マンションを売却する際には、まずどのように準備をし、最終的な売却まで進めていくかといった流れを理解しておく必要があります。流れを理解しておくことで、よりスムーズに売却活動を行えるでしょう。また、売却するにあたり、できれば高値で売却したいと考えるのではないでしょうか。
今回はマンションを売却する流れを解説するとともに、売却にかかる費用や高額で売るためのポイントについて紹介します。合わせてマンションを売却する際の注意点についても紹介しますので、参考にしてください。
マンション売却の流れ
マンションの売却は基本的に以下の流れで行われます。
- 事前準備をする
- マンションの査定を受ける
- 不動産会社を選ぶ
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動を行う
- 売買契約の締結・マンションの引き渡し
- 確定申告を行う
事前準備から不動産会社と媒介契約を締結するまでがおよそ1ヶ月程度、そして売却活動が約1ヶ月から3ヶ月程度、購入者が見つかり、売買契約の締結そしてマンションの引き渡しまでが約1ヶ月から2ヶ月程度かかるといわれており、事前準備からマンションの引き渡しまでは約半年くらいかかると考えておくといいでしょう。
もちろん売却活動の中で早く購入者が見つかれば期間は短くなりますし、なかなか購入者が見つからない場合は半年以上かかる可能性もあります。
1.事前準備をする
事前準備では、不動産会社のサイトなどで売ろうとしているマンションと同じ条件の物件がどのくらいの価格で売却されているのかといった市場価格を確認しておきましょう。
合わせて、以下の書類を準備しておく必要があります。書類によっては平日の昼間に公共機関で入手しなければならないため、どこでどの書類を取得するのかをまとめ、1日で取得できるよう段取りを整えておくと安心です。
【マンション売却に必要な書類】
書類 | 概要 | 取得場所 |
---|---|---|
登記済権利証もしくは 登記識別情報 | 売却するマンションが売却する本人のものであることを証明する書類 | 法務局 |
登記事項証明書(登記簿謄本) | 売却するマンションが売却する本人のものであることを証明する書類 | 法務局 |
実印 | 契約書に押印する際に必要 | 自分で作成 |
印鑑証明書 | 実印として市区町村役場の窓口に登録しているものが実印。そのため実印が必要な際は、それが実印であることを証明する「印鑑証明書」を合わせて提出する必要あり | 市区町村役場の窓口 (マイナンバーカードを保有している場合はコンビニエンスストアで取得可能) |
身分証明書 | 本人であることを確認できる書類 運転免許証やパスポートなど | 自分で保有 |
住民票 | 売却したマンションと別の場所に住んでいる場合に必要 | 市区町村役場の窓口 |
マンション購入時の売買契約書および重要事項説明書 | 特に重要事項説明書は取引内容や告知事項が記載されているため重要 | 自分で保有 |
物件の内容が分かる見取り図やパンフレット | 販売活動の際に広告の一部として利用 | 自分で保有 |
マンションの管理規約 | マンションのルールなどを把握するために必要 | 自分で保有 (もしくはマンションの管理組合) |
耐震診断報告書 | あれば提出 | マンションの管理組合 |
固定資産税納付書もしくは固定資産税評価証明書 | 固定資産税の精算を行うために必要 | 自分で保有 (もしくは市区町村役場の窓口) |
(住宅ローンが残っている場合) ローン残高証明書 | 売却金額でローンを完済できるかを調べるために必要 | ローンを借り入れている金融機関 |
2.マンションの査定を受ける
マンションがどのくらいの値段で売れるかを不動産会社に査定して金額を出してもらいます。このときに大切なことは、必ず複数社に査定依頼を行い、比較することです。
査定金額は不動産会社によって異なりますし、また信用できる不動産会社かどうかを調べることにも役立ちます。
ただ、自分で複数の不動産会社に依頼するのは、不動産会社の選定から行わなければならず、どういった基準で選定したらいいのか分からない人もいるでしょう。
その際におすすめするのが一括査定の利用です。
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3. 不動産会社を選ぶ
査定結果が出たら、最終的に売却活動を依頼する不動産会社を選びます。
