マンションの買取価格の相場は?査定方法や高く売却するコツを解説

マンション売却の選択肢に「買取」があります。しかし、買取は仲介での売却よりも価格が下がるため「買い取ってもらいたいけど価格が心配」と不安を抱く方も少なくありません。

この記事ではマンションの買取相場が低くなる理由や具体的な相場・相場の調べ方について解説します。あわせて、買取価格に影響する要素や少しでも高く買取してもらうコツも紹介するので参考にしてください。

目次

マンションの買取相場は市場価格(仲介相場)の約7割

マンション買取相場は、市場価格の7~8割ほどに下がると言われています。ちなみに、この市場価格とは仲介で売却した場合の価格のことを指します。

たとえば、東日本不動産流通機構による、2024年4~6月期首都圏中古マンション成約平均価格は4,940万円です。

この価格を市場価格とした場合、買取価格は7~8割ほどとなるため約3,458万円~約3,952万円が相場となります。

参考:公益社団法人 東日本不動産流通機構|季報 Market Watch サマリーレポート 2024年4~6月期

マンションの買取価格が市場価格より低くなる理由

マンション買取価格が市場価格より低くなる理由としては、以下の2つが挙げられます。

  • リフォームや再販売にかかる費用が差し引かれるため
  • 不動産会社の利益分があらかじめ差し引かれるため

リフォームや再販売にかかる費用が差し引かれるため

不動産会社は、買取したマンションをリフォームし再販することを目的としています。築年数の古いマンションを今のニーズに合わせて魅力的にリフォームするとなると、リフォーム費用も高額になってくるでしょう。再販する際にも、人件費や広告費・販売までの物件管理費などさまざまな費用が必要です。

また、リフォームして再販するにしても、販売価格が市場価格を大きく上回ると買い手がつきにくくなるでしょう。たとえば、市場価格5,000万円のマンションを1,000万円かけてリフォームしたからといって、6,000万円で売れるわけではありません。

それなのに、市場価格5,000万円と同額で買い取ってしまうと、リフォーム費用や売却費用を考慮すると買取した不動産会社は赤字となるでしょう。

このように買取額は再販時の価格からリフォーム費用や諸経費を考慮する必要があるため、市場価格よりも低くなってしまうのです。

不動産会社の利益分があらかじめ差し引かれるため

再販時の価格から差し引くのはリフォーム費用や諸経費だけではありません。不動産会社の利益となる部分もあらかじめ差し引いて買取価格は決まります。この利益の出る仕組みが仲介とは異なる点も買取価格が市場価格よりも低くなる要因です。

仲介の場合、不動産会社の利益は売買契約成約時に得られる「仲介手数料」です。仲介手数料は、売却額に応じて高くなるため不動産会社としては少しでも高く売った方が利益も大きくなります。一方、買取の場合不動産会社の利益は、再販時の価格から物件の調達額(買取価格)や経費を差し引いた部分です。

再販価格を高くするにも限度があるため、利益を出すには買取価格を抑える必要があります。これは、「安く仕入れて高く売る」という小売りと同様の原理です。

とはいえ、不動産会社はむやみやたらに利益を得るために買取価格を下げるわけではありません。一般的に買取再販後の不動産会社の利益は10%程といわれています。むしろ、買取後のリフォーム費用などを考慮すると利益はそれほどでないケースも少なくないのです。市場価格よりも安く買われてしまうと言っても、不動産会社が買い叩いているわけではない点は覚えておきましょう。

このように買取価格はリフォーム費用・諸経費・利益などさまざまな項目を考慮して決まってくるため、どうしても市場価格よりも低くなります。ただし、買取では仲介手数料が発生しない・リフォームが不要など売主の費用負担が軽減できるというメリットがあります。

他にも短期間で売却を目指しやすいなど、価格が下がる点を補うだけの魅力もあるものです。

【地域別】マンションの買取価格相場

買取価格の明確な相場はないため、市場価格の7~8割ほどを買取相場としてみていきましょう。以下では、地域別の中古マンション平均成約価格をもとに、その7~8割を買取価格の目安としてまとめています。

