マンションを売りたいけど、どうすればいいのかよくわからない。マンションを初めて売る場合、こんな疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。マンションを売る方法には、早く確実に売却できる「買取」という便利な方法があります。この記事では、マンション買取とは何か、そのメリットやデメリット、注意点について詳しく解説します。最後まで読むと、仲介で売る方法も含めてご自身に合う最適な売り方を見つけられますので、ぜひ参考にしてください。
マンション買取とは
マンション買取とは、マンションの売却を希望する人から不動産会社が直接購入する方法です。通常の売却では、不動産会社が仲介役となり買主を探しますが、買取の場合は不動産会社自身が買主となります。所有者は市場で買主を探す手間を省ける上、迅速な売却が可能になります。
不動産会社は、買い取ったマンションにリフォームを施して価値を上げ、再販売して利益を得ます。買取なら、築年数が古い物件や立地条件が悪い物件など、一般向けには売りにくいマンションでも扱うことが可能です。このため、相続や離婚、転勤など急ぎの売却が必要な場合に選ばれることが多い手法になっています。
マンションの買取と仲介の違い
マンションを売る方法には、「買取」と「仲介」があります。いちばんの違いは買主です。買取では不動産会社が買主となり、仲介では不動産会社が探し出す第三者が買主となります。
買取と仲介の違いをまとめると、次の表のようになります。
<買取と仲介の違い>
買取 | 仲介 | |
---|---|---|
買主 | 不動産会社 | 第三者 |
売却期間 | 数日~数週間 | 3~6カ月 |
価格 | 市場価格の70~80% | 市場価格 |
仲介手数料の有無 | なし | あり |
販売活動 | 不要 | 必要 |
買主の違いは売却期間や価格などにも大きく影響します。買取は不動産会社が直接購入するため、最短で数日から数週間で売却可能です。一方、東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」によると、物件が売り出されてから成約するまでの期間は約80日となっています。仲介のケースでは、売りだすまでの準備や成約してから引き渡すまでの時間も要するため、全体で3~6カ月程度かかるのが一般的です。
価格面では、仲介は市場価格で取引される一方、買取の場合は不動産会社がリフォーム後に売る際の利益を見込むため、市場価格の70~80%になるケースが多いです。
仲介の場合は手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)が必要ですが、買取は不動産会社が買主となるため必要ありません。
マンション買取のメリット
マンション買取には、多くのメリットがあります。仲介手数料が不要なことや迅速な売却など、売主にとって魅力的な点が多いです。マンション買取について次のメリットについて詳しく解説します。
- 仲介手数料がいらない
- 早期に現金化しやすい
- 売却するための準備や手間がかからない
- 契約破棄のリスクが少ない
- 契約不適合責任が免除になる
- 周囲に知られずに不動産を売却できる
- 売れにくいマンションでも買い取ってもらえる可能性がある
仲介手数料がいらない
マンション買取の大きなメリットの1つは、仲介手数料がかからないことです。通常の仲介による売却では、売買価格の3%に6万円を加えた額がかかります。さらに10%の消費税も必要です。買取は仲介が不要なため手数料がかかりません。
仲介手数料は売却価格が大きくなるほど高くなるため、仲介手数料がかからないメリットは、高額なマンションを売る方ほど大きくなります。例えば、首都圏のマンションを1億円で売った場合、仲介なら336万6千円(=1億円×3%+6万円+消費税)の手数料がかかりますが、買取ならこの出費を抑えられます。急な資金需要のため売却する必要ができた方にとっても、手数料の節約は魅力的でしょう。
一方、売却価格が比較的低い物件の場合や、時間をかけてでも高値での売却を目指す方には、仲介手数料がいらないメリットは相対的に大きくありません。このケースでは、仲介手数料を節約するより少しでも高く売るメリットが大きくなる可能性があります。