選ぶ際には、査定額が明確な根拠に基づいて行われているかどうかや、その不動産会社のこれまでの実績などをみて決めるといいでしょう。
できるなら、対面で査定結果の説明を受け、その担当者の対応をみたうえで信頼して売却活動を任せられるかどうかを判断することをおすすめします。
また、不安な面や気になる点があれば必ず質問し、解決しておきましょう。
4.不動産会社と媒介契約を締結する
売却を依頼したい不動産会社が見つかったら、その不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約には、「一般媒介契約」と「専任媒介契約」そして「専属専任媒介契約」の3つがありますので、それぞれの違いをよく理解したうえで、自分に合った契約方法を選ぶことが大切です。
【一般媒介契約】
複数の不動産会社に販売活動を依頼できる反面、多くの不動産会社と連絡を取る必要があり、スケジュールを組むのが難しくなるといったデメリットがあります。また、安い物件だとあまり積極的に販売活動を行ってもらえない可能性も否定できません。
【専任媒介契約および専属専任媒介契約】
1つの不動産会社としか契約を結べず、また契約期間も決まっているため、その期間内にしっかりとした売却活動を行ってもらうことが期待できます。また、専任媒介契約および専属専任媒介契約では定期的な活動報告が義務づけられており、その点でも今どのような状況かを確認できるため安心できるでしょう。ただ、契約できるのは1つの不動産会社のため、慎重に決める必要があります。
どの契約形態が自分に合っているか迷った場合は、不動産会社の担当者に相談してみましょう。自分の売却スタイルや希望などを聞き取り、適切なアドバイスをしてくれます。
5.売却活動を行う
売却活動で最初に行うのは、売り出し価格の設定です。査定価格と売り出し価格は異なりますので、査定価格を基準に、どのくらいの価格で売り出すかを決める必要があります。
特に、住宅ローンの残高がある場合は、売却価格で住宅ローンが完済できる状況でなければ売却できませんし、売却にあたりさまざまな費用がかかる点も考慮しながら、最終的な売り出し価格を決めるようにしましょう。
ただ、あまり相場よりも高い価格に設定すると、購入希望者が見つかりにくくなりますので、相場価格も考慮することを忘れないようにしてください。
6.売買契約の締結・マンションの引き渡し
購入者が決まり、価格交渉などを行って最終的な購入意思が決定したら、売買契約を締結します。契約書は不動産会社が作成しますが、内容に問題がないか事前にしっかりと確認しておきましょう。契約締結時には実印が必要ですし、契約書に貼付して納める印紙税も必要です。
売買契約締結時には手付金を受け取るケースが多いです。この手付金は、何らかの理由で契約が解除になった際に、違約金としての役目を持ちます。
また、不動産会社に対し、仲介手数料を払う必要がありますので、事前に準備しておきましょう。
引き渡しは、売買契約を締結してから約1ヶ月~2ヶ月程度で行われるのが一般的です。引き渡し時には、購入者と売主、不動産会社の担当者、そして金融機関の担当者が集まって手続きが行われます。
購入者が住宅ローン契約を締結し、その後、手付金を除いた売却代金が売主の口座に振り込まれたら引き渡しという流れです。その際に所有権移転登記も合わせて行われるため、司法書士が同席するケースもあります。
引き渡し時にまだ室内に物が残っていることがないように、きれいに片付け、購入者のかたに家の鍵を渡すようにしましょう。そのためにも、売買契約を締結したらすぐに引っ越しおよび室内の掃除にとりかかるといいでしょう。
7. 確定申告を行う
マンションを売却し、利益がでた場合は、譲渡所得になりますので、確定申告を行い、譲渡所得金額に応じた税金を納めなければなりません。
譲渡所得金額を求める計算式は以下のとおりです。
売却金額-(物件の取得金額+売却にかかった費用)-特別控除額
特別控除額はどのような物件を売却したかによって金額が異なりますが、自宅であるマンションを売却した場合は3,000万円の特別控除額が用意されています。
税額はその物件を売却した年の1月1日時点の保有期間が5年を超えているか、それ以下かで異なり、5年を超えている場合は15%、5年以下の場合は30%です(これに加えて住民税および特別復興税がかかります)。
売却によって譲渡所得金額が発生した場合は、忘れずに必要書類をそろえ、確定申告を行うようにしてください。
確定申告は売却した年の翌年の2月16日~3月15日までと決まっていますので、その間に行いましょう。
