土地の売却査定方法!費用はかかる?評価ポイントをわかりやすく解説

土地を売却したいと考えているなら、まずは売却価格を調べなくてはいけません。自分だけで正確な売却価格を求めるのは難しい部分もあるので、最終的には不動産業者に査定を依頼するのが一般的です。

そこでこの記事では、土地の売却査定について、方法や費用、評価ポイントや売却する際の流れについて、わかりやすく解説します。土地を売却しようとしている人、売却するか迷っている人はぜひ参考にしてください。

目次

土地の売却査定方法

土地の売却査定方法は以下の3種類です。

土地の売却査定方法の種類
  • 自分で調べて計算する
  • 不動産会社のシミュレーションを利用する
  • 不動産会社に依頼し査定する

それぞれの方法について、ポイントや注意点と併せて解説します。

自分で調べて計算する

土地の売却価格は、自分で調べて計算することもできます。その際に参考になる数値が公的評価額で、より細かくすると以下の4種類に分類可能です。

公示地価国土交通省によって公表される、毎年1月1日時点の地価
基準地価各都道府県によって公表される、毎年7月1日時点での地価
路線価道路に面している土地の価格のことで、相続税・贈与税の税額を算定する際にも利用する。国税庁のWEBサイトに掲載されている「路線価図」で調べることが可能
固定資産税評価額市区町村が定める、固定資産税・都市計画税などの税額を算定する基礎となる土地および建物の価格。公示地価の7割程度で設定

公的評価額は国や地方自治体が定めている価格であり、ある程度の信頼性はあります。ただし、これだけで正確な査定額は出せないので、あくまで1つの目安として知っておきましょう。

不動産会社のシミュレーションを利用する

不動産会社によっては、AIを用いた土地価格を査定できるシミュレーションツールを公開していることがあります。これを使っておおよその土地の売却額を調べることも可能です。

それぞれのツールにより細かい部分は異なりますが、大まかには以下の手順で調べます。

シミュレーションツールの使い方
  1. 査定をしたい物件種別として「土地」を選択する
  2. 都道府県、市区町村、町名、土地面積の項目を入力し「想定価格を調べる」などのボタンを押す

インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも査定ができるのが大きな強みです。ただし、あくまで国や地方自治体が公表しているデータに基づいた想定売却価格を示しているに過ぎません。実際の売却価格は土地の形状や周囲の環境など、さまざまな要素に左右されるため、あくまで参考程度に考えましょう。

不動産会社に依頼し査定する

より正確な査定額を知りたければ、不動産会社に無料査定を依頼すると効果的です。長年の実績や周辺の不動産取引データ、個々の土地が持つ特質を踏まえたうえで、より正確な査定額を求められます。

なお、査定方法はさらに細かくは次の2つに分類可能です。

簡易査定(机上査定)  インターネットや電話で伝えられた土地の住所や面積を元に査定額を計算する
訪問査定(詳細設定)  不動産会社の担当者が実際に現地を訪れ、より細かい条件を確認したうえで査定額を計算する

まず、簡易査定でおよその金額を把握し、不動産会社を2~3社に絞ってから訪問査定を依頼しましょう。

不動産会社に査定を依頼する場合は、一括査定サービスを使うと効率的に進められます。一括査定サービスなら、イエカカクの一括査定サービスがおすすめです。必要事項を入力して送信するだけの簡単な操作で、最大6社まで不動産会社に一括査定を依頼できます。

土地の売却査定に費用はかかる?

土地の売却査定には、基本的に費用はかかりません。なお、不動産鑑定士に依頼して土地の価格を査定した場合は、報酬が発生します。ただし、不動産鑑定士に依頼して土地の価格を査定しなくてはいけない場面はそれほど多くありません。裁判における情報として使うなど、特殊な事情があるわけでなければ、不動産会社による訪問査定でも十分事足りるはずです。

仮に、不動産会社とのやりとりで費用がかかると言われた場合は、根拠を聞いてみましょう。はっきりとした回答が得られなければ、その不動産会社に依頼するのは見送ったほうが無難です。

土地の売却査定で見られる評価ポイント

土地の売却査定では、以下の点が評価ポイントとして見られます。

  • 土地の面積・形状
  • 間口や奥行きの長さ
  • 隣接地
  • 面している道路
  • 用途地域
  • 眺望や景観
  • 日当たり
  • 土地の状態
  • 最寄り駅までの距離
  • 周辺の環境
  • 近隣の嫌悪施設の有無