早期に現金化しやすい
早期に現金化しやすいことも、マンション買取のメリットです。通常の仲介による売却は、売却価格を決めるための査定、不動産会社との媒介契約、買主探し、売買契約、決済・引き渡しまで3~6カ月程度かかるのが一般的です。買取なら最短で数日から数週間で売却が完了し、現金化できます。急な転勤や相続税の支払いなどで迅速な売却を希望する方には特に大きなメリットになるでしょう。
一方、時間がかかってもなるべく高く売りたいと考える方や、不動産価格が今後上昇していくと予想している方には向いていない売却方法だといえます。
売却するための準備や手間がかからない
マンション買取の大きなメリットには、売却するための準備や手間がかからないこともあります。不動産仲介会社に買主を探してもらう通常の方法の場合、売却価格の決定、媒介契約の締結、購入希望者の内覧対応、価格交渉など、さまざまな準備や手続きが必要です。買取ではこれらの手間がほとんどなく、スムーズに売却を進められます。
このメリットは、忙しいビジネスパーソンや遠方に住んでいる方、高齢などの理由であまり出歩けない方には特に大きいものがあります。一方、自分で積極的に売却活動に関わりたい方や、時間をかけてでも高値で売りたい方には恩恵が小さいといえるでしょう。
契約破棄のリスクが少ない
マンション買取のもう1つの重要なメリットは、契約破棄のリスクが小さいことです。通常の仲介を使った売却では、買主の気持ちが変化したり、住宅ローンの審査が通らなかったりして契約が白紙になるケースも少なくありません。買取の場合は不動産会社が買主となるため、こうしたリスクがほとんどないのが利点です。急いで確実に売りたい方には大きな安心感を得られます。ただし、売却まで時間的な余裕があり、じっくりと優良な買主を探したい方にとってはメリットとならない可能性があります。
契約不適合責任が免除になる
売主の契約不適合責任が免除される点も、マンション買取のメリットです。契約不適合責任とは、売主が契約の内容に合わない目的物を引き渡した場合に負う責任をいいます。マンション売却の場合は、雨漏りや耐震性不足など、物件を引き渡し後に隠れた欠陥が見つかった場合、売主が補修などの責任を負わなければならない可能性があります。不動産会社が買主になる買取では、この契約不適合責任が免除されるケースが多いのが特徴です。
築年数が経過したマンションの所有者や、物件の状態に不安がある方には大きなメリットとなります。相続でマンションを取得するなど物件の状態を把握していない方や、マンションが遠方にあって管理が十分にできていない方も安心材料となるでしょう。
他方、比較的新しい物件や、適切にメンテナンスをしていて物件の状態は問題ないと考えている方には、このメリットの重要性は低くなります。
周囲に知られずに不動産を売却できる
マンション買取には、周囲に知られずに不動産を売却できるメリットも挙げられます。仲介してもらって売るケースでは、買主を探すために物件情報が広く一般に公開され、内覧者も出入りします。近隣住民や知人にも気づかれやすくなるでしょう。
買取の場合は自分で選んだ不動産会社が買主となるため、プライバシーを確保しながら売却を進められます。広く売却活動をすることでより高く売りたいと考える方には利点とならない可能性がありますが、借金返済や離婚のためなど、あまり売却を知られたくないという方には大きな魅力になるでしょう。
売れにくいマンションでも買い取ってもらえる可能性がある
売れにくいマンションでも買い取ってもらえる可能性があることも、マンション買取のメリットの1つです。一般的な買主を探す仲介による売却では、立地や築年数、設備の状態などによって買主が見つかりにくいケースがあります。買取ではこれらの条件を踏まえた上で不動産会社が価格を決めるため、スムーズに売却できる可能性があります。
立地の良くない物件や築古物件、事故物件など、条件の悪いマンションを所有している方には買取は有効な選択肢です。逆に、人気エリアにある比較的新しいマンションや、良好な状態で管理されている物件は、希望する高めの価格で売れる可能性があるため、仲介で買主を探す方が利点が大きくなる可能性があります。
マンション買取のデメリット
