所有しているマンションを何らかの理由で売却を考える人もおられると思います。売却の理由やタイミングは人によって異なりますが、できれば高値で売却したいと考えるでしょう。
しかし、マンションの購入と同様に、売却を経験する事は少なく、どのような流れで売却活動を進めたら良いのか悩む人もおられるのではないでしょうか。
この記事ではマンションの売却の流れとタイミングごとの注意点を解説するとともに、マンション売却にかかる費用についても紹介します。
これからマンションを売却しようと考えている人はぜひ参考にしてください。
マンション売却の流れ
マンション売却は上記の様な流れで進みます。
期間としては、①の売却準備から③の媒介契約締結までが約1ヶ月程度、そして、売却活動が3ヶ月程度かかると思っておけば良いでしょう。そして、購入の申込みが入り、価格交渉が成立すれば、売買契約書の締結および物件の引渡しになります。
売買契約書の締結から物件の引渡しまではおよそ1ヶ月~2ヶ月程度と考えると、売却準備から物件の引渡しまではおよそ半年程度かかると思っておきましょう。
また、物件の売却後は登記手続きが必要になりますし、マンションを売却して得た利益は譲渡所得になりますので、所得金額によっては確定申告をしなければなりません。
確定申告は、マンションを売却した年の翌年の2月16日~3月15日までに、住んでいる住所を管轄する税務署に対して行うことになっており、その際に必要な書類もありますので、事前に確認し、早めに準備しておきましょう。
マンション売却前の注意点
マンション売却前には以下の点に注意する必要があります。
- マンションの査定は複数依頼する
- 信頼できる不動産会社に依頼する
- 査定価格と実際の販売価格は違うことを理解する
- 住宅ローンは完済しておく必要がある
- 自分に合った契約方法を選ぶ
上に挙げた注意点の詳細について、以下で詳しく解説します。
マンションの査定は複数依頼する
マンション売却にあたっての価格査定は、複数の不動産会社に依頼することがポイントです。
査定価格は不動産会社によって異なり、あまりに高すぎたり低すぎたりすると買い手が付かず売れない状態になってしまう可能性があるからです。
例えば、1社に査定を依頼したとしても、その査定価格が物件の状態や立地条件に合っているとは限りません。実績の少ない不動産会社だと、相場からかけ離れた査定価格を提示する可能性もあります。
そのため、依頼先はマンション査定の実績が多数あり、またその事例などを見て自分が売ろうとしているマンションに合った不動産会社を選ぶとよいでしょう。
ただ、依頼する複数の不動産会社を自分で探すのは容易ではありません。その際に役に立つのが一括見積もりです。
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信頼できる不動産会社に依頼する
最終的に契約を結ぶ不動産は信頼できるかどうかを考えることが大切です。なぜなら、媒介契約を締結した後の売却活動は不動産会社が主体となって行うため、時代のニーズに合った営業活動を行うことはもちろんのこと、不動産売買に関係する法律的な知識も必要です。
不動産会社の広告宣伝力はもちろんですが、担当者が頼りなければ買い手が納得せず売却のタイミングを逃すことにもなりかねません。
そのためにも、担当者と話しているうえで不安があったら納得するまで質問し、その反応を伺うようにしましょう。知識不足を感じたなら、他の担当者に変更してもらうことも一つの対応策です。
査定価格と実際の販売価格は違うことを理解する
査定価格が分かると、その値段で売却できると思う人も多いのではないでしょうか。査定価格と実際の販売価格は異なります。
査定価格とは、いくらで売れるかといった、あくまでも不動産会社が提示した額です。
そして実際の販売価格とは、最終的な売却価格を指します。
さらに、売却価格からは売却に関して必要な費用である仲介手数料や売買契約書の締結の際に必要な印紙税などが差し引かれますので、最終的に手元に残るのは実際の売却価格よりも少ないことを覚えておきましょう。
ちなみに最終的な売却価格は、相場価格を元に決めることが一般的です。相場価格は国土交通省のサイトでも調べることができますので、1度自分で調べておくことをおすすめします。
住宅ローンは完済しておく必要がある
マンションを売却するにあたり、住宅ローンは完済しておく必要があります。なぜなら、査定価格よりも住宅ローンの残高の方が高い場合、売ったとしても住宅ローンが残ってしまうからです。
住宅ローンが残っているということは、マンションに金融機関の抵当権が設定されているということであり、住宅ローンが完済していなければマンションを売ることはできません。
