田舎の家を売却する方法!売れないときの対処法もわかりやすく解説

相続した田舎の家や、実家として使わなくなった田舎の家を売却したいと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、田舎の家は都市部の物件と比べて需要が少なく、売却が難しいというのが現状です。また、売却せずに放置しておくと、固定資産税や管理費用などさまざまな負担が発生するので注意が必要です。

本記事では、田舎の家を売却するための具体的な方法や、売れない場合の対処法について詳しく解説します。リノベーションや更地化といった工夫の仕方や、寄付や無償譲渡などの代替手段まで、さまざまな選択肢を紹介します。この記事を読めば、自分の状況に合った最適な対処方法が見つかるでしょう。

目次

田舎の家は売れにくい?

田舎の家は、都市部と比べて売れにくいといわれます。その主な理由は、以下の4つです。

田舎の家が売れにくいとされる理由
  • 需要が少ない
  • 築年数が古い物件が多い
  • 維持費用が高額になりがち
  • 対応可能な不動産会社が限られている

田舎の家は、その立地や特性から売却が非常に困難な状況に置かれています。まず需要面では、田舎ではすでに持ち家を持っている人が多く、新たに家を購入するニーズが限られています。都会からの移住者も増加傾向にあるものの、まだまだ少数派であり、安定した需要につながっていないのが現状です。

建物の状態も大きな課題です。相続物件の多くは築年数が経過しており、1981年以前の旧耐震基準で建てられた家も少なくありません。水回りや設備の老朽化も進んでいることが多く、これらが購入を躊躇させる要因となっています。

さらに、維持費の問題も見逃せません。古い建物は修繕費が予想以上にかかり、広い土地の管理費用も必要です。購入価格自体は都会より安価でも、その後の支出を考えると二の足を踏む人が多いのです。

加えて、田舎では不動産取引を扱える会社が限られています。都市部のような豊富な不動産会社の選択肢がなく、そもそも売却活動を始めること自体が難しい地域も存在します。仮に不動産会社が見つかっても、物件価格が安いため、仲介手数料が低く、積極的な販売活動を期待できないケースも少なくありません。

このように、田舎の家の売却には複数の困難が重なっているため、都市部の物件と比べてどうしても売却までに時間がかかってしまうのです。

田舎の家をそのままにしておくとどうなる?

田舎の家を売却せずに放置しておくと、以下のような問題が発生します。

  • 毎年の固定資産税の支払いが必要
  • 建物や庭の管理費用が継続的に発生
  • 特定空き家に認定されるリスク
  • 近隣トラブルの可能性

まず大きな負担となるのが、固定資産税です。土地と建物に対して毎年課税され、支払い義務が生じます。また、都市計画税が加算される地域もあります。使用予定のない家にもこれらの税金を支払い続けなければならず、経済的な負担となります。

建物の維持管理も無視できません。空き家であっても、定期的な換気や清掃、雨漏り対策、害虫対策などが必要です。庭木の剪定や除草作業も欠かせません。これらの管理を怠ると建物の劣化が急速に進み、資産価値が大きく下落してしまいます。

さらに深刻なのが、特定空き家への認定リスクです。適切な管理がされていないと判断された場合、自治体から「特定空き家」として認定される可能性があります。特定空き家に認定されると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、最大で税額が6倍に跳ね上がることも。

また、空き家は防犯上の懸念も生じます。不審者の侵入や放火などの犯罪のターゲットになりやすく、近隣住民とのトラブルに発展するケースもあります。倒壊の危険性がある場合は、近隣への被害も懸念されるでしょう。

このように、田舎の家を放置することはさまざまなリスクや負担を抱え込むことになります。売却が難しいからといって放置するのではなく、何らかの対策を講じることが重要です。

田舎の家を工夫して売却する方法

売却が困難な田舎の家でも、以下のような工夫をすることで売却のチャンスが広がります。

  • 田舎の物件の取り扱いが得意な不動産会社に依頼する
  • 家をリノベーションして売却する
  • 更地にして売却する

それぞれの方法には特徴があり、物件の状態や予算に応じて最適な選択をする必要があります。以下で、各方法の詳細を解説していきます。

田舎の物件の取り扱いが得意な不動産会社に依頼する

田舎の物件を売却する際、最初に検討すべきなのが地域に精通した不動産会社への依頼です。田舎の不動産取引には以下のような特徴があります。

  • 地域特有の相場観が重要
  • 地元ならではの需要の把握が必要
  • 独自の販売ネットワークを持っている
  • 土地活用の知識が豊富

地域密着の不動産会社は、その土地の価値や需要を熟知しています。たとえば、移住希望者の動向や、地元企業の社宅需要、農地転用の可能性など、外部の業者では把握しづらい情報を持っています。また、長年の営業で築いた地元とのつながりを活かし、効果的な売却活動が期待できるでしょう。

一方で、デメリットもあります。田舎の不動産会社は規模が小さく、営業力が限られていることがあります。また、取引実績が少ない地域では、適切な価格設定が難しい場合も。複数の不動産会社に相談し、最も信頼できる会社を選ぶことが重要です。

家をリノベーションして売却する

リノベーションによって物件の価値を高め、売却につなげる方法もあります。具体的には、以下のようななどの改修が効果的です。

  • 水回りの設備更新
  • 内装の全面改装
  • 断熱性能の向上
  • 耐震補強工事

リノベーションのメリットは、物件の魅力が大きく向上することです。特に水回りや内装を現代的にすることで、購入検討者の印象が改善されます。また、耐震性能を上げることで、安全面での不安も解消できます。