マンション買取のメリットは豊富にありますが、逆にデメリットにも注意が必要です。ここでは、次のデメリットについて詳しく解説します。
- 売却価格が市場価格よりも下がる可能性がある
- 買取してもらえない可能性がある
売却価格が市場価格よりも下がる可能性がある
マンション買取の最大のデメリットは、売却価格が市場価格より低くなる可能性が高いことです。一般的に、買取価格は市場価格の70〜80%程度になるとされています。買取を行う不動産会社が再販売時の利益を見込んで価格を設定するためです。物件の価値を高めるために行うリフォームの費用なども含まれます。
特に急ぎでない売却や、できるだけ高値での売却を目指す方にとってこの点は大きなマイナスです。売却代金で住宅ローンの返済を考えている場合、売却で手元に入るお金が残債より少なくなり、家計の負担となる恐れもあるでしょう。
こうした事態を避けるため、買取を検討する場合は複数の業者に査定を依頼して比較検討することをおすすめします。さらに、買取と仲介の両方の査定を受けて、ご自身の状況に応じて最適な方法を選択することも重要です。時間に余裕がある場合は、まず仲介で売り出し、成約が難しい場合に買取を検討するという段階的なアプローチも効果が期待できます。
買取してもらえない可能性がある
マンション買取といっても、不動産会社に買い取ってもらえない可能性もあります。買取業者は再販売を前提に購入するのが一般的です。立地や築年数、物件の状態などによっては購入を断る場合もあります。特に、古い物件や立地条件の悪い物件、直近で大規模修繕が必要なマンションを持っている場合は、こうしたケースに当てはまる可能性があります。
買取不可という事態を避けるためにも、一括査定サービスなどを使ってなるべく多くの買取業者に相談することが大切です。業者によって得意とする物件タイプや条件が異なるため、幅広く相談することで売買が実現する可能性が高まります。買取と並行して一般の買主を探す手続きを進めることも有効でしょう。
不動産は買取と仲介どちらがおすすめ?
マンション売却の方法として、買取と仲介のどちらを選ぶべきか迷う方も多いと思います。適している売り方は個人の状況や優先するポイントによって異なるため、買取が合う人と仲介が合う人の特徴を詳しく解説します。
買取がおすすめな人
マンション買取がおすすめな人の特徴は、主に3つ挙げられます。
- 早く売りたい人
- 手間をかけたくない人
- 条件の良くない物件を売りたい人
急な転勤や相続などの理由で迅速な売却が必要な場合、買取は有効な選択肢です。通常の仲介による売却では数カ月かかる売却プロセスが、買取なら1週間程度で完了することもあります。内覧対応や価格交渉など、売るまでの手順に煩わしさを感じる方にとって非常に魅力的な選択肢となるでしょう。遠方に住んでいる方や多忙な方にも大きなメリットとなります。
また、立地条件が悪い、築年数が古い、あるいは大規模修繕が必要な物件は、通常の仲介では買主が見つかりにくいケースもあります。買取なら条件に関わらず売却できる可能性が高まるのも魅力です。
仲介がおすすめな人
不動産業者による仲介を利用するのがおすすめな人の特徴は、主に以下の3つです。
- できるだけ高値で売りたい人
- 売却完了まで時間的余裕がある人
- 売却プロセスに積極的に関わりたい人
仲介では市場価格で売却できる可能性が高いため、買取よりも高額での売却が期待できます。特に人気エリアや良好な状態の物件を所有している方にとっては、仲介が有利です。急いで売る必要がなく、優良な買主を待つことができる方には仲介がおすすめです。時間をかけることで、条件の良い買主と出会える可能性が高まり、結果的により高値での売却が期待できます。
また、物件の魅力を潜在的な買主にアピールしたい、不動産会社などとコミュニケーションを取ってより良い条件で売りたいなど、売却プロセスに主体的に関わりたい方には仲介が向いています。売却価格などにご自身の意向を反映させやすく、納得のいく契約となることが期待できます。
不動産業者を選ぶ際のポイント
マンション買取を検討する際、重要なのは信頼できる不動産業者を選ぶことです。適切な業者選びが、スムーズで満足度の高い売却につながります。