そのため、もし住宅ローンが残っている場合はマンションをお金で残債を完済できるかを必ず確認しておきましょう。その際には、売却代金から引かれる金額も考慮し、余裕を持たせておくことも重要なポイントです。
ただ、住み替えの目的でマンションを売却する場合は、住み替え先の住宅購入金額に住宅ローン残債を合わせてローンを組む、住み替えローンが使える可能性があります。ただ、ローンですので申込み、審査に通らなければ利用できないことは頭に入れておきましょう。
自分に合った契約方法を選ぶ
契約したい不動産会社が見つかったら、媒介契約を結びます。ただ、媒介契約にも3つの種類があり、以下のように分かれています。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
一般媒介契約であれば、複数の不動産会社に売却活動をお願いできます。ただ、契約期間に期限がないため、後回しにされる可能性もあります。
専任媒介契約や専属専任媒介契約は、1つの不動産会社としか契約できません。また契約の有効期限も3ヶ月と決まっており、業務状況を報告する義務もあります。ただ、その分売却活動に力を入れてもらえる可能性が高くなります。
できるだけ早く売却したいなら、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を結び、サポートを受ける体制を作っておく方がいいでしょう。
逆に時間がかかってもいいから多くの不動産会社にて売却活動を行ってもらいたいと思うなら、一般媒介契約が合っています。
どの契約形態が自分に合っているか分からない場合は、不動産会社に相談してみることをおすすめします。信頼関係ができているからこそ、自分に合った契約形態を教えてくれるでしょう。
マンション売却活動中の注意点
マンション売却活動中には以下の点に注意しましょう。どれも重要なポイントですので、忘れずにチェックしてください。
- 適切な価格に設定する
- 内覧に向けて十分に準備する
- 不動産会社の担当者とこまめに連絡を取り合う
- マンションの瑕疵は隠さず伝える
- 買主の与信に注意する
上に挙げた5つの注意点の内容について、具体的に以下で詳しく解説します。
適切な価格に設定する
売り出す価格を適切な価格に設定することは売却活動における一番の注意点です。
なぜなら、高すぎると購入希望者の予算を超えているため、選択肢から漏れてしまいますし、逆に安すぎると値下げ交渉によって更に安く売る結果になってしまうからです。
価格交渉では購入者はできるだけ安く購入したいと考えるため、どのくらい値段を提げてもらえるかも重視します。そのため、売り出し価格よりも低い価格で売却となるケースが一般的です。
自分でもこの価格は下回りたくないという下限を設け、価格交渉や売却にかかる費用を加味したうえで少し高めな売り出し価格を設定するようにしましょう。
価格もそうですが、マンションには売れやすいタイミングや売れにくいタイミングがあります。売れにくいタイミングに売却すると契約成立の機会も減ってしまうため、今が売れやすいタイミングかどうかを考えることも大切です。
内覧に向けて十分に準備する
購入希望者は、必ず購入したいと思っている物件の内覧を行います。実際に設備や内装などを自分の目で見て、購入するかどうかの判断の1つにするためです。
そのため、購入希望者がここに住みたいと思ってくれるよう、内覧に向けた念入りな準備が重要です。
部屋が散らかっていたり、汚れが目立っている物件を購入したいと思う人は少ないでしょう。
内覧に向け、部屋を綺麗に掃除するのはもちろんのこと、水回りやベランダの掃除なども徹底して行うようにしましょう。また、購入希望者の質問に対して気持ちよく答えられるような対応も必要です。
水回りの掃除は自分では限界があるため、ハウスクリーニングサービスを利用するのもおすすめです。
新しく交換した設備などがあれば、その時期や次の交換時期なども伝えておくとより印象がよくなります。
不動産会社の担当者とこまめに連絡を取り合う
契約した不動産会社の担当者とはこまめに連絡を取り合うようにしましょう。連絡を取り合うことで、需要の有無や市場の状況も知ることができ、よりよい売却活動につなげられるヒントが出てくる可能性があります。
逆に連絡をおろそかにしてしまったために、売却のタイミングを逃してしまうケースも否定できません。
いつまでに、いくらで売りたいという気持を担当者に強く伝え、それを叶えてくれる活動を積極的に行ってもらえるよう、担当者のとのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。
また、売却活動の中で不安な点が見つかった場合は、すぐに担当者に連絡することで解決もしくは解決に向けたアドバイスをもらえることも期待できます。
マンションの瑕疵は隠さず伝える