各ポイントについて、どのように評価されるのかを詳しく解説します。

土地の面積・形状

坪単価が同じであれば、土地の面積が広い方が査定額も高くなりますが、実際は地域によって坪単価は違うので、一概には言えません。公共交通機関が発展している地域にある、最寄り駅から近いなど、利便性が高ければ坪単価は高くなります。

また、土地の形は整形地といって、きれいな長方形や正方形に近いほど評価は上がるのも事実です。逆に、いわゆる旗竿地や台形の土地など、いびつな土地は不整形地として扱われるため査定額は下がりがちになります。建てられる家の向きや配置が制限されるためです。

間口や奥行きの長さ

間口や奥行きの長さも、土地の価格に関係します。間口が広ければ、日当たりが良い上に、建物を配置しやすく、駐車スペースも確保しやすいためです。一方、いわゆる旗竿地など間口が狭い土地は、建物を建てる際に制限が加わることから評価額も下がりがちになります。

また、ある程度の奥行きは必要であるものの、長すぎるのは評価が下がるので必要です。家を建てる場合、間取りや形状を工夫しないと、日当たりが悪くなったり、出入りに影響したりすることが背景に挙げられます。

隣接地

隣接地がどのような土地であるかも、土地の査定額に影響を及ぼします。代表例が高低差です。隣接地との高低差があまりなければ、利用価値が高いと判断されるため、査定額も高くなる傾向にあります。

一方、隣接地との高低差がある場合、平坦な土地に比べ利用価値が低いと判断されるため、査定額も低くなるのが実情です。土地の売却とは直接の関係はありませんが、付近の他の土地と比べて著しい高低差がある土地は、評価減の対象となります。このことからも、隣接地との高低差が、土地の査定額に大きく影響することがわかるはずです。

面している道路

面している道路の種類も、土地の査定額には大きく影響するポイントです。まず、接している道路の幅が広く、完全に舗装されている公道であれば、査定額は上がります。一方、舗装が不完全な私道だった場合、舗装費用を利用者が負担する可能性があるため、査定額は下がりがちです。

加えて、前面道路の幅は土地の容積率(建物の延べ床面積の敷地面積に対する割合のこと)に影響します。前面道路の幅が狭いと容積率が低くなるため、建てられる建物の面積も小さくなる仕組みです。自由に家を建てられないという理由から、査定額にも影響します。

用途地域

用途地域とは簡単にいうと、都市計画法に基づく、建てられる建物の種類や用途について制限を定めたルールを指します。2024年現在定められている用途地域は、以下の13種類です。

住居系用途地域第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
田園住居地域
商業系用途地域近隣商業地域
商業地域
工業系用途地域準工業地域
工業地域
工業専用地域

このうち第一種低層住居専用地域は基本的に低層の一戸建てしか建てられません。大型店舗やマンションは建てられないなど、活用の幅が狭いため、査定額は下がりがちです。

眺望や景観

眺望や景観も、土地の査定額には影響します。わかりやすく言えば、周囲に遮るものがなく、高台など見晴らしが良い場所にある土地であるほど、査定額も高くなると考えましょう。また、海や川、夜景などの風景が楽しめる土地も、あえてそこを選んで購入する人がいる可能性が高いことから、査定額にはプラスに働きます。

一方、周囲に高い建物など遮るものがある場合は、査定額が下がりがちです。また、遮るものがなかったとしても、周囲に嫌悪施設がある場合、査定額は下がる傾向にあるので注意しましょう。

日当たり

端的にいうと、日当たりが良い土地であれば、査定額は高めになる傾向にあります。日中は室内が明るくなり、洗濯物も乾きやすいなどメリットが大きいためです。

なお、土地がある方角によっても日当たりは変わってきます。日当たりの良い順番に並べると南、東、西、北となるため、土地の査定を頼む際は方角も確認しておきましょう。

また、方角に関係なく、隣に高い建物があった場合、日当たりは悪くなり、査定額も下がりがちになります。このような土地を売却する際は、あえて日中は家にいない生活をしている人にターゲットを絞るなど、工夫を凝らしましょう。