地域市場価格(成約価格)買取価格(目安)築年数(平均)
首都圏4,940万円
※2024年4~6月期
約3,458万円~約3,952万円21.98年
※2024年4~6月期
近畿圏3,023万円
※2024年4~6月期
約2,116万円~約2,418万円26.09年
※2024年6月期
中部圏2,358万円
※2024年1~3月期
約1,650万円~約1,886万円24.9年
※2024年3月期
西日本2,325万円
※2024年4~6月期
約1,627万円~約1,860万円32.5年
※2024年4~6月期

※参考:
公益社団法人 東日本不動産流通機構|季報 Market Watch サマリーレポート 2024年4~6月期
公益社団法人 近畿圏不動産流通機構 季刊市況レポート 市況トレンド/2024 年 4~6 月期の近畿圏市場
公益社団法人 中部圏不動産流通機構 中部レインズ 季刊サマリーレポート (2024 年 1~3 月期)
公益社団法人 西日本不動産流通機構 西日本レインズ 季刊サマリーレポート (2024 年 4~6 月期)

首都圏

首都圏の中古マンション平均成約価格をもとにした買取価格の目安は、以下の通りです。

地域市場価格(成約価格)買取価格(目安)築年数(平均)
東京都5,599万円
※2024年4~6月期
約3,919万円~約4,479万円23.27年
※2024年6月
埼玉県2,468万円
※2024年4~6月期
約1,727万円~約1,974万円26.58年
※2024年6月
千葉県2,577万円
※2024年4~6月期
約1,803万円~約2,061万円27.16年
※2024年6月
神奈川県4,141万円
※2024年4~6月期
約2,898万円~約3,312万円24.54年
※2024年6月

※参考:公益社団法人 東日本不動産流通機構|季報 Market Watch サマリーレポート 2024年4~6月期
公益社団法人 東日本不動産流通機構|月例速報 2024(令和6)年6月度 Market Watch

近畿圏

近畿圏の中古マンション平均成約価格をもとにした買取価格の目安は、以下の通りです。

地域市場価格(成約価格)買取価格(目安)築年数(平均)
滋賀県2,650万円
※2024年6月期
約1,855万円~約2,120万円21.04年
※2024年6月期
京都府3,325万円
※2024年6月期
約2,326万円~約2,660万円27.08年
※2024年6月期
大阪府3,255万円
※2024年6月期
約2,279万円~約2,604万円26.04年
※2024年6月期
兵庫県2,675万円
※2024年6月期
約1,873万円~約2,140万円27.04年
※2024年6月期
奈良県1,741万円
※2024年6月期
約1,219万円~約1,393万円29.04年
※2024年6月期
和歌山県750万円
※2024年6月期
約525万円~約600万円32.03年
※2024年6月期

※参考:公益社団法人 近畿圏不動産流通機構|マンスリーレポート No.139 2024年7月号

中部圏

中部圏の中古マンション平均成約価格をもとにした買取価格の目安は、以下の通りです。

地域市場価格(成約価格)買取価格(目安)築年数(平均)
富山県1,800万円
※2024年1~3月期
約1,260万円~約1,440万円25.80年
※2024年3月期
石川県1,750万円
※2024年1~3月期
約1,225万円~約1,400万円25.54年
※2024年3月期
福井県2,008万円
※2024年1~3月期
約1,406万円~約1,606万円25.13年
※2024年3月期
岐阜県2,021万円
※2024年1~3月期
約1,415万円~約1,617万円23.58年
※2024年3月期
静岡県1,892万円
※2024年1~3月期
約1,325万円~約1,517万円27.47年
※2024年3月期
愛知県2,541万円
※2024年1~3月期
約1,779万円~約2,033万円24.65年
※2024年3月期
三重県2,047万円
※2024年1~3月期
約1,433万円~約1,638万円22.12年
※2024年3月期

※参考:公益社団法人 中部圏不動産流通機構 中部レインズ 季刊サマリーレポート (2024 年 1~3 月期)
公益社団法人 東日本不動産流通機構|月例速報 2024(令和6)年6月度 Market Watch 〔全国版〕

西日本

西日本の中古マンション平均成約価格をもとにした買取価格の目安は、以下の通りです。

地域市場価格(成約価格)買取価格(目安)築年数(平均)
中国地方5,599万円
※2024年4~6月期
約3,919万円~約4,479万円22.8年
※2024年4~6月期
四国地方2,468万円
※2024年4~6月期
約1,727万円~約1,974万円31.4年
※2024年4~6月期
九州地方2,577万円
※2024年1~3月期
約1,803万円~約2,061万円28.2年
※2024年4~6月期

