【エリア別・築年数別】マンションの売却価格の相場|高く売るポイントも紹介

マンションの売却を検討している方のなかには「どのくらいの価格で売れるのか」が気になっている方もいるのではないでしょうか。納得のいく価格で売却するためには、売却相場を把握しておくことが大切です。

この記事では、マンションの売却価格の決め方や、エリアや築年数の違いによるマンションの売却相場を解説します。できるだけ高く売る方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

マンションの売却価格の決め方

マンションの売却価格は、不動産会社が提示する査定額を参考にして自身で決めます。不動産会社が提示する査定額は、立地条件や物件の状態をもとにした売却価格の予想であるため、実際にその価格で売却できるとは限りません。

スムーズに売却するためには、適切な売却価格を設定することが大切です。売却価格を高くしすぎると買主が見つかるまで時間がかかり、安くしすぎると納得のいく金額で売却できない可能性が高まるので注意が必要です。

適切な売却価格を設定するためにも、複数社の査定額や売却相場を参考にしましょう。

マンションの売却価格に影響する要素

マンションの売却価格は、築年数や日当たり、間取り、周辺環境などの要素から総合的に決まります。ここでは、マンションの売却価格に影響を与える要素を紹介します。

築年数

不動産は、原則として築年数が古いほど売却価格が下落する傾向があります。国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」の売却価格のグラフを見ると、マンションと戸建てのどちらも築年数が古くなるにつれて売却価格が下がっていることがわかります。

出典:中古住宅流通、リフォーム市場の現状

マンションの売却価格は、築35年まで右肩下がりで下落し続けます。

日当たり

日当たりが悪い家は、カビや結露が発生しやすくなるため、日当たりがよい家よりも売却価格が下がりやすい傾向があります。

日当たりが悪い家を少しでも高く売るためには、間接照明を置いて明るく見えるようにしたり、熱がこもりにくい点や家具が日焼けしにくい点をアピールしたりするのがポイントです。

間取り

売れやすい間取りは、子どものいるファミリー層やこれから家族が増える可能性があるカップルが選びやすい2LDKや3LDKといわれています。

部屋数が多くなるほど高額になりやすいので、一般的なファミリー層には4LDKは売れにくい傾向があります。なお、子どもが多いファミリー層には需要があるため、学校や公園が近くにある場合や3LDKのマンションと近い価格設定をした場合は、買主が見つかりやすくなるでしょう。

周辺環境

周辺環境の利便性や安全性の高さも売却価格に影響します。以下の特徴があるマンションは、高値で取引されやすい傾向があります。

  • 駅から近い
  • スーパーやコンビニが近くにある
  • 治安がよい

駅や買い物エリアから近い物件は、利便性の高さから買い手が見つかりやすい傾向があります。また、子どもがいるファミリー層は治安のよさも重視しているので、子どもが安全に通学したり遊んだりできる環境があるマンションは高値で取引されやすいでしょう。

マンションの売却相場

ここでは、エリア別・築年数別にマンションの売却相場を紹介します。

エリア別

マンションの売却相場は地域によって異なります。ここでは、レインズのマーケットデータをもとに、2024年8月時点のエリア別のマンションの売却相場を紹介します。

北海道

北海道の売却相場は以下のとおりです。

売却相場2,122万円
㎡単価27.41万円
専有面積77.40m2
築年数28.81年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の北海道のマンション売却相場は2,122万円、1m2あたりの単価は27.41万円です。北海道の売却相場は、人口密集地である札幌市で高くなる傾向があります。2030年には北海道新幹線の札幌延伸を予定しているため、商業施設や公共機関の充実が見込めるエリアは高値での取引が見込めるでしょう。

東京都

東京都の売却相場は以下のとおりです。

売却相場5,802万円
㎡単価101.11万円
専有面積57.38m2
築年数25.02年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の東京都のマンション売却相場は5,802万円、1m2あたりの単価は101.11万円です。売却価格と1m2あたりの単価のどちらも他の地域と比較すると、約2倍程度の高値を記録しています。

神奈川県

神奈川県の売却相場は以下のとおりです。

売却相場3,870万円
㎡単価58.51万円
専有面積66.13m2
築年数25.80年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の神奈川県のマンション売却相場は3,870万円、1m2あたりの単価は58.51万円で、東京都に次いで高値を記録しています。神奈川県は、横浜市や川崎市などの人気が高いエリアとその他のエリアで売却相場の差が生じている可能性があるため、売却前に詳細エリアの相場を確認しておきましょう。