マンション売却にかかる費用
マンションを売却する際には、不動産会社に支払う仲介手数料以外にもさまざまな費用がかかります。
手数料・費用 | 費用の目安 | 支払い時期 |
---|---|---|
仲介手数料 | 売却金額によって異なるが、売却金額が400万円以上の場合は以下の計算で求めた額が上限となる。 売却価格×3%+6万円+消費税 | 売買契約締結時 |
印紙税 | 売買に記載されている金額によって異なる。現在は軽減措置が取られており、仮に売却金額が3,000万円だった場合は1万円。 | 売買契約締結時 |
登記費用 | 土地部分と建物部分それぞれ1,000円かかるため、合計2,000円 | 物件引き渡し時 |
譲渡所得税 | 売却金額-(マンションの取得価格+売却にかかった費用)-特別控除額で求めた課税譲渡所得金額に税率を乗じて求めた額 | 確定申告時 |
譲渡所得税は物件がいくらで売れたかや、物件の購入価格などによって左右されるため一概にいくらとは言えませんが、仲介手数料、印紙税および登記費用については売却価格の3%~5%を目安に考えておくといいでしょう。
マンションを高く売却するためのポイント
マンションをできるだけ高く売却するには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 余裕を持ったスケジュールを立てて売却を進める
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 信頼できる不動産会社を選ぶ
- 適切な価格設定を行う
- 内覧前の準備を十分にしておく
- 売却にかかる費用をできるだけ抑える
- 売却のタイミングにも工夫を
以下で詳しく解説します。
余裕を持ったスケジュールを立てて売却を進める
マンションの売却には半年程度の長い時間がかかります。その間、不動産会社の選定や、書類の準備などやることがたくさんあるため、余裕を持ったスケジュールを立てておくことが大切です。
また、半年経っても売却できない可能性もあるため、売却活動の進行状況を見ながら、適時スケジュールを見直すようにしましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
査定を依頼する不動産会社が1社だけだと、それが正当な価格なのか判断ができません。査定価格は不動産会社によって異なるからです。
複数の不動産会社に依頼することで、査定金額の算出根拠を聞くこともできますし、不動産会社によって査定価格が異なるため、より高く売れる可能性も見えてくるでしょう。また、他社と比較して自分に合った担当者を見つけることができるというメリットもあります。
担当者とは売買活動から物件引き渡しまでずっとお世話になるため、専門的な知識を持ち、なおかつ相談しやすいかどうかが重要なポイントです。
ただ、複数の不動産会社を選定するのは難しいため、査定を依頼する際には一括査定サービスを利用することをおすすめします。
イエカカクでは厳選された優良企業に対して最大6社まで査定を依頼できます。査定依頼は無料ですし、インターネットで簡単に申し込めますので、興味を持った方はぜひ以下のサイトで依頼を行ってみましょう。
信頼できる不動産会社を選ぶ
最終的に媒介契約を結ぶ不動産会社は信頼できる会社を選ぶことが大切です。
査定金額はあくまでもこのくらいの値段で売却できるだろうという予想額ですので、算定根拠をしっかりと説明してくれ、さらにマンション売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶことをおすすめします。
実績が豊富な不動産会社なら、ニーズに合った販売活動が行えますし、市場の状況が変わった際にもどのように販売活動を行っていくかを一緒に考えてくれます。売却に適したタイミングの判断も行ってもらえるため、高額で売却できる可能性も高くなります。
また、担当者は販売活動について具体的に分かりやすく説明してくれ、かつ信頼できると思った人を選ぶようにしましょう。最初に付いた担当者に不安なところがある場合は、他の担当者に変えてもらうよう交渉してみましょう。
適切な価格設定を行う
売却価格は査定価格を基に決めます。つまり、査定価格がそのまま売却価格になるわけではありません。なぜなら、マンション売却に関しては、うえで紹介したようにさまざまな費用がかかりますので、それを上乗せして決める必要があります。