業者選びの具体的なポイントとしては、以下の点に注目することをおすすめします。
- 対応エリア
- 実績
- 提供サービス
- 運営会社の信頼性
対応エリアを確認することで地域の相場や特性を熟知しているかの参考になり、実績を知れば経験やノウハウの程度を把握できます。業者の提供サービスは買取以外のオプションなどの選択肢を検討する際に役立つでしょう。
業者選びでのおすすめは、一括査定サービスの利用です。複数の業者から同時に査定を受けることで、各社の対応や提示価格を比較できます。査定額の高さだけでなく、実績や担当者の印象、提案内容なども総合的に判断することが大切です。
マンション買取におすすめの不動産会社5選
マンション買取を検討する際は、信頼できる不動産会社に依頼できるかが重要です。実績やサービス内容などを総合的に評価し、マンション買取におすすめの不動産会社5社をご紹介します。
対応エリア | 買取再販実績 | 提供サービス | |
---|---|---|---|
スター・マイカ | 東京、札幌、仙台、さいたま、横浜、大阪、神戸、福岡に8拠点 | 年間約1,400件 | 即時買取、リースバック |
レジデンシャル不動産 | 北海道、東北、北陸、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄に国内24拠点 | 年間約1,700件 | 即時買取 |
大京穴吹不動産 | 北海道、東北、北陸、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄に国内64拠点 | 年間約1,200件 | 即時買取、買取保証、リースバック |
インテリックス | 東京、横浜、大阪、京都、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡に12拠点 | 年間約1,200件 | 即時買取、買取保証、リースバック |
イーグランド | 東京、横浜、大阪、札幌、名古屋に5拠点 | 年間約900件 | 即時買取 |
スター・マイカ
引用:スター・マイカ
対応エリア | 東京、札幌、仙台、さいたま、横浜、大阪、神戸、福岡に8拠点 |
買取再販実績 | 年間約1,400件 |
提供サービス | 即時買取、リースバック |
運営会社 | スター・マイカ株式会社 |
スター・マイカは中古マンションを購入し、リノベーションにより付加価値を高めたマンションを販売する不動産会社です。業界でも先駆けてオーナーチェンジ物件を積極的に買い取る事業を展開してきました。家を売っても住み続けられるリースバックのほか、空室物件、さらには居住中のマンションの買取にも対応しています。
中古マンションの買取件数は累計15,000以上に上り、年間戸数No.1の実績もあります。買取の約74%が築20年超えの物件で、マンションを売りたいという希望をかなえてもらいやすい不動産会社だといえるでしょう。
スター・マイカはマンション買取に特化したサービスを提供していることから、戸建てや土地を売りたい方には向いていません。拠点が8つにとどまっており、対応エリアは都市部が多いことにも注意が必要です。
レジデンシャル不動産
引用:レジデンシャル不動産
対応エリア | 北海道、東北、北陸、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄に国内24拠点 |
買取再販実績 | 約1,700件 |
提供サービス | 即時買取 |
運営会社 | 株式会社レジデンシャル不動産 |
レジデンシャル不動産は、区分所有マンションのリノベーションに特化した事業モデルを2012年の創業時から続けています。物件の仕入れから工事、アフターフォローまで自社で一貫して行うのが特徴です。
購入した中古マンションを新築同然のようにリノベーションし、高い付加価値をつけて販売することを得意とします。リフォーム産業新聞で発表された「買取再販年間販売戸数ランキング2023」では、1673戸を販売し、マンションでは2年連続で全国トップとなりました。競合が多い好立地エリアより、やや郊外での仕入れに力を入れて他社より仕入れ力を強めています。