※参考:公益社団法人 西日本不動産流通機構 西日本レインズ 季刊サマリーレポート (2024 年 4~6 月期)

マンションの買取価格に影響する要素

マンション買取価格は以下のような要素にも影響されます。

買取価格に影響する要素
  • 築年数
  • 間取り
  • 専有面積
  • 立地

基本的には仲介同様条件の良いマンションであれば、再販もしやすくなるため買取価格も高くなる傾向があります。また、条件が悪くてもリフォーム・リノベーションで解消できるケースでも、買取価格が高くなる可能性があるでしょう。

以下では、それぞれの条件を詳しく解説します。

築年数

築年数の浅いマンションほど、リフォーム費用もかさまない・需要があるといった理由で買取価格も高くなります。

ただ、築浅マンションであれば市場で売却しやすく、売却額も高くなるため、すぐに手放したいなどどうしても買取でないといけない理由がない限りは、あまり買取は適していません。買取を視野に入れるなら、築年数の古いマンションがおすすめです。

築年数の古いマンションは、リフォームして仲介で売却するとなると高額なリフォーム費用がかかります。マンションによっては旧耐震基準で建築されており、耐震性への不安から買い手がつきにくいケースも少なくありません。市場では売却が難しい、リフォーム費用が高額になるといった築年数の古いマンションであれば、価格が落ちても買取の方にメリットがある可能性が高くなるでしょう。

間取り

間取りは、誰でも使いやすい一般的な間取りの方が買取価格も高くなります。とくにマンション購入層はファミリー世帯がメインでもあるため、2LDK・3LDKは人気が高く買取価格にもプラスに働くでしょう。

しかし、2LDK・3LDKであっても築年数が古く今のニーズに合っていないと大規模なリフォームが必要になるため、価格が下がる可能性があります。

また、どの間取り需要があるかはマンションのあるエリアによっても異なってくるので注意が必要です。単身者ニーズの高いエリアであればDKといった一人暮らし向けの方が需要が高く、住宅街であればファミリー向けの需要が高くなります。

専有面積

面積は広い方が価格も高くなりますが、面積も間取り同様エリアのニーズによっても左右されます。ファミリー世帯向けマンションであれば、広い方が人気は高くなりますが、広すぎると価格の高さから避けられやすくなってしまうのです。単身向けであればコンパクトなマンションの方が需要は高くなります。

広い方が良いとはいえ、広すぎると売れ残るリスクも高くなるので価格のマイナス要因になる恐れがある点は覚えておきましょう。

立地

立地条件の良いマンションは再販しやすいことから、買取価格も高くなります。マンション購入を検討する方のなかには、利便性が良いことを重要視している人も少なくありません。

また、室内はリフォームで条件を良くできても、周辺環境は不動産会社の努力では買えようもないため、立地条件は重要なポイントになってくるのです。

一般的には、以下のようなマンションは買取価格が高くなる傾向にあります。

  • 駅から近い
  • 主要駅へのアクセスが良い
  • 周辺に商業施設など生活施設が充実している
  • 学校や病院・役所などが揃っている
  • 治安が良い

ただし、どのような周辺環境が好まれるかはエリアの世帯層によっても異なります。ファミリー世帯向けであれば学校施設や治安の良さが優先され、単身層であればアクセスの良さが好条件となってくるでしょう。

マンションの買取相場の調べ方

マンションか取相場は、市場相場を調べて7~8割ほどにすれば目安が分かります。ここでは、市場相場の調べ方として以下の3つを解説します。

  • 不動産情報ライブラリの活用
  • レインズマーケットインフォメーションの活用
  • 不動産一括査定サイトの活用

不動産情報ライブラリの活用

不動産情報ライブラリとは、国土交通省が運営する不動産情報サイトです。不動産の取引価格や地価公示・防災情報・都市計画情報など幅広い不動産情報を提供しています。

市場価格を調べる場合、不動産取引価格を参考にできます。不動産取引価格では、過去の成約情報をもとに取引ごとの成約価格や地域・物件の種類・間取りなどを検索できます。自分のマンションのあるエリアの類似物件の成約価格を調べることで、自分のマンションと当てはめればおおよその目安額にできるでしょう。