愛知県

愛知県の売却相場は以下のとおりです。

売却相場2,472万円
㎡単価34.06万円
専有面積72.59m2
築年数24.61年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の愛知県のマンション売却相場は2,472万円、1m2あたりの単価は34.06万円です。他の地域と比較して特に高値ではないものの、今後の名古屋市は、名古屋駅のターミナル化やリニア中央新幹線の開通によって利便性が向上することで、マンション需要の高まりが期待できます。

そのため、名古屋市に近いエリアほど高値の取引が期待できるでしょう。

京都府

京都府の売却相場は以下のとおりです。

売却相場3,338万円
㎡単価51.17万円
専有面積65.23m2
築年数27.21年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の京都府のマンション売却相場は3,338万円、1m2あたりの単価は51.17万円で、大阪府に次いで3,000万円台の高値を記録しています。

大阪府

大阪府の売却相場は以下のとおりです。

売却相場3,529万円
㎡単価53.50万円
専有面積65.95m2
築年数25.76年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の大阪府のマンション売却相場は3,529万円、1m2あたりの平均単価は53.50万円です。神奈川県と同程度の高値を記録しており、2023年8月から毎月3,000万円台を維持しています。

兵庫

兵庫県の売却相場は以下のとおりです。

売却相場2,441万円
㎡単価35.00万円
専有面積69.72m2
築年数29.74年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の兵庫県のマンション売却相場は2,441万円、1m2あたりの単価は35.00万円です。愛知県や福岡県と同程度の売却相場を記録しています。ただし、兵庫県は2011年以降、人口減少が続いているため、マンションの売却相場が上昇傾向になるとは考えにくいでしょう。

福岡県

福岡県の売却相場は以下のとおりです。

売却相場2,490万円
㎡単価37.91万円
専有面積65.69m2
築年数25.82年

参考:レインズデータライブラリー|月例マーケットウォッチ 08月度

2024年8月時点の福岡県のマンション売却相場は2,490万円、1m2あたりの単価は37.91万円です。他の地域と比較すると、中程度の価格であることがわかります。

築年数別

マンションの売却相場は、エリアだけでなく築年数によっても異なります。ここでは、築年数別のマンションの売却相場を紹介します。

築5年以下の場合

築5年以下のマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価専有面積
東京9,940万円168.6万円58.9 m2
埼玉5,604万円84.1万円66.7 m2
千葉5,327万円76.0万円70.1 m2
神奈川5,803万円95.7万円60.6 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

築5年以下の築浅マンションは人気が高いことから、中古マンションのなかでも高値で取引される傾向があります。外観や内装のダメージが少なく下落幅が小さいため、納得のいく価格での取引が期待できるでしょう。

築10年以下の場合

築10年以下のマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価専有面積
東京8,472万円133.8万円63.3 m2
埼玉4,688万円67.4万円69.6 m2
千葉4,694万円64.1万円73.2 m2
神奈川5,955万円86.7万円68.7 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

築10年以下のマンションは、築5年以下のマンションよりも売却相場が下がる傾向があるものの、高い需要が期待できます。中古マンションの購入を検討している方のなかには、築5年以下のマンションを高額に感じ、築10年以下のマンションを求める方がいます。

築10年程度であればマンションの劣化も少ないため、高い需要が期待できるでしょう。

築15年以下の場合

築15年以下のマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価専有面積
東京7,797万円123.6万円63.1 m2
埼玉4,518万円63.3万円71.4 m2
千葉4,482万円58.3万円76.9 m2
神奈川5,319万円74.5万円71.4 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

マンションは12年~15年周期で大規模修繕工事を実施するため、築15年以下のマンションは、1回目の大規模修繕工事の有無によって売却価格が変わります。

修繕費用は回数を重ねるにつれて高額になっていくため、1回目の大規模修繕工事後に修繕積立金が増額される可能性があります。そのため、1回目の大規模修繕工事前に売却することをおすすめします。

築15年以下であれば外観や内装に大きな劣化が見られないケースが多いため、早めに売るのがよいでしょう。

築20年以下の場合

築20年以下のマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価専有面積
東京6,973万円106.8万円65.3 m2
埼玉3,594万円49.1万円73.2 m2
千葉3,862万円48.5万円79.7 m2
神奈川5,454万円73.1万円74.6 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