一方、レジデンシャル不動産はマンション買取に強みがあるものの、戸建ての買取には対応していません。また、関東を中心に幅広く対応拠点がありますが、全国対応はしていないのが現状です。地域によってはレジデンシャル不動産では扱えないことに注意してください。
大京穴吹不動産
引用:大京穴吹不動産
対応エリア | 北海道、東北、北陸、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄に国内64拠点 |
買取再販実績 | 約1,200件 |
提供サービス | 即時買取、買取保証、リースバック |
運営会社 | 株式会社大京穴吹不動産 |
大京穴吹不動産は日本のマンションブランドの先駆的な存在でもある不動産会社です。マンション買取だけでなく、仲介による売却も積極的に展開しています。買取では、即時買取に加え、買取保証やリースバックにも対応しています。
買取保証は、まずは仲介での売却を目指し、売主の希望に沿った価格から販売活動を始める仕組みです。仲介で売れないと判断した場合に大京穴吹不動産が仲介手数料ゼロで買い取りを行います。買取時の保証額は、事前に売主と大京穴吹不動産で合意していた金額が適用されるため、売主としては万が一仲介で売却できない際の不安を軽減できるでしょう。
ライオンズマンションブランドでも知られ、全国各地に64拠点を構える大京穴吹不動産ですが、一部地方には対応できない場合もあります。相談する際は対象エリアを事前に確認するようにしてください。
インテリックス
引用:インテリックス
対応エリア | 東京、横浜、大阪、京都、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡に12拠点 |
買取再販実績 | 約1,200件 |
提供サービス | 即時買取、買取保証、リースバック |
運営会社 | 株式会社インテリックス |
インテリックスは1995年設立の不動産会社です。25年以上のマンション買取歴と、26,000件以上の買取実績があり、豊富なノウハウが蓄積されています。築古マンション、訳あり物件問わず積極的に買取を進める点も特徴です。
希望する期間内での売却が難しい場合でも、インテリックスなら買取保証付きで仲介を依頼できるため、予定していた期間内で売り切ることができます。家を売っても住み続けられるリースバックにも対応しているほか、マンションだけでなく戸建てや土地など幅広く対応しているのも売りです。
実績豊富なインテリックスですが、首都圏以外の拠点は大阪、京都、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡の7か所にとどまります。他の買取業者に比べると対応エリアが限られていることに注意が必要です。
イーグランド
引用:イーグランド
対応エリア | 東京、横浜、大阪、札幌、名古屋に5拠点 |
買取再販実績 | 約900件 |
提供サービス | 即時買取 |
運営会社 | 株式会社イーグランド |
イーグランドは1989年に創業した中古住宅再生業者です。不動産仲介会社からの情報に基づいて一般の中古住宅市場で買い取るほか、差し押さえ物件を裁判所が入札方式で売却する「競売」による仕入れも得意としています。買い取った物件にリフォームを施すことで、住宅としての付加価値を高めた再生住宅として販売します。
マンションや戸建てなどの仕入れエリアは、首都圏が7割を占めています。マンション専門の買取再販業者が増える中で、首都圏を中心に戸建ての再生販売を手がけているのも特徴です。
事業拠点は本店を置く東京のほか、横浜市、大阪市、札幌市、名古屋市です。全国5拠点にとどまることから、他の大手業者に比べると対応力に限界があるといえるでしょう。
マンション買取を行う際の注意点
マンション買取は迅速かつ簡単にマンションを売却できる便利な選択肢ですが、次のような注意点があります。
- 手数料や税金がかかる
- 住宅ローンがある場合完済しておく必要がある
スムーズな売却を実現するため、これらの注意点について詳しく解説します。
手数料や税金がかかる
マンション買取は、一般的な売買と異なり不動産会社への仲介手数料はかかりません。
しかし、売却に伴う他の手数料や税金は、通常の売却と同じように発生します。
マンションを売る場合に一般的に必要になる費用や税金は次のとおりです。