たとえば、いくつかの類似物件の成約価格の平均が3,000万円なら、買取相場は2,100万円~2,400万円です。

マンションなら同じ棟のマンションというケースもあるので、比較的活用しやすいでしょう。

ただし、不動産情報ライブラリでは細かい地番までは表示されないのでピンポイントの検索はできません。大まかなエリアでの検索となる点には注意しましょう。

レインズマーケットインフォメーションの活用

レインズマーケットインフォメーションとは、不動産会社が使用する不動産情報システムのレインズを一般の人でも見られるようにしたサイトです。

レインズマーケットインフォメーションでも、過去の取引情報を検索できるので類似物件の価格から自分のマンションの買取価格の目安を把握できます。

不動産一括査定サイトの活用

マンションの売却額は売主・買主の事情も加味されるため、過去の成約価格は自分のマンションの価格と大きく異なるケースも少なくありません。

より自分のマンションに適した価格を知りたい場合は、査定が適しています。なかでも、不動産一括査定サイトを利用すれば複数の不動産会社の査定額を比較できるので、相場をつかみやすくなるでしょう。

不動産一括査定サイトを利用するなら、イエカカクの無料一括査定がおすすめです。イエカカクでは、クレームの多い企業は排除する仕組みが整っているため厳選した優良企業から最大6社査定を受けることが可能です。

簡単な入力のみで気軽に査定依頼できるので、まずは無料査定からスタートしてみるとよいでしょう。

マンションを買取相場より高く売却するコツ

市場価格より低くなる買取価格ですが、ちょっとしたコツを押さえることで高値での買取も期待できます。ここでは、マンション買取価格を高くするコツとして、以下の3つを紹介します。

  • 繁忙期を狙う
  • 買取保証制度を利用する
  • 複数の業者に査定依頼する

繁忙期を狙う

マンションの需要が高くなる時期を狙って売却することで、高値での売却が期待できます。

一般的に、マンション売却の繁忙期は4月の新生活スタートに合わせた1~3月といわれています。次が、10月の異動に合わせた9月ごろです。反対に、人の動きが鈍くなる7~8月・11~12月は需要が低くなってしまいます。

繁忙期に再販タイミングが合うように買取で売却することで、高値での買取が期待できるでしょう。

買取保証制度を利用する

買取保証制度とは、一定期間仲介で売却を進めて期間内に売れなければ買取してもらう売却方法です。

たとえば、3カ月は仲介で挑戦し、3ヵ月経っても仲介で売れなければ、あらかじめ決めていた買取価格で不動産会社が買い取ってくれます。買取保証制度であれば、仲介で売却できれば市場価格での売却が期待でき、仮に売れなくても確実に一定期間で売れるため売れ残ってしまうことを防げます。確実にいつまでには売りたいけど、高値での売却も狙いたいといった方におすすめの方法です。

一般的には買取保証制度で仲介に挑戦できる期間は3ヵ月程です。そのため、売却までの期限が3ヵ月以上あるなら最初から買取にするのではなく、買取保証制度を検討してみるとよいでしょう。

複数の業者に査定依頼する

買取査定額は、不動産会社によって大きく異なります。中には、数百万円異なっているというケースも少なくありません。そのため、査定する際にはできるだけ多くの不動産会社に依頼することが重要です。

複数査定することで、相場観もつかめるので相場よりも安値で売却するのを防ぎやすくなるでしょう。また、査定時の対応など価格以外のポイントでも不動産会社を比較できるため、より信頼できる不同さ会社と出会えるというメリットもあります。

複数の不動産会社に査定依頼を1社ずつするのは、手間も時間もかかります。複数査定依頼するなら、一括査定がおすすめです。

一括査定サイトであれば、手間がかからないだけでなく、同じ条件・タイミングで査定依頼できるのでより比較の判断をしやすくなるでしょう。

マンションの無料一括査定ならイエカカク

マンション買取相場を調べたい、少しでも高く買い取ってもらいたいなら、一括査定がおすすめです。一括査定を活用して、高値を付けてくれ、なおかつ信頼できる不動産会社を見つけられれば満足いく売却が期待できるでしょう。

一括査定ならイエカカクがおすすめです。厳選した優良企業に最大6社まで査定依頼でき、さらに過去にクレームのあった会社は解約などの体制も整っているので安心して査定依頼できます。

査定依頼は1分ほどの入力で簡単にできるので、これから買取を検討しているならまずはイエカカクの一括査定を利用してみてください。

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