売却活動の中で、マンションに瑕疵がある場合は隠さずに伝えましょう。瑕疵があることを黙ったまま売却し、後で瑕疵があったことが判明した場合、賠償責任を負うほか、瑕疵の内容が悪質だと裁判にまでなってしまう可能性があります。
不動産会社の担当者にはもちろんのこと、内覧に来られた購入希望者の方にも、設備の不具合や傷、劣化による傷みなどは必ず正確に伝えておくことが大切です。
最初に不動産会社に伝えておくことで、購入希望者様へのサポートもしてもらえますし、逆にどこまでを伝えるべきかなどのアドバイスをもらえますので、安心して売却活動を行えるでしょう。
買主の与信に注意する
与信とは、その人の信用情報です。過去に延滞を起こしたなど信用事故を起こしている場合、その情報は信用情報機関に一定期間登録され、登録されている間はローンを組むことは難しくなります。
購入希望者が見つかり、価格交渉も済み、いざ売却手続きに進む段階になっても、購入希望者が信用事故を起こしている場合だと住宅ローンを組めず、結果として売却できないといった状況になりかねません。
そうなると、また最初から売却活動を行わなければならなくなります。
このような理由で契約が成立しなかった場合、最終的には手付金を払い戻さなければなりませんので、確実に住宅ローンが組めると分かる時点まで手付金はいつでも返せるようにしておきましょう。
また、価格交渉が始まった時点で、購入資金の準備が順調に進んでいるかどうかを、不動産会社の担当者から聞いてもらうのも一つの対策です。
マンション売却後の注意点
無事にマンションが売却できた後も、以下の点に注意する必要があります。
- 契約後は速やかに引き渡す
- 確定申告が必要なケースがある
注意点は上の2点ですが、非常に重要なポイントですので、しっかりと押さえておきましょう。
契約後は速やかに引き渡す
売却が決まったマンションは、不動産売買契約時に受け取った手付金を差し引いた残りの金額を受け取った時に引き渡すことになっています。
購入者が住宅ローンを利用する場合、金融機関にて住宅ローン契約の締結を行い、同時に所有権移転登記を行います。所有権が購入者に移った時点で、マンションは購入者のものですので、それまでに引渡しの準備を進めておかなければなりません。仮にそれまでに引き渡せなかった場合は、違約金が発生する可能性があります。
具体的には、売買契約書を締結したら引っ越しを始め、引渡しのタイミングで鍵を渡せる状態にしておくとよいでしょう。
また、引っ越しに伴うガスや電気、水道局への手続きや火災保険の手続きも忘れないようにしてください。
これらの手続きは1ヶ月~2ヶ月程度かかりますので、意識して早めに取りかかっておきましょう。
確定申告が必要なケースがある
マンションの売却が終わった後に、確定申告が必要になるケースがあります。
なぜなら、マンションの売却によって得た利益は、譲渡所得の対象となりますので、譲渡所得金額が発生する場合は確定申告を行い、所得税を納めなければならないからです。
譲渡所得金額の計算方法は以下のとおりです。
売却金額-(物件の取得費用+売却にあたりかかった費用)-特別控除額
ちなみに自分の家を売却した場合、3,000万円の特別控除が適用されますので、場合によっては譲渡所得金額が発生しないケースもあり得ます。その場合は確定申告の必要はありません。
また、譲渡所得税の税率は、そのマンションを何年間保有していたかによっても異なります。
保有していた期間が売却した年の1月1日の時点で5年を超える場合は期譲渡所得となり、逆に5年以下の場合は短期譲渡所得です。
そして、それぞれの税率は以下のとおりです。
【住民税および復興特別所得税を加味した税率】
- 短期譲渡所得:39.63%
- 長期譲渡所得:20.315%
短期譲渡所得だと長期譲渡所得に比べ倍近くの税金を払わなければならない点に注意しておきましょう。
確定申告はマンションを売却した年の翌年の2月16日~3月15日までに行わなければなりません。もし申告を忘れ、後で申告もれが発覚した場合は延滞税などが加算されますので、マンションの売却によって課税所得が発生したら、忘れずに期限内に確定申告を行いましょう。
マンション売却にかかる費用
上でマンションの売却には費用がかかることを説明しましたが、具体的にいくらかかるのでしょうか。
ここでは、マンションの売却にかかる費用の目安を紹介します。
手数料・費用 | 費用の目安 | 支払い時期 |
---|---|---|
仲介手数料 | 売却価格が400万円を超える場合:売却価格×3%+6万円+消費税 | 売買契約の締結時 |
印紙税 | 売却価格が1,000万円超5,000万円未満:1万円 | 売買契約の締結時 |
登記費用 (抵当権抹消登記) | 土地+建物:2,000円 (手続きを別途司法書士に依頼する場合は、その報酬も別途必要) | 物件引渡時 |
