家を売りたいと思ったとき、まずは所有している家の価値を知るために「査定」を受けてみるのがおすすめです。
・家の査定ってどんなことをするの?
・どうすれば正確な査定額を算出してもらえるの?
この記事では、上記のような疑問に回答します。家の査定はどこで頼むべきか、どんな準備が必要でどんな手順で進むのか、査定を受ける際のポイントとあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
家の査定はどこに頼む?
結論から言うと、家の査定は不動産会社に依頼するものです。不動産会社が行う査定には、以下のような種類があります。
- AI査定
- 簡易査定
- 訪問査定
通常、いずれの査定も無料で受けられます。それぞれどのような査定なのか、特徴やメリット・デメリット、どんな場合に向いているのか詳しく見ていきましょう。
AI査定
AI査定では、所在地や築年数などのデータをもとにAI(人工知能)が査定額を算出します。他の査定方法と比べ、スピーディーで手間がかかりません。匿名でも利用できるため、気軽に試すのにもぴったりです。
しかし、人間ではないので、データに表れにくい美観や諸事情を汲んで柔軟に査定するのは苦手です。
まだ本格的に売却を決める前で「まずはざっくりと目安だけ知りたい」「営業担当者からの連絡はいらない」という人に向いています。
メリット | デメリット |
---|---|
・結果がすぐにわかる ・匿名かつ訪問なしでも査定できる | ・細かい条件を反映できない ・正確さに欠ける(特に戸建て) |
簡易査定
簡易査定では、物件の情報をもとに不動産会社の担当者が査定を行います。現地を訪れることなくデータのみで判断するため、「机上査定」とも呼ばれます。
人が1つ1つチェックするため、AI査定よりもスピードは落ちます。しかし、特殊なリフォームをしている場合など「査定額に影響しそうだけどデータに表れにくい個別条件」がある家の査定をするなら、AIよりも人に任せるのがおすすめです。
簡易査定は訪問査定より手軽に利用でき、担当者とのやりとりも可能です。
メリット | デメリット |
---|---|
・担当者に質問や相談ができる ・訪問なしで査定結果がわかる | ・AI査定より時間がかかる ・訪問査定より正確さに欠ける |
訪問査定
訪問査定は、不動産会社の担当者が現地を訪れ、査定する物件を実際によく確認したうえで査定する方法です。
担当者が見に来て細かいところまでチェックするため、他の査定方法より正確かつ妥当な金額が算出できる可能性が高いです。査定の根拠について質問したり、アピールや相談をしたりすることも可能なので、査定額に納得しやすい点もメリットといえます。
しかし、訪問のための日程調整や当日の対応など、時間や手間がかかります。
すでにAI査定や簡易査定を行った人や、売却する意思が固まっている人におすすめです。
メリット | デメリット |
---|---|
・眺望や内装なども加味した査定が可能 ・担当者に質問や相談ができる | ・住所や氏名の開示が必要 ・結果がわかるまでに時間や手間がかかる |
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家の査定を依頼する前にしておくべき準備
家の査定をする前に必要な準備について確認しておきましょう。
AI査定や簡易査定の場合は、物件の面積や築年数などの基本的な情報がわかる状態にしておくだけで充分です。しかし、より本格的に売却を検討するにあたって訪問査定を依頼する場合には、以下のような事前準備をしておくのが理想的です。
- 住宅ローンの残高の確認
- 必要な書類の準備
- 相場の確認
- 家の修繕履歴の確認
- 土地の境界線の確認
いずれも、家の現状を把握して正確な査定額を算出し、後悔しない金額で売却するために必要なことばかりです。1つずつ見ていきましょう。
住宅ローンの残高の確認
査定してもらう家の住宅ローンがいくら残っているのか確認しておきましょう。
住宅ローンが残っている家を売却する場合、売却時に全額まとめて返済する必要があります。売却価格(査定額)で住宅ローンの残高を全額返済できそうか、差額はどれくらいあるのか知っておくことが大切です。
住宅ローンの残高は、銀行の契約者向けWebサイトや「返済予定表」などで確認できます。より確実な数字を知りたい場合は、銀行に「残高証明書」の発行を依頼するとよいでしょう。
必要な書類の準備
続いて、査定に必要な書類を集めましょう。査定に必要な書類とは、その家の状況を確認できるもので、たとえば以下のような書類です。