ただし、投資額の回収には慎重な判断が必要です。田舎の物件では、リノベーション費用が売却価格に十分に反映されないことがあります。必要最低限の改修にとどめ、過度な投資は避けるべきでしょう。

更地にして売却する

建物を解体し、更地として売却する方法も選択肢の一つです。更地化のメリットには、以下のようなものがあります。

  • 用途の自由度が上がる
  • 維持管理が容易になる
  • 解体費用の経費化が可能

更地にすることで、土地活用の可能性が広がります。住宅用地としてだけでなく、駐車場や資材置き場、太陽光発電所など、さまざまな用途での活用が検討できるでしょう。また、建物の維持管理にかかる負担も軽減されます。

デメリットは、解体費用が必要なことです。建物の構造や規模にもよりますが、一般的な木造住宅で100万円以上かかることも。また、更地にした後も買い手が見つからない場合、草刈りなどの維持管理は継続して必要になるほか、固定資産税の負担が最大6倍になる可能性があるので注意が必要です。

田舎の家がなかなか売れないときの対処法

通常の売却が難しい場合、以下のような代替手段を検討することができます。

  • 寄付
  • 無償譲渡
  • 相続放棄
  • 業者買取

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

寄付

田舎の家を自治体やNPO法人に寄付する方法は、売却が難しい物件の新しい選択肢として注目されています。寄付のメリットは、売却にかかる手間や費用が不要で、かつ所有に伴う負担から解放されることです。また、公共目的での活用が期待でき、場合によっては税制上の優遇措置を受けられる可能性もあります。

しかし、寄付は誰でも簡単にできるわけではありません。多くの自治体は、維持管理費用や将来の解体費用を考慮して、寄付の受け入れに消極的です。受け入れ条件として、建物の耐震性や立地条件など、さまざまな基準をクリアする必要があります。特に人口減少が進む地域では、新たな公共施設の需要が少ないため、寄付を受け入れてもらえる可能性は低くなります。

寄付が適している物件は、比較的新しい建物や、公共施設として活用可能な立地の物件です。検討する際は、まず自治体の担当窓口に相談し、受け入れ可能性を確認することが重要です。また、NPO法人への寄付を検討する場合は、その法人の活動目的や財務状況なども十分に確認しましょう。

無償譲渡

無償譲渡は、田舎の家を親族や知人に無償で譲り渡す方法です。この方法のメリットは、思い入れのある家を知った人に任せられることと、将来的な活用可能性を残せることです。また、売買と比べて手続きが比較的シンプルで、速やかな所有権移転が可能という特徴もあります。

しかし、無償譲渡には譲渡を受ける側に贈与税が発生するといった課題があります。物件の評価額によっては、かなりの税負担となる可能性があるでしょう。また、固定資産税などの維持費も継続的に発生するため、受け取る側の経済的負担は決して小さくありません。

さらに、将来的な相続問題が複雑化する可能性もあります。たとえば、無償譲渡を受けた親族が適切な管理をせず、問題が発生するケースもあります。このため、無償譲渡は、確実な活用予定がある親族や、十分な維持管理能力のある知人が候補となる場合に限って検討すべき選択肢といえるでしょう。

相続放棄

相続放棄は、被相続人の権利義務の一切を放棄する法的手続きです。物件の維持費が資産価値を上回る場合や、相続する資産全体がマイナスである場合に検討される選択肢です。手続きとしては、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

ただし、相続放棄には重要な注意点がいくつもあります。最も重要なのは、特定の物件だけを放棄することはできず、被相続人からの相続財産すべてを放棄することになるという点です。プラスの資産も含めて、すべての権利を放棄することになるため、慎重な判断が必要です。

また、相続放棄をしても、すぐに管理義務から解放されるわけではありません。次の相続人が現れるまでは、適切な管理義務を負う可能性があります。さらに、他の相続人との関係も考慮する必要があり、場合によっては家族間の争いのきっかけになることも。相続放棄を検討する際は、必ず弁護士などの専門家に相談し、十分な検討を行うことが重要です。

業者買取

業者買取は、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう方法です。この方法の特徴は、通常の売却と比べて迅速に現金化できることです。一般的な売却では買主が見つかるまでに数ヶ月から場合によっては年単位の時間がかかりますが、業者買取であれば数週間から1ヶ月程度で売却が完了します。

また、業者買取は建物の状態を問わないケースも多く、老朽化が進んだ物件でも検討可能です。手続きも比較的シンプルで、買主との複雑な交渉も必要ありません。特に遠方に住んでいて、頻繁に物件の管理や売却活動ができない場合には有効な選択肢となります。

ただし、買取価格は通常の売却価格より20~30%程度低くなるのが一般的です。これは、不動産業者が買い取った後のリフォーム費用や、転売までの期間の維持費用を見込んでいるためです。また、地域によっては買取可能な業者が限られる場合もあります。業者買取を検討する際は、必ず複数の業者から見積もりを取り、条件を比較検討することが重要です。

田舎の家の売却ならイエカカクがおすすめ

田舎の家の売却には、さまざまな方法や選択肢があることをご説明してきました。どの方法を選ぶにせよ、まずは物件の適切な価値を把握することが重要です。そのためには、複数の不動産会社から査定を受けることが賢明といえるでしょう。

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