- 印紙税:売買契約書に収入印紙を貼付して納税
- 抵当権抹消費用:抵当権の登記を抹消する費用
- 繰り上げ返済手数料:住宅ローンを期限前に完済する費用
- 各種証明書の取得費用:登記簿謄本や印鑑証明書などの取得費用
- 譲渡所得税:売却で利益が出た場合に納める税金
以上の項目のうち、印紙税の額は不動産売買契約書に記載される金額により異なります。例えば1,000万円超5,000万円以下なら2万円、5,000万円超1億円以下なら6万円です。
抵当権抹消費用は住宅ローンを融資した金融機関が設定する抵当権の登記を消すための費用で、不動産1つにつき登録免許税1,000円が必要です。司法書士に手続きを依頼する場合は別途報酬を支払います。住宅ローンの繰り上げ返済手数料は、金融機関によって扱いが異なり、0~3万円程度が一般的です。
譲渡所得税は売却額と所有期間によって負担が大きく変わるのが特徴です。税額を計算する基になる譲渡所得は、売却価格から、取得費用と譲渡費用を足した額を差し引いて求めます。税率は1月1日時点の所有期間によって変わります。5年以下なら短期譲渡所得で39.63%(所得税 30.63% 、住民税 9%)、5年超なら長期譲渡所得となり20.315%(所得税 15.315% 、住民税 5%)です。
コストを確実に把握しておかなければ、売却代金を次の住居購入の資金にしたり、借金の返済に充てたりしようとしても、金額が不足する事態になりかねません。マンションを売る際には、どの程度の支出が必要になるのかを理解しておくことが重要です。
住宅ローンがある場合完済しておく必要がある
マンションを買い取ってもらう際は、住宅ローンを完済する必要があります。通常、金融機関はローンの担保としてマンションに抵当権を設定しています。抵当権が解除されないと、第三者への売却ができないため、ローンの完済が不可欠です。
自己資金に余裕がある場合は売却前に完済し、抵当権を外せます。売却代金でローンを返済する場合は、売買代金の決済と同時にローンを完済し、速やかに抵当権の抹消手続きを行います。
注意が必要なのは、売却金額がローン残高より少ない場合です。差額を自己資金で補う必要があるため、事前に詳細な資金計画を立てることが重要です。ローンの一括返済手数料など、マンション売却にはさまざまなコストがかかることも考慮する必要があります。
さらに、住宅ローン控除を受けている場合は、売却により減税が終了することになります。減税のメリットと売却の利点を比較検討し、総合的に判断することが大切です。
マンション買取の流れ
マンションの売却をスムーズに進めるには、買取の流れを理解しておくことが重要です。相場の調査から売買契約・引き渡しまで、次の一連のプロセスを順番に解説します。
- 相場を調べる
- 不動産業者に査定を依頼する
- 不動産業者を選ぶ
- 条件を確認する
- 売買契約の締結・マンションの引き渡しを行う
1.相場を調べる
マンション買取を相談する前に、まず自ら相場を調べて価格をイメージすることが大切です。相場を調べる際には、下記サイトが参考になります。
レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産の指定流通機構が運営する情報サイトです。実際に売買された物件の成約価格を閲覧できます。
国道交通省の不動産情報ライブラリは、不動産の取引価格や地価公示といった価格情報がまとめられています。地形や防災情報などが網羅されているのが特徴です。このほか、一般の不動産ポータルサイトで売り出し価格を確認することで、直近の市場動向を把握できるでしょう。
ただし、相場はあくまで目安です。個別の物件状況や市場動向によって実際の売却価格は変動することを理解しておく必要があります。買取価格は市場価格よりも低めになる傾向があるため、その点も考慮に入れながら価格を把握することが大切です。
2.不動産業者に査定を依頼する
次のステップは不動産業者への査定依頼です。適切な査定を受けるためのポイントを解説します。
もっとも重要なのは、複数の業者に依頼することです。各社の査定額を比較することで、より正確な価値判断が可能になります。
