住宅ローンが残っていても、家を売ることはできます。ただ、売却した金額で住宅ローンを完済できることが条件です。住宅ローンが残っている家には金融機関が抵当権を設定しており、完済して抵当権を抹消してもらわないと売ることができないからです。
今回は住宅ローンが残っている家を売る際の確認事項や売る方法、そして、家を高く売るコツなどを紹介します。家を売ろうと思っているものの、ローンが残っているため悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
ローンが残っている家を売る際の確認事項
住宅ローンが残っている家を売る場合、現時点のローンの残高と売却価格を確認し、売却価格でローンを完済できるかを確認しなければなりません。
ローンの残高
ローン残高が今どのくらいあるかについては、住宅ローン契約時の返済予定表を見るのが一番正確です。もし途中で繰り上げ返済を行った場合は、新しい返済予定表が届きますので、混合しないよう差し替えて常に最新の情報が見られるようにしておきましょう。
また、インターネットで確認する方法もあります。住宅ローンの利用者向けのサイトを用意している金融機関であれば、ログインすることで現在の残高が分かります。
そのほか、金融機関から11月くらいに送られてくる残高証明書で確認する方法もあります。
売却価格
売却価格は、不動産会社に査定を依頼することで分かります。ただ、不動産会社の査定結果はあくまでも査定価格であり、実際の売却価格ではない点に注意しておきましょう。査定依頼の方法には以下3つの種類があります。
- 匿名査定
- 机上査定
- 訪問査定
それぞれ特徴が異なりますので自分に合った査定方法を選ぶことが大切です。
査定方法 | 概要 |
---|---|
匿名査定 | AI査定ともいわれ、過去の取引データなどを参考にして査定価格を算出する方法。取引事例が多い地域は有利だが、あまり取引の少ないエリアには向いていない。結果がすぐに分かり、自分の名前を伝えなくて済む点がメリット。 |
机上査定 | 不動産会社の担当者が、同じような物件の取引事例を参考にして査定価格を算出する方法。匿名査定よりも人間が査定するため、市場動向なども加味したより精度の高い査定価格を知ることができる。 |
訪問査定 | 不動産会社の担当者が実際に物件を見て最終的な査定価格を算出する方法。実際の物件を見るため、劣化具合や設備など細かい点が反映され、3つの査定方法の中では一番精度の高い結果が得られるメリットがある反面、訪問時の立ち合いが必要なため、日程調整などに時間を取られる点がデメリット。 |
また、査定は複数の不動産会社に依頼するようにしてください。1社だけだとその査定価格が本当に正しいものか判断できません。複数の不動産会社に依頼して比較すれば、大まかな査定価格が把握できるでしょう。
査定価格に不明な点がある時は、必ず不動産会社に連絡し、査定根拠をしっかりと説明してもらうことも忘れないようにしましょう。
ローンが残っている家を売る方法
ここでは、住宅ローンが残っている家を売る方法について、売却してもローンを一括返済できないケースと売却してローンを完済できるケースに別けて紹介します。
特に売却してもローンを一括返済できないケー場合は、どのような対処法があるのかを知っておきましょう。
売却してもローンを一括返済できない場合
売却してもローンを一括返済できない場合には、以下の方法を考えてみましょう。
自己資金で返済する
売却価格が住宅ローン残高よりも低く、住宅ローンを完済できない場合は自己資金と合わせて返済する方法があります。自己資金に余裕があれば、その一部を返済に回すことで完済できるでしょう。
ただ、自己資金を返済に回すことで、一時的に資金が少なくなってしまう点に注意が必要です。
特にこれから教育資金などお金が必要なライフイベントが控えている場合は、その金額を除いた範囲に留めるようにしましょう。また直近でお金が必要なイベントがないとしても、緊急予備資金として毎月の生活費の6ヶ月程度は現金で残しておくことも忘れないようにしてください。
住み替えローンを利用する
売却代金で住宅ローンを完済できないときは、住み替えローンの利用も考えてみましょう。
住み替えローンとは、家を売却して新しい家に住み替える際に、古い家の住宅ローン残債と新しい家の住宅ローン借入金額を合算して組めるローンです。
ただし、家を買い換えることが前提ですので、単に売却するだけでは利用できない点に注意が必要です。
また、現在のローン残債に加えて新しい返済が始まるため、家計に負担がならない程度の借入金額に留めることも忘れないようにしましょう
任意売却する
任意売却とは、住宅ローンの完済が難しいと金融機関が判断したときに、住宅ローンの残債を回収するために担保となっている家を売却し、現金化することです。
競売にかけるよりも高い値段で売れる可能性が高いため、よりローンの完済に近づけるというメリットがあるものの、任意売却を行ったことが信用事故情報として記録されてしまう点がデメリットです。また、任意売却ですので相場価格よりは安い値段での売却になるケースが高いことも覚えておきましょう。