譲渡所得税 | 売却金額-(物件の取得費用+売却にあたりかかった費用)-特別控除額 | 確定申告時 |
このように多くの費用がかかりますが、目安としてはマンションの売却金額の3%~4%を目安に考えておくとよいでしょう。
マンション売却金額が2,000万円だった場合、60万円~80万円程度です。
マンションが売却できないときの対処法
仮にマンションが売却できないときはどのようにすればいいのでしょうか。
マンションが売却できない際の対処法としては以下のものがあります。
- 依頼する不動産会社を見直す
- 販売活動の方向性を見直す
- 販売価格を見直す
- ハウスクリーニングや修繕をして売却する
- 不動産買取も検討する
これらの対処法について、以下で詳しく解説します。
依頼する不動産会社を見直す
信頼して契約した不動産会社でも、売却までに時間がかかることはあり得ます。また、担当者が変わってしまったなどの理由で信頼関係が薄れてしまうこともあるでしょう。
そのような場合は、依頼する不動産会社を見直しましょう。
再度一括査定を利用しても良いですし、人からのおすすめでよい不動産会社が見つかる可能性もあります。ネットで探す場合は実績が豊富か、また近い時期に同じような物件を取扱っているかなどを基準に決めてみましょう。
最終的には実際に担当者とじっくり話したうえで、ここに任せたいと思う不動産会社を選ぶことが大切です。
販売活動の方向性を見直す
物件の需要も繁忙期や閑散期があります。いつも一定の需要があるわけではありません。今は売るタイミングではないなと判断したなら、繁忙期に向けて売却活動を開始するなど、活動の方向性を見直してみましょう。
ターゲット層を拡げてみるのもいいかもしれません。そのほか広告の内容を分かりやすく変更する、内覧時の対応を考え直すなども対応策として有効です。
方向性を見直す際には、売れない原因は何かを考え、それを改善することが大切です。不動産会社の担当者ともよく話し合い、見直すようにしましょう。
販売価格を見直す
販売価格を見直すことも一つの対処法です。
同じエリアの同じような物件がどのくらいの価格で売れているのかを調べ、その価格よりも高く設定しているなら、値段を下げてみましょう。
購入希望者から見ても、同じような条件の物件ならできれば安い方を選ぶでしょう。
ただ、あまり安く設定しすぎると、売却金額で住宅ローンが完済できない状態になりますので、下限は守るようにし、そのうえで価格を見直してみましょう。その際には売却にかかる費用も忘れずに考慮するようにしてください。
ハウスクリーニングや修繕をして売却する
物件が古く、汚れが目立つ場合は、ハウスクリーニングサービスや修繕を行い、その状態で売却する方法もあります。
メンテナンス済であれば、その旨を広告に記載できますし、それを見た購入希望者が現れるかもしれません。
ただ、ハウスクリーニングサービスや修繕は費用がかかります。クリーニングや修繕を行う箇所は必要最低限に留めなければ、売却できたとしてもその費用が原因で思ったほどの利益が出ない可能性が高くなります。
また、ハウスクリーニングや修繕を行う際も、複数の業者に見積もりを出してもらい、比較して決めるようにしましょう。
買取も検討する
買取とは、不動産会社が直接物件を買い取ることです。
不動産会社は買い取った物件にリフォームなどを行い、売りに出します。リフォームが行われているということもあり、不動産会社としては、買い取った額よりも高い価格で売れるため、その分利益につながります。
ただ、買取の場合は希望価格の8割程度での売却になるため、その分売主側の利益は減ってしまいます。ただ、これ以上待っていても買い手が付かない状態や、できるだけ早く売却したいという事情がある場合には有効な方法です。
また、買取を選ぶことにより、瑕疵担保責任の対象外となるケースが多く、売却後の責任を問われる不安から解放されるメリットもあります。とはいえ、不動産会社との売買契約締結時には、契約書の中に瑕疵担保責任が問われないという文言が記載されているか確認することを忘れないようにしてください。
マンションの売却を検討しているならイエカカクがおすすめ
マンションを売却する際には、さまざまな点に注意しなければなりません。それは売却前から売却中、そして売却後も続きます。
マンションの売却の流れやタイミングごとの注意点をしっかりと理解したうえで売却に臨むようにしましょう。
マンションの売却にあたっては、信頼できる不動産会社と契約することが重要です。複数の不動産会社で見積もりを取り、比較しながら決めるようにしましょう。
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