査定方法には、資料のみで迅速に判断できる机上査定と、不動産会社の担当者が現地を訪れて詳細を確認しながら金額を決める訪問査定があります。数日で結果が出る机上査定に対し、訪問査定は1週間程度かかることがありますが、より精密な価格を把握できるのが利点です。
査定を依頼する際は、面積や築年数、設備状況など物件の詳細を正確に伝えることが大切です。正しい情報を伝えないと適正な価格を把握しづらくなります。
迅速に複数の不動産会社に査定を依頼する方法として、一括査定サービスの利用が有効です。一度の入力で複数の業者に同時に依頼でき、効率的な比較検討が可能になります。一括査定を依頼するなら「イエカカク」の利用がおすすめです。イエカカクは実績豊富な厳選された企業から最大6社に査定依頼できるサービスです。大切なマイホームを少しでも高く売りたいと考えている方は、ぜひ完全無料で全国対応可能なイエカカクをご活用ください。
3.不動産業者を選ぶ
マンション買取において、適切な不動産業者を選ぶことは非常に重要です。以下のポイントを考慮しながら、慎重に業者を選びましょう。
- 大手か地域密着型か
- 買取実績
- 口コミ評判
- 免許の更新回数
大手は豊富な経験と広いネットワークが強みですが、地域密着型は地元の相場に詳しく、きめ細やかな対応が期待できます。物件の特性や自身のニーズに合わせて選択しましょう。
買取実績の多さは、その業者の信頼性と経験を示す重要な指標です。特にご自身の物件と似た条件の買取実績があれば、より適切な対応が期待できます。インターネット上の口コミサイトや知人の体験談などを参考にするのも有効です。
宅地建物取引業者の免許の更新回数を確認する方法もあります。免許は5年ごとに更新されますので、更新回数が多いほど、長期にわたって信頼されている証となる可能性があります。
4.条件を確認する
買取価格や引き渡し時期などの条件を確認することも、マンション買取において重要なステップです。まずは提示された買取価格の根拠を説明してもらい、納得できるかを判断します。
次に買取の時期と引き渡しの日程を確認します。転居のタイミングなどご自身の都合と合致しているか確認し、必要であれば調整を依頼します。新居を購入する予定がある方は、買取代金がいつ支払われるかも確認しておくことが大切です。
買取の場合は室内の家具や設備をそのままにしてよいケースもあります。現状引き渡しが可能かどうかも確認しておきましょう。引き渡し後の不具合があった場合の扱いを確認するなど、契約不適合責任の免除の有無についても確認します。多くの買取では免除されますが、条件をしっかり把握することが大切です。
5.売買契約の締結・マンションの引き渡しを行う
マンション買取の最終段階は、売買契約の締結と物件の引き渡しです。契約締結時は、契約書の内容を慎重に確認します。特に売却価格、支払い条件、引き渡し日、契約不適合責任免除などの重要事項を再確認しましょう。合意していた点と相違があるなど不明点があれば、その場で質問し、確認することで後々のトラブルを防げます。契約後は、決済日に向けて準備を進めます。住宅ローンがある場合は完済の準備を進めましょう。
引き渡し日には、売却代金の受け取りやローンの返済手続きなどを行います。引き渡し日までに物件の最終確認を行い、設備の動作状況や付帯設備の有無を点検しておくとよいでしょう。所有権移転登記の手続きは買主側が行うのが一般的です。
マンション買取はイエカカクがおすすめ
マンション買取の最大のメリットは、早期売却と手続きの簡便さです。迅速かつ確実に売却したい方にとって魅力的な選択肢となります。市場価格より低くなることや不動産会社によってサービスが異なる点を念頭に入れながら、信頼できる業者を慎重に選ぶことが大切です。
そのためには、複数の不動産会社による一括査定が有効です。各社の査定額を比較することで、市場価値を的確に把握し、最適な売却が実現できるでしょう。
一括査定サービスをご利用の場合は、「イエカカク」の活用をおすすめします。イエカカクでは、お客さまからのクレームが多い企業は契約を解除しています。優良企業のみが登録されており、最大6社までの査定が可能です。物件種類や地域などを入力するだけで簡単に査定でき、全国対応で完全無料です。大切な物件をなるべく高く、スムーズに売りたい方は、ぜひ「イエカカク」の利用をご検討ください。