離婚で家を売る際の注意点！売却のタイミングもわかりやすく解説

離婚が決まった夫婦のなかには、家を売るべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。その家にどちらも住まない場合は売却するのが一般的ですが、家の売却には住宅ローンを完済する必要があったり、名義人以外が売却できなかったりする注意点があります。家の売却でのトラブルを避けるためにも、あらかじめ離婚時に家を売る際の注意点を押さえておくことが大切です。

この記事では、離婚時に家を売る際の注意点や流れを解説します。離婚前に家を売るケースと離婚後に家を売るケースのメリット・デメリットも紹介しているので、どのタイミングに売却するべきか悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。

離婚時は家を売ったほうがいい？

離婚が決まり、現在の住居にどちらも住まない場合は、家を売るのが一般的です。家を売却して現金化すれば、売却金を住宅ローンの返済に充てたり、財産分与をしやすくなったりします。

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた財産を分配することです。婚姻期間中に購入した家は財産分与の対象となりますが、家は分割することが難しいため、夫婦のどちらも住まない場合は家を売却した現金で分割するケースが多いです。

家を売るなら離婚「前」と「後」どちらがいい？

離婚前もしくは離婚後のどちらに家を売るべきかは、夫婦の状況によって異なります。ここでは、離婚前と離婚後に家を売るメリット・デメリットをそれぞれ詳しく紹介します。

離婚前に家を売る

離婚前に家を売る場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット	デメリット
・離婚後に相手とやり取りする手間を省ける ・離婚後のトラブルを避けやすい ・離婚後の生活にかかる準備資金にできる	・贈与税がかかる可能性がある ・売却活動に時間と労力がかかる

離婚前に家の売却が決まれば、離婚したあとに相手とやり取りする手間を省けたり、離婚後に連絡が取れなくなるといったトラブルを避けられたりします。また、家を現金化しておけば、新生活を始めるための資金としても活用しやすいでしょう。

一方、離婚前に家を売って夫婦間で現金を分割すると、財産分与ではなく贈与と見なされ、贈与税がかかる可能性があるので注意が必要です。

以下のような人であれば、離婚前に家を売却することを視野に入れてもよいでしょう。

離婚後に家を売る

離婚後に家を売るメリット・デメリットには、以下のようなものがあります。

メリット	デメリット
・時間をかけて売却活動を進められる ・離婚を待つ必要がない	・離婚後に相手と連絡を取り合う必要がある ・離婚後のトラブルに発展する可能性がある

離婚後に家を売る場合は、時間をかけて売却活動を進められるため、離婚前より売却価格が高くなる可能性があります。また、家の売却が完了するまで待つ必要がないため、夫婦のタイミングで離婚を進められます。

ただし、離婚後に相手とやり取りしたり、連絡が取れなくなるトラブルが起きる可能性があるので注意が必要です。

離婚後に家を売るのがおすすめな人は、以下のとおりです。

離婚で家を売る際の注意点

離婚で家を売る際は、以下の点に注意しましょう。

ひとつずつ詳しく解説します。

家を売却できるのは名義人のみ

売却できるのは名義人のみなので、家を売る際は誰が名義人になっているのかを確認しましょう。例えば、夫の単独名義であれば、夫の同意がなければ売却できません。夫婦の共有名義で購入した家の場合は、双方の同意が必要になります。

家の名義人がわからないときは、登記簿謄本や家を購入したときの不動産売買契約書を確認してみましょう。

原則、住宅ローンを完済する必要がある

住宅ローン返済中の家を売却する際は、ローンを完済して金融機関が設定している抵当権を抹消しておくのが基本です。

家の売却金がローン残債を上回っているときは、家の売却代金で完済することができます。一方、ローン残債の方が多いときは、不足分を自己資金で補う必要があるので注意が必要です。不足分を貯蓄などで補填できない場合は、夫婦のどちらかが住み続けて住宅ローンの返済を続けることとなります。

なお、ローンの返済が難しい場合は、金融機関に任意売却ができるのか相談してみましょう。任意売却とは、ローンを完済できない状態で金融機関から許可を得て一般市場で物件売却することをいいます。