【家の査定に必要な書類】
書類 | 概要 |
---|---|
登記済権利証(登記識別情報) | 家の持ち主であることを証明する書類 |
建築図面 | 設計図や間取り図など建物の詳細がわかる書類 |
固定資産税納税通知書 | 土地と建物にかかる税金の金額がわかる書類 |
(戸建ての場合)建築確認済証・検査済証 | 法律を守って建てられたことを証明する書類 |
(戸建ての場合)土地の測量図 | 土地の形や面積を正確に確認できる書類 |
(戸建ての場合)住宅性能評価書、耐震診断報告書など | 住宅の品質を証明する書類 |
(マンションの場合)購入時のパンフレット | その家のアピールポイントがわかる書類 |
(マンションの場合)管理規約 | そこで生活するうえで守るべきルールが記載された書類 |
上記以外でも、土地や建物に関する書類があれば、一式まとめて出せるようにしておくとよいでしょう。
売却相場の確認
訪問査定を受ける前に、だいたいいくらくらいで売れそうか相場を知っておくのがおすすめです。
相場がわからない状態だと、不当に低い金額を付けられたり、逆に高すぎる金額を提示されたりしても疑問を持つことができません。よくわからないまま「そんなものか」と思って契約すると、あとで後悔してしまうかもしれません。
周辺のよく似た物件がどれくらいで売れているか調べたり、AI査定を利用したりすれば、比較的かんたんに相場を確認できます。ざっくりとでもいいので、目安となる金額を把握しておきましょう。
家の修繕履歴の確認
家の修繕やリフォームをした経験がある場合、査定額がアップする可能性があります。どこをどんな風にいつ直したのかわかる状態にしておきましょう。
過去の工事の契約書などが残っていれば正確に把握できます。修繕履歴のほか、シロアリや耐震、インスペクション(建物状況調査)など何らかの検査や診断を受けたときの結果表があれば、見せられるよう準備しておくとよいでしょう。
なお、家を売却するからといって、あわててリフォームや清掃など手を加える必要はありません。あくまで現状のままで、何か不備や欠陥などがあれば申告するようにしましょう。
土地の境界線の確認
戸建て住宅の場合は、土地の境界線が明確かどうかも重要な査定ポイントになります。境界があいまいだと、あとからご近所トラブルに発展する可能性が高くなるため注意が必要です。
どこからどこまでが所有地なのかわかる状態が理想的です。法務局が発行する公図や測量図のほか、土地の境界や越境に関する覚書などがある場合は準備しておきましょう。
家の査定を行う際のポイント
家の査定を依頼し、納得できる査定額を出してもらうためのポイントは次のとおりです。
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 査定の際に希望を伝える
- 家のアピールポイントや瑕疵は正直に伝える
- 査定価格は根拠を尋ねて説明してもらう
以下、それぞれ解説します。
複数の不動産会社に査定を依頼する
家の査定を受けるなら、1社だけではなく複数社の不動産会社に依頼するようにしましょう。
1社だけだと、その会社が本当に適正な価格を提示してくれているのか判断するのが難しくなります。複数を比較することで、不動産に関する知識があまりない状態でも相場をつかみやすくなるでしょう。
査定額だけでなく担当者の対応なども比較して、売却を依頼したいと思える会社を見つけましょう。
とはいえ「複数社に査定を依頼するのは面倒」と感じるかもしれません。そんなときは、イエカカクの一括見積もりを利用するのがおすすめです。
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査定の際に希望を伝える
査定の際は、自身の希望をきちんと伝えるようにしましょう。特に重要なのは「いつまでに、いくらで売りたいか」です。
できるだけ急いで売りたい人と、時間がかかってもいいから高く売りたい人とでは、売却に向けた戦略が違ってきます。売却価格の設定に深く関わってくるので、査定の時点で伝えておくことが大切です。
他にも、「近隣住民に知られずに売りたい」「こんな人に買ってほしい」といった希望・要望、「まだ売るか迷っている」「できるだけ高く売るには何をすべきか」といった悩みや疑問など、さまざまな思いを遠慮なく担当者にぶつけてみましょう。
家のアピールポイントや瑕疵は正直に伝える
「設備のグレードが高い」「耐震改修を行った」など、家のアピールポイントがあれば積極的に伝えるようにしましょう。査定額のアップにつながるだけでなく、実際に売却することになったときにも売れやすくなる効果が期待できます。
