所有しているマンションを「少しでも高く売りたい」と思うのは当然のことです。マンションの相場は経済動向などの影響を受けて変動するため、売り時によっては大きな利益を手にできるかもしれません。
この記事では、マンションを売却するタイミングはいつにするべきか、注意点とあわせて解説します。「できるだけ良いタイミングで売りたいけど、どう判断すればいい?」「2024年の今は売り時?」と悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
2024年はマンションの売り時?
結論から言うと、2024年はマンションの売り時であると考えられます。
それは一体なぜなのか、おもな理由は以下の2点です。
- マンション価格の高騰
- 金利の引き上げ
それぞれ解説します。
マンション価格の高騰
2024年現在、マンションの価格は上昇傾向にあります。
出典:国土交通省|不動産価格指数(2024年7月31日公表分)
直近ではインフレであらゆる物の値段が上がり、以前よりも建築費がかかるようになった結果、新築マンションの価格が高騰するという現象が起きました。
そして、高額になって手が届きにくくなった新築マンションを避けようとする層の需要が中古物件に流れたことから、中古マンションの価格も上昇しています。
マンションを売る側からすれば、できるだけ高い価格で売れる時期を選びたいものです。上記のような現状はチャンスと言えます。
金利の引き上げ
日本は長らく「マイナス金利政策」を行っていた影響で、低金利が続いていました。しかし、2024年3月にマイナス金利が解除されて17年ぶりの利上げとなり、同年7月には政策金利を0.25%まで引き上げる追加の利上げも決定しました。
これから銀行などの金融機関でも金利が上がってくる、つまり、住宅ローンの返済が今までより大変になる可能性が高く、「家を買いたい」と考える人が減る可能性があります。そうなれば、売却価格を下げざるを得なくなるでしょう。
2024年は、マンション価格の高騰が続くなかで、まだ金利が本格的に上がっていないタイミングなので、売り時として適しているでしょう。
【ケース別】マンション売却に最適なタイミング
マンション売却に最適なタイミングは、経済動向のほか、物件の築年数、周辺環境や所有者自身の変化など、さまざまな条件によって変わってきます。
以下、ケース別に詳しく見ていきましょう。
【築年数】マンション売却に最適なタイミング
通常、築年数が浅い(新しい)マンションほど高値がつく傾向があります。
しかし、築15年程度など「もうすぐ大規模修繕がある」というタイミングは、敬遠されて価格が下がりやすいので注意しましょう。大規模修繕を無事に終え、外観や設備がきれいに整えられる頃まで待つのが得策です。
なお、築年数の経過とともに毎年同程度ずつ価格が下がっていくわけではなく、築5年・築10年・築20年・築30年・築50年といった節目を迎えるたびに下落していくイメージです。できるだけ早いうちに、節目を迎える前に売るのも1つの戦略です。
【季節・時期】マンション売却に最適なタイミング
マンション価格は、実は季節によっても変動します。
もっとも高く売れやすいのは2~3月頃と言われています。理由は「4月から始まる新生活」に合わせて家を探す人が増える時期だからです。この時期までに家を売り出せるよう、12~1月頃から不動産会社と連絡を取るなど、必要日数を逆算したうえで売却に向けて動いていくとよいでしょう。
なお、6~8月は売れにくい季節だと言われています。梅雨や猛暑など気候が厳しく、内覧を希望する人が少なくなるからです。
【ライフイベント】マンション売却に最適なタイミング
子どもの進学、転勤、定年退職など、自身や家族のライフイベントにあわせて売却を考えるのもおすすめです。
ライフイベントが発生すると、生活環境が大きく変わります。つまり、その生活にぴったりな家も変わってくる可能性があります。場合によっては、住み替えがベストな選択となるでしょう。
進学や転勤などの場合、いつから新しい環境での暮らしが始まるかが明確に決まっていることが多いでしょう。その時期に間に合うように住み替えを行うには、売却に向けて動き出すタイミングが重要になります。
【周辺環境】マンション売却に最適なタイミング
周辺環境が変わるときも、マンションの売却に適したタイミングです。たとえば、近くに新駅ができる、大きな商業施設がオープンする、大学や大企業が拠点を置くなどの情報が出てきた場合、その周辺の相場が大きく上昇する可能性があります。
逆に、大規模施設の移転などの計画が出て、急激に価格が下落してしまうケースも見られます。また、周辺に似たようなマンションが新たに建築されるなど、比較対象となる物件が出てきた場合も、価格が下がりやすい傾向があります。
周辺地域の今後を考えて、タイミングを図るのもおすすめです。
【経済動向】マンション売却に最適なタイミング
マンションの相場は、経済動向の影響も受けます。
基本的には、景気が良くて経済が上向きのときは価格が上がりやすいです。ただ、インフレ、為替、金利、賃上げなどさまざまな要因が関係します。
前述のとおり、「今後は金利が上がる」といった見方が広がると需要が減るため、売却価格が下がる可能性があります。また、住宅購入者に対する減税や助成金などの拡大・縮小も、需要に影響します。
ニュースなどの報道をチェックして社会全体の動きを押さえ、売却タイミングの判断に活かしましょう。
マンション売却のタイミングを決める際の注意点
マンション売却のタイミングを決める際は、次のような点に注意が必要です。
- 所有期間が5年以内で売却する場合は課税率が高くなる
- 実際に売却するまでにある程度時間がかかる
あとから「こんなはずでは」と悔やむことがないよう、よく確認しておきましょう。以下、解説します。
所有期間が5年以内で売却する場合は課税率が高くなる
マンションなど不動産を売却する場合、その物件を何年所有していたかによって、納めるべき税額が変わってきます。
原則として、土地や建物を売却して利益が出た場合、その分は「譲渡所得」として課税されます。譲渡所得の税率は、以下のように決められています。
- 所有期間5年以下……短期譲渡所得:39.63%
- 所有期間5年超……長期譲渡所得:20.315%
売った年の1月1日時点で5年を超えるか超えないかで、税率が2倍近く変わってきます。急ぐ理由がないなら、所有期間が5年を超えるまで待つのも選択肢の1つです。
なお、実際にはマイホームを売却した場合の軽減措置や特例などがあり、利益が出る状況でも税金がかからないケースがあります。売却にあたり、事前に税制を確認しておくのがおすすめです。
実際に売却するまでにある程度時間がかかる
「マンションを売りたい」と思って動き始めたからといって、すぐに売れるとは限りません。
不動産を売る際は、まず不動産会社にコンタクトを取って査定を依頼し、売却を依頼する不動産会社を決めて契約を結び、買いたい人を探すための広告や内覧などの対応をしてもらいます。買いたい人が現れたら、交渉や契約手続きなどを経て、引渡しをもって完了となります。さまざまな工程が必要になるため、すべて終わるまで時間がかかります。
マンション売却にかかる期間は3~6ヶ月程度が平均的と言われています。しかし、買いたい人がなかなか現れない可能性もあります。
時間がかかった結果、「住み替えを予定していたのに売れなくて計画が崩れた」「早く売るために価格を下げざるを得なくなった」という事態になるかもしれません。
上述のような売却タイミングを意識しつつ、なるべく早めに動き始めておくと安心です。
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