任意売却を考えるなら、ローンを借り入れている金融機関に相談してみましょう。相談することで任意売却の実績が豊富な不動産会社を紹介してもらえる可能性があります。
売却金額でローンを返済できる場合
売却金額がローン残債を上回る場合は、ローンを完済できるためそのまま売却できます。
ただし、売却することによって得た利益は譲渡所得とみなされ、譲渡所得税の対象となる可能性があります。
課税譲渡所得金額は「売却代金-(物件の取得価格+売却時にかかった費用)-特別控除額」で求められます。
また税率は所有していた期間によって異なり、売却した年の1月1日時点で5年を超えている場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得として扱われます。
長期譲渡所得の場合、税率は課税譲渡所得金額×15%ですが、短期譲渡所得の場合30%と2倍になることを覚えておきましょう。
ローンが残っている家を高く売るコツ
実際に家を売却するなら、少しでも高い金額で売りたいと考えるものです。ここでは、ローンが残っている家を高く売るコツを紹介します。
- 相見積もりを取る
- 広告の内容を魅力のあるものにする
- 慣れた価格交渉を行う
相見積もりとは複数の不動産会社に査定を依頼することで、相見積もりを取ることにより複数の不動産会社を比較できるほか、不動産会社によって査定価格が異なるため、相場価格がより分かるといったメリットが得られます。
1社だけに依頼すると、その査定価格が本当に合っているのかどうか判断がつきません。もしかすると、自社に依頼して欲しいという目的で相場よりも高い価格を回答してくるケースも考えられます。また、本当に信頼できる不動産会社かの判断も付きにくいでしょう。
複数の不動産会社に依頼する場合は、一括見積もりサービスの利用がおすすめです。
イエカカクの一括見積もりサービスでは、過去にトラブルがあった不動産会社との契約を解除し、優良な不動産会社を揃えています。そしてその中から最大6社まで一括で依頼が行えます。
依頼方法は簡単で、インターネット上で必要事項を入力するだけです。
相見積もりを考えているなら、ぜひイエカカクの一括見積もりを利用してみましょう。
また、できるだけ内覧に来てもらえるよう、広告の写真を分かりやすく綺麗にするなど工夫して、購入希望者を増やす努力も必要です。
さらに、最終的な売却価格は価格交渉によって決まるケースがほとんどです。購入する側としては少しでも安い金額で購入したいと考えるからです。そのため、交渉を見据えた売却金額を設定するほか、売却金額の下限を決めておくなど事前に対策を取っておきましょう。
ローンが残っているときに離婚する際の注意点
中には住宅ローンが残っている家を離婚がきっかけで売却するケースもあります。その際には、以下の点に注意しましょう。
- 不動産の名義人と住宅ローンの契約者を確認する
- ローンの残債は財産分与の対象となる
不動産の名義人と住宅ローンの契約者を確認する
離婚が原因で家を売却することになった場合、その家の名義人および住宅ローンの契約者を確認しましょう。
なぜなら、家を売却できるのはその家の名義人だけだからです。名義人かどうかは登記簿謄本を見れば分かります。家に登記簿謄本が見当たらない場合は法務局で入手し、確認しておきましょう。
また、住宅ローンの契約者を確認しておくことも大切です。収入合算の場合は片方が連帯債務者になっているため、契約者が住宅ローンを払えなくなった場合、代わりに返済する義務を負います。ペアローンの場合はお互いがお互いの連帯債務者となるため、どちらかが返済不能の状態になった場合、片方が返済しなければなりません。
ローンの残債は財産分与の対象となる
ローンの残債は財産分与の対象です。そのため仮に売却したとしても、ローンが残った場合にはどちらが負担するのかを決める必要があります。
財産分与の方法としては、家を売却して現金で分ける方法や、家の評価額の半分を片方に現金で渡す方法のほか、家の評価額の半分の価格に相当する金額を他の財産で補填する方法などが考えられます。
家の売却ならイエカカクの一括見積もりがおすすめ
住宅ローンが残っている家を売却するなら、売却時に住宅ローンが完済できる状態でなければなりません。
そのため、現時点の住宅ローン残債の額を確認しておくことはもちろん、売却価格で住宅ローンを完済できるかを確認しておきましょう。もし完済できない場合は、自己資金で負担するなどの対処法を考える必要があります。
また、売却時に住宅ローンが完済できるよう、家を高く売るコツを知っておくことも大切です。
家がどのくらいの値段で売れるかは、不動産会社に査定を依頼することで分かります。査定を依頼する際には複数社に対して行うようにしましょう。そうすることで担当者の印象や会社としての実績を知ることができ、最終的に信頼できる不動産会社との媒介契約締結につながります。
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