財産分与の請求権利は２年以内

離婚成立から2年経過すると、財産分与の請求権利がなくなってしまうので、離婚が決まったら早めに家の売却活動を始めるようにしましょう。

家の売却には、半年以上かかるケースもあります。特に、離婚後に家を売却する場合は、相手と連絡が取れなくなることも考えられます。財産分与の請求権利が失効して家の売却金を受け取れない事態を避けるためにも、家の売却が決まった時点で査定依頼をしたり、離婚前に売却手続きを進めたりしておきしましょう。

離婚時に家を売るまでの流れ

離婚時に家を売るまでの一般的な流れは、以下のとおりです。

順番にひとつずつ見ていきましょう。

１.相場を調べる

離婚時に家を売却する際は、不動産業者に査定依頼をする前に自分で相場を調べておきましょう。売却相場を知らない状態では、提示された査定額が適性であるかの判断ができません。

特に家の売却を離婚前に済ませたい方は、時間が限られている焦りから相場より安い価格で売却してしまう可能性があります。そのような事態を避けるためにも、事前に相場を把握しておきましょう。

家の売却相場は、以下のサイトで調べられます。

レインズ・マーケット・インフォメーションでは、過去に取引された物件の成約価格を閲覧できます。間取りや築年数、最寄り駅などの条件を設定して調べれば、売却したい家と類似した物件の成約価格を確認できます。

不動産情報ライブラリとは、不動産の取引価格などを地図上にわかりやすく表示するシステムのことです。売却したい物件のあるエリアの不動産の取引価格情報、建物の築年数、構造などを手軽に確認できます。

２.不動産業者に査定を依頼する

家の売却相場を把握したら、不動産業者に査定を依頼しましょう。査定額は不動産業者によって異なるので、納得のいく価格で売却するためにも複数社の査定を受けることが大切です。

加えて、複数社の査定金額を比較して相場を確認できれば、相場とかけ離れた価格で売却するリスクも抑えられるでしょう。

複数の不動産業者を比較するときは、一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用するのがおすすめです。イエカカクでは、査定申し込みフォームに必要事項を入力するだけで最大6社を手軽に比較できます。複数社の査定額を比較して、より納得のいく価格で売却を進めましょう。

３.不動産業者を選ぶ

家の売却をスムーズに進めるには、どこの不動産業者に依頼するのかが重要です。そのため、査定額だけでなく実績や口コミなどを確認したうえで、自分に合った不動産業者を見つけましょう。

加えて、担当者との相性もチェックしておくのがポイントです。離婚時に家を売る際は、不動産業者にプライベートな部分を伝える場面が多くなるため、信頼して相談しやすい担当者と売却活動を進めるのが理想的です。

「査定額やその根拠をていねいに説明してくれるか」「親身になって話を聞いてくれるか」といった点を確認しながら、自分にあった担当なのかを見極めましょう。違和感があるときは、別の不動産業者に変えたり、担当者の変更をお願いしたりするのがおすすめです。

４.販売活動を行う

不動産業者と媒介契約を結んだら、販売活動に移ります。売り出し価格を決めたあとは、不動産業者がチラシやインターネットを使って買主を探します。

売主は不動産業者の販売活動を確認しながら、購入検討者からの内見に対応しましょう。内見時によい印象を与えられるように、部屋を清潔な状態に整えたり、住んでいたからこそわかる魅力を伝えたりすることが大切です。

５.売買契約の締結・家の引き渡し

購入希望者が現れたら、売主と購入希望者の双方が納得できる条件で売買契約を結びます。売買契約の一般的な流れは、以下のとおりです。

売買契約の締結が完了したら、家の引き渡しをします。家の引き渡しの主な流れは、以下のとおりです。

マンション買取はイエカカクがおすすめ

離婚を理由に家を売る際は、財産分与の請求権利が2年以内に限定されていることを考慮して、早い段階で売却活動を進めることが大切です。家を納得のいく価格でスムーズに売却するためにも、複数の不動産業者に査定を依頼して査定額や担当者との相性をチェックするようにしましょう。複数の不動産業者を比較するときは、一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用するのがおすすめです。

イエカカクでは、査定申し込みフォームに必要事項を入力するだけで最大6社を手軽に比較できます。

優良な不動産業者も集まっているので、安心して依頼できるところを見つけてみましょう。