また、購入者が売却価格をそのまま了承してくれるケースは少なく、価格交渉を行うことになることを考えたうえで最終的な売却価格を設定しなければなりません。
売却価格の下限値を自分で決めておき、価格交渉や売却にかかる費用を加味しながら適切な価格設定を行うようにしましょう。
内覧前の準備を十分にしておく
購入希望者は必ず物件の内覧に来られます。その際に、家をきれいにしておくことはもちろん、不要な物は片付けてすっきりした印象を見せるようにしておきましょう。
また、水回りは購入者が一番気にする所です。きれいに掃除する必要がありますが、時間が取れない、もしくは自分の力では限界だと感じるなら、ハウスクリーニングサービスを利用しましょう。水回りの印象だけで、家の印象も大きく変わります。
また、室内だけでなくベランダの掃除も忘れずに行っておきましょう。
家の魅力的な部分をアピールしたり、購入希望者様からの質問にも丁寧に答えたりなど印象を良くしておくことも大切なポイントです。
売却にかかる費用をできるだけ抑える
売却にかかる費用をできるだけ抑えることも、マンションを高く売却するためのポイントです。
仲介手数料はあくまでも上限が決まっているだけですので、交渉して値下げしてもらうことも考えてみましょう。また、抵当権抹消登記も必ず司法書士に依頼しなければならないわけではありません。自分で法務局にて手続きすることで、司法書士への報酬を払わなくても済みます。
法務局では登記相談を受け付けていますので、事前に相談し、自分で手続きを行ってみましょう。
マンション売却にかかる費用を節約することで、最終的に手元に残る金額が多くなります。小さなことでもできることから取り組んでみましょう。
売却のタイミングにも工夫を
いつまでに売却しなければならないといった期限がないなら、マンションを売りに出すタイミングを工夫してみましょう。
物件の需要には繁忙期や閑散期があり、繁忙期に売りに出すことで購入希望者も多くなり、高く売れる可能性が大きくなります。逆にあまり需要のない時期に急いで売却すると、価格交渉で大きな値下げを迫られる可能性もあり、最終的に得られる利益が少なくなってしまいます。
売却のタイミングは、経験豊富な担当者なら十分見極められるでしょう。担当者と相談しながら売却活動を進めていきましょう。
マンションを売却する際の注意点
マンションを売却する際には、以下の2点に注意しておきましょう。
- 住宅ローンは完済しておく必要がある
- マンションの売却にも費用がかかる
なぜこれらの点に注意しなければならないかについて、以下で説明します。
住宅ローンは完済しておく必要がある
売却しようとしているマンションの住宅ローンが残っている場合、引き渡し時に完済の状態になっている必要があります。なぜなら、金融機関は抵当権が設定されているマンションの売却を認めてくれないからです。
そのためにも、引き渡し時に受け取った売却金額で完済できる状況にしておきましょう。そうすれば抵当権抹消登記を行い、マンションが売れる状況になります。
受け取った売却金額で完済できないなら、預貯金から一時的に資金を調達するなど対処法を考える必要があります。その際には預貯金の全額を返済に充てるのではなく、生活防衛資金を除いた額に収めることも忘れないようにしてください。
マンションの売却にも費用がかかる
マンションの売却には不動産会社に支払う仲介手数料やさまざまな税金がかかります。特に利益がでて譲渡所得税を納めなければならなくなった場合、その金額によっては手元に残る金額が少なくなってしまいます。
最終的にどれだけ利益がでるかを考える際には、マンションの売却にかかる費用や税金などを考慮したうえで計算する必要があります。
マンションの売却を検討しているならイエカカクがおすすめ
マンションをスムーズに売却するには、売却の流れをしっかりと理解し、事前準備を怠らないことが大切です。また、売却に関して費用がかかる点も忘れないようにしておきましょう。
マンションの売却を成功させるには、信頼できる不動産会社に依頼することが重要なポイントです。
不動産会社選びに迷っているなら、イエカカクの一括見積もりを利用してみましょう。
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できるだけ高くマンションを売りたいと思っている人にはとても魅力的に感じるのではないでしょうか。
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