また、良いところだけでなく悪いところも正直に伝えることが大切です。
「雨漏りした」「近隣の騒音がひどい」などのトラブルがある場合は、あらかじめ買主に伝えておく責任があると法律で決まっています。不具合を隠して売ると、あとで修繕を求められたり裁判に発展したりする可能性があるため注意しましょう。
査定価格は根拠を尋ねて説明してもらう
査定の結果が出たら、なぜその価格になったのか根拠を尋ねてみましょう。
「査定で高い金額を提示する会社=良い会社」とは限りません。なかには、自社で契約してもらうためにわざと相場より高い査定額を出し、契約後は大幅に安い金額で売り出すよう促す会社もあるようです。
大切な資産のことを任せるので、信頼できる会社や担当者を選ぶことはとても大切です。算出根拠の詳細な説明を避けるような会社ではなく、丁寧に論理的に説明してくれる会社を選びましょう。
家を売却するまでの流れ
家の売却を検討してから、実際に家を売却するまでの流れは以下のとおりです。
- 相場を調べる
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社を選ぶ
- 販売活動を行う
- 売買契約の締結・家の引き渡し
順番に見ていきましょう。
1.相場を調べる
まずは、査定を依頼する前に自分で相場を調べましょう。
AI査定など手軽に調べられるツールを使うのも1つですし、国土交通省が公開している「不動産情報ライブラリ」では、周辺物件の過去の取引価格や地価公示などをかんたんにチェックできます。
その他、現在売り出し中の周辺物件のチラシや不動産情報サイトなどを確認するのもおすすめです。
2.不動産会社に査定を依頼する
おおまかな目安額がわかったら、不動産業者に査定を依頼しましょう。
比較検討できるよう、複数社に依頼するのがおすすめです。イエカカクの一括見積もりなら、一度の入力で最大6社に同時に査定を依頼できて便利です。
3.不動産会社を選ぶ
査定を依頼した会社の中から、実際に売却を任せる不動産会社を選びましょう。
選んだ会社とは「媒介契約」を締結します。媒介契約には以下の3種類があります。
契約の種類 | 主な特徴 |
---|---|
専属専任媒介契約 | 1社だけと契約。自分で買主を見つけて契約するのもNG。 |
専任媒介契約 | 1社だけと契約。自分で買主を見つけて契約するのはOK。 |
一般媒介契約 | 複数社と契約可。 |
売主にとって制限が少なく、さまざまな選択肢が残せるのは「一般媒介契約」です。しかし、不動産会社に力を入れて販売活動してもらいやすいのは「専属専任媒介契約」です。それぞれの違いをよく理解したうえで契約しましょう。
4.販売活動を行う
契約にもとづいて、不動産会社が販売活動を行います。前述の「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」では、1週間(または2週間)に1回以上、販売活動の状況を報告する義務があります。
売主が率先して動く必要はありませんが、購入希望者が内覧に来ることがあるので、家の片付けや掃除などを行っておくとよいでしょう。
売り出してから買主が見つかるまで、3~6ヶ月程度かかるのが一般的です。
5.売買契約の締結・家の引き渡し
買主が見つかったら、売買契約を締結し、家を引き渡します。
売買契約書には、物件の所在地や面積などの基本情報のほか、売却価格や支払時期などが記載されます。誤りがないかよく確認したうえで署名・捺印をしましょう。実印を使うため、印鑑証明書を手配しておく必要があります。
売買契約や固定資産税の清算などの手続きが終わったら、領収書や鍵を渡します。最後に、所有権移転の登記が終われば売却完了です。
家の査定にはイエカカクがおすすめ
家の売却を検討しているなら、まずは相場をチェックしたうえで、不動産会社に査定を依頼してみましょう。
査定にはAI査定、簡易査定、訪問査定などの方法があります。それぞれスピードや精度の高さなどが異なるため、何を重視するかによって使い分けるとよいでしょう。
査定を受けるうえで特に重要なのは、1社だけではなく複数社に依頼することです。
イエカカクなら、かんたんな質問に順番に答えていくだけで、最大6社に同時に査定を依頼できます。いろいろな会社の公式サイトを巡ったり、何度も同じ内容を入力したりすることなく、スムーズに複数社と連絡が取れるでしょう。
査定額や担当者の反応などをよく比較して、売却を任せたい信頼できる会社を選びましょう。