2,000万円前後になるケースも考えられます。2,000万円あれば同程度の家を新築できる可能性もあり、費用対効果の面で建て替えの方が合理的といえるでしょう。

古い家のリフォームを検討している方は、建て替え費用との比較もしてみましょう。

更地の方が土地の価値が高い場合

古い家が建っている土地を売却する際、建物が老朽化しすぎている場合は更地にした方が土地の価値が高まるケースがあります。建物の状態が悪いと買主が購入後に解体費用を負担しなければならないため、売却価格を下げざるを得ないからです。

例えば、駅近くの好立地に古い家が建っている場合、更地にするとマンションやアパート、店舗などを建設できる可能性が広がり、土地の価値が大幅に上昇する可能性があります。

古い家付きの土地を売却する際は、更地にして土地の価値を高められないか検討してみると良いでしょう。

古い家を解体して更地にする費用を抑えるポイント

古い家を解体する場合、なるべく費用を抑えたいところです。ここでは、解体費用を安くする、以下のようなポイントを解説します。

複数の業者に見積もりを依頼する

古い家の解体費用を抑えたいなら、複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。解体費用は建物の構造や規模、立地条件、廃棄物の処理方法といった、さまざまな要因によって大きく変動します。また、業者によっても価格設定やサービス内容が異なるため、1社だけの見積もりで契約してしまうと、相場よりも高い費用を支払うおそれがあるのです。

業者によっては解体費用に加えて廃棄物処理費用や運搬費用などを別途請求する場合があったり、これらの費用をすべて含めた総額で見積もりを提示したりする場合があります。複数の業者に見積もりを依頼すると、費用対効果の高い業者を選択できます。

このように、解体費用は業者によって大きく異なるため、1社だけの見積もりでは適正価格かどうか判断できません。複数の業者の工事内容や費用を比較しましょう。

繁忙期を避ける

古い家の解体費用を抑えたいなら、解体業者の繁忙期を避けて依頼すると効果的です。繁忙期には解体費用が割高になる傾向があるからです。

解体工事の一番の繁忙期は2月・3月といわれていて、閑散期に該当するのは4月から9月です。特に急ぎでなければ閑散期を狙って工事を依頼すると、費用を抑えられる可能性が高いでしょう。

できることは自分でやる

古い家の解体費用を抑えたいなら、家財道具や庭木の処分など、自分でできることは可能なかぎり自分でするようにしましょう。解体業者に家財道具や庭木の処分を依頼すると、別途費用が発生します。自分で処分すれば、解体費用を大幅に削減できる可能性があります。

例えば、家の中に残っている家具や家電、廃材などは、自分で運び出してリサイクルショップに売却したり、粗大ゴミとして処分したりできます。庭木も自分で伐採したり、剪定したりすることで処分費用を抑えられるでしょう。

このように、解体業者にすべてを任せるのではなく、自分でできることは自分ですると解体費用を節約できます。

補助金を活用する

自治体で老朽化した空き家の解体に補助金を交付している場合、積極的に活用しましょう。補助金は返済の必要がなく、解体費用の自己負担分の大幅な削減が期待できるためです。

例えば、東京都杉並区には、老朽危険空家除却費用の助成制度があります。この制度では、老朽化が進み倒壊の危険がある空き家の除却費用の一部を区が助成しています。助成額は除却工事費の80％で、上限は150万円です。

このように、自治体の補助金を活用すれば、解体費用の自己負担を大幅に抑えられる可能性があります。ただし、補助金の内容は自治体ごとに異なるため、必ず事前に確認が必要です。

費用が足りない場合はローンも検討しよう

古い家の解体費用が足りない場合は、ローンを検討することも一つの選択肢です。解体費用はまとまった金額が必要となり、自己資金だけでは難しい場合もあります。

最近では空き家問題の解決を支援するため、空き家解体専用のローンを取り扱う金融機関も増えています。空き家解体ローンはフリーローンなどより金利が低めで、保証人が不要な場合もあるため、比較的利用しやすいローンです。

解体費用がネックで更地化を諦めている場合は、ローンという選択肢も視野に入れてみましょう。

土地の売却を検討しているならイエカカクがおすすめ

古い家を解体して更地にすることは、土地の有効活用や資産価値向上のための有力な選択肢です。解体費用や固定資産税の上昇など考慮すべき点もありますが、大きなメリットを得られる可能性があります。

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