築20年以下のマンションは、売却相場が大きく下がらないのが特徴です。築20年のマンションは、資産価値が残っており、比較的好条件で売却できる可能性があります。

大規模修繕工事によってメンテナンスが丁寧に行われていれば、マンションの状態と価格のバランスを重視する買主への需要が見込めるでしょう。

築25年以下の場合

築25年以下のマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価専有面積
東京6,217万円93.7万円66.3 m2
埼玉3,787万円50.0万円75.8 m2
千葉3,741万円45.5万円82.3 m2
神奈川4,466万円59.6万円74.9 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

築25年を超えると、マンションの売却相場は大きく下落する傾向があります。少しでも高く売りたい場合は、築25年を超えるまでに売却するのがよいでしょう。

築30年以下の場合

築30年以下のマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価専有面積
東京5,246万円81.6万円64.3 m2
埼玉2,722万円40.6万円67.1 m2
千葉2,376万円31.8万円74.6 m2
神奈川3,429万円49.4万円69.4 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

築30年以下のマンションの売却価格は、築25年以下のマンションに比べて約1,000万円も下落していることがわかります。

しかし、築30年以下のマンションの耐震性能は、1981年に制定された震度6強から震度7程度の揺れでも倒壊・崩壊しない「新耐震基準」に準じているため、安全性をアピールすることで価格の安さから一定の需要が期待できるでしょう。

築30年を超える場合

築30年を超えるマンションの売却相場は、以下のとおりです。

エリアマンション売却相場㎡単価占有面積
東京3,296万円62.9万円52.4 m2
埼玉1,306万円20.4万円64.2 m2
千葉1,346万円20.4万円66.1 m2
神奈川2,010万円32.5万円61.8 m2

参考:首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2024年04~06月】

築30年を超えるマンションは、外観や設備の老朽化が懸念されることから、売却しにくい傾向があります。

なかには、リフォームをすることで相場より高い金額で売却できることもありますが、すべての物件でおすすめできるわけではありません。リフォームをしても、売却時にフォームにかかった費用を回収できるとは限らないため、損をしてしまう可能性があります。

そのようなリスクを避けたい方には、リフォームをして売り出し価格を高く設定するよりも、そのまま売りに出す方法をおすすめします。

できるだけマンションを高く売る方法

マンションを高く売るためのポイントは、以下の3つです。

  • 自分で売却相場を調べておく
  • 複数の業者に査定を依頼する
  • スケジュールに余裕を持って売却活動を進める

それぞれ詳しく解説します。

自分で売却相場を調べておく

できるだけマンションを高く売るためには、自分で売却相場を調べておくことが大切です。売却相場を把握できていなければ、不動産会社に提示された査定額が適正であるのかを判断できないため、事前に売却相場を調べておきましょう。

マンションの売却相場は、以下の2つのサイトで調べられます。

不動産情報ライブラリでは、売却したい中古マンションがある地域の不動産の取引価格情報や成約価格情報を確認できます。レインズ・マーケット・インフォメーションでは、地域や築年数、間取りなどの詳細情報を入力して、売却したいマンションと条件が似た物件の売却相場を確認できます。

ほかにも、不動産ポータルサイトで売却したいマンションと条件が似た物件が、どの程度の価格で売りに出されているのかを閲覧することもできます。

複数の業者に査定を依頼する

適切な価格で中古マンションを売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。1社のみの査定では査定額が妥当であるかを判断するのが難しいため、複数社の査定額を比較しましょう。

一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用すれば、最大6社に簡単に査定依頼ができます。複数の業者に査定依頼する時間がない方にもおすすめです。

スケジュールに余裕を持って売却活動を進める

マンションの売却にかかる期間は、事前準備から売買契約後の引き渡しまでに半年ほどかかるとされています。買主が見つからなければ売却までの期間が長期化するため、余裕を持ったスケジュールで売却活動を進めましょう。

マンションの売却ならイエカカクの一括見積もりがおすすめ

マンションの売却相場は、エリアや築年数によって異なります。また、間取りや日当たり、周辺環境によっても売却相場が変わります。少しでも高く売るためには、複数社の査定額や売却相場を参考にして、適切な価格を設定することが大切です。

査定額は不動産会社によって異なるため、複数社に依頼することをおすすめします。一括見積もりサイトの「イエカカク」を利用すれば、最大6社に査定依頼ができます。各社の査定額を比較して、より精度の高い査定額を把握して売却を検討しましょう。

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