土地の状態

土地の状態によっても査定額は上下します。一般論としては、余計なものがある土地は査定額が低くなりがちです。事前にゴミや雑草、植木は片付けておきましょう。

ただし、敷地内に古い家屋がある場合は慎重な判断が必要です。ないほうが土地の査定額が上がる傾向にありますが、その家屋をリフォーム、リノベーションで有効活用を希望する人もいるかもしれません。このような土地を査定してもらう場合は、不動産会社の担当者に家屋の扱いについてもアドバイスをしてもらうと良いでしょう。

最寄り駅までの距離

最寄り駅までの距離は、近いに越したことはありません。最寄り駅から徒歩1分の土地と、徒歩10分の土地では、前者の方が査定額は高くなるのは明らかです。

最寄り駅から複数路線が使えたり、特急など停車する電車の種類が多かったりするなど、利便性の高い駅である場合は、査定額はさらに高くなる可能性があります。

一方、最寄り駅から徒歩圏外の場合、近隣環境が影響します。バス停から近かったり、大型商業施設があったりする場合は、査定額においてプラスに働くでしょう。

周辺の環境

特に、宅地の場合、周辺の環境が良ければ良いほど査定額は高くなる傾向にあります。

わかりやすい例だと、市役所などの公共施設や病院・診療所などの公益施設、小中学校などが近いほど、生活に便利と判断されるため、査定額にもプラスに働くはずです。同様に、スーパーやショッピングセンター、商店街など生活必需品を購入する場所が近いのも、査定においてはプラス要素に働きます。

目安として、徒歩10分圏内にあれば高く評価されやすいですが、充実度も査定額には影響する点に留意しましょう。

近隣の嫌悪施設の有無

近隣に嫌悪施設がある場合、査定額は安くなりがちなので注意が必要です。嫌悪施設とは、その存在が周囲から嫌われる施設のことで、具体的には以下のものが当てはまります。

大分類具体例
悪臭・騒音などを発生させる施設ゴミ焼却場、火葬場、ガスタンク、下水処理場、火薬類貯蔵所
大気汚染や水質汚濁・土壌汚染の原因となる施設危険物を取扱う工場、高圧線鉄塔、墓地、ガソリンスタンド
風紀を乱す施設性風俗店など
その他廃墟、刑務所、精神科病院、食肉処理施設、軍事施設、原子力発電所とその関連施設

なお、このような嫌悪施設がある場合、必ず購入希望者にはその事実を説明しなくてはいけません。

土地を売却するまでの流れ

土地を売却するまでの一般的な流れは以下の通りです。

土地売却の流れ
  1. 不動産業者に査定を依頼する
  2. 不動産業者を選ぶ
  3. 販売活動を行う
  4. 売買契約の締結・土地の引き渡し

以降において、それぞれの段階について詳しく解説します。

1.不動産業者に査定を依頼する

土地を売却する際は、最初に不動産会社の査定を受けます。査定を受ける際は、複数の不動産会社に相談してみましょう。複数の不動産会社から査定を受けることで、だいたいの相場を把握しやすくなるためです。また、複数の不動産会社とやり取りをすれば、自分にとって相性の良い担当者を見つけやすくなります。

複数の不動産会社に一括で査定を依頼するなら、イエカカクの一括見積もりが便利です。必要事項を入力して送信するだけで、最大6社の不動産会社から査定が受けられます。無料かつ24時間お使いいただけるので、まずは相談からという場合にもぜひご利用下さい。

2.不動産業者を選ぶ

査定を受けたら、どの不動産業者に依頼するかを決めましょう。決め方は人それぞれですが、相性の良い担当者を見極めるという意味では、以下の点を意識すると交換的です。

  • やり取りをしていてストレスを覚えないか
  • 土地を含めた不動産の売却実績があるか
  • 税制や法律、住宅ローンなど周辺分野の知識があるか

依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結ばないといけません。媒介契約には以下の3つがありますが、細かい部分で大きな違いがあるので、状況に応じて選びましょう。

 一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数の不動産会社との契約可能不可不可
自己発見取引可能可能不可
不動産会社から受ける活動報告の頻度法律上の定めなし2週に1回以上1週に1回以上
指定流通機構への登録義務法律上の定めなし媒介契約から7日以内
(休業日は含まない)
媒介契約から5日以内
(休業日は含まない)
契約期間法律上の定めなし
(行政指導では3ヶ月以内)
3ヶ月以内3ヶ月以内

3.販売活動を行う

媒介契約を結んだら、販売活動を行います。売出価格を決定したうえで、広告を出すのが一般的です。不動産会社によっても対応してくれる販売活動は異なりますが、具体例をいくつか紹介します。

販売活動の例
  • 各種住宅情報誌への掲載
  • 新聞折込広告の実施
  • 店頭での物件情報の掲示
  • 指定流通機構への登録
  • 既存顧客への紹介
  • 見学会の開催
  • ポータルサイトへの掲載
  • SNSでの発信

希望する方法があれば、あらかじめ担当者に話しておくと良いでしょう。

なお、指定流通機構とは、宅地建物取引業法に基づき、国土交通大臣が指定した不動産流通機構のことです。日本全国で取引されている不動産の情報を掲載したコンピューターネットワークシステム「レインズ(REINS)」が広く知られています。前述した専属専任媒介契約もしくは船員媒介契約を締結した場合、所定の情報を登録する決まりです。

4.売買契約の締結・土地の引き渡し

購入希望者が見つかり、条件に合意ができたら、売買契約を締結し、土地を引き渡します。なお、売買契約を締結する際は、以下のものが必要です。

売買契約に必要なもの
  • 権利書または登記識別情報通知書         
  • 印鑑証明書  
  • 住民票        
  • 固定資産評価証明書  
  • 本人確認書類           
  • 抵当権の抹消に必要な書類      
  • 固定資産税および都市計画税の納税通知書の写し  
  • 確定測量図  
  • 筆界確認書・越境の覚書  

その他の書類についても、指示があれば持参しましょう。また、売却にあたっては以下の費用がかかります。

売買契約でかかる費用
  • 測量費
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 抵当権抹消関連費用(登記費用、司法書士報酬)
  • 建物取壊費用
  • 譲渡所得税

また、引き渡しは以下の手順で行います。

引き渡しの手順
  1. 本人確認および書類の確認を行う
  2. 登記申請の手続きを進める
  3. 残代金のやり取りを行う
  4. 税金を支払う
  5. 関係書類を引き渡し、諸費用を払う

土地を高く売却するためのコツ

土地を高く売却するためのコツは以下の通りです。

  • 土地の相場価格を把握しておく
  • 信頼のできる不動産会社に依頼する

これらのコツについて、さらに掘り下げて解説します。

土地の相場価格を把握しておく

土地をできるだけ高く売却するためには、土地の相場価格を把握しておきましょう。前提として、高く売りたいからといって相場価格からかけ離れた金額を売り出し価格にしてしまうと、割高だと思われて購入希望者がなかなか現れません。逆に、相場価格よりあまりに安すぎる売り出し価格を設定すると、何か事情があるのかと勘繰られ、なかなか売れない可能性もあります。

希望に近い額で、かつ、できるだけ短期間で売るためには、相場価格からあまりかけ離れていない売り出し価格を設定することが重要です。

また、相場価格を把握しておけば、査定の際にあまりに高い(低い)額を提示されたとしても、その理由を確認できます。

信頼のできる不動産会社に依頼する

信頼できる不動産会社に依頼することも重要です。土地を売るにあたっては、販売戦略を綿密に考える必要があります。最寄り駅から遠い、形が整っていないなど、条件が良くなければなおさらです。そして、販売戦略を考えるには、売主の意向も最大限組む必要があります。しかし、担当者が売主の意向を無視して勝手に進めてしまうと、かえって逆効果になりかねません。

健全なコミュニケーションを取り、売却を成功させるためには、不動産会社および担当者が信頼に足ることが非常に重要です。信頼できるかどうかはやり取りをしてみないとわからない部分もありますが、違和感を覚えたなら変えることも視野に入れましょう。

土地の売却ならイエカカクがおすすめ

土地を売却する際に最初にやるべきことは、査定を受けることです。査定額はさまざまな条件に左右されるので、訪問査定を経て不動産会社に依頼するのがベストでしょう。

複数の不動産会社に一括で査定を依頼したいなら、イエカカクの一括見積もりがおすすめです。一括見積もりサイトによっては対応地域が限定されていることがありますが、イエカカクは47都道府県すべてに対応しています。

また、一回の問い合わせで最大6社の不動産会社に一括査定を依頼することが可能です。不動産会社を自分で探して依頼するよりはるかに効率的なので、ぜひ有効活用してください。

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