一戸建ての取り壊しにかかる費用相場｜決まり方や抑えるためのポイントを紹介

一戸建ての取り壊しや売却を検討しているなかで、解体して更地にするのにどのくらいの費用がかかるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。一戸建ての取り壊しには100万～300万円ほどかかるとされていますが、実際の費用は建物の構造や広さ、立地条件によって異なるので注意が必要です。

この記事では、一戸建ての取り壊しにかかる費用相場や価格の変動要素を解説します。費用を抑えるポイントや更地にせずに売却した方が良いケースも紹介しているので、一戸建ての取り壊しや売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

一戸建ての取り壊しにかかる費用相場

一戸建ての取り壊しにかかる費用相場は、家の構造や広さによって以下のように異なります。

	20坪	30坪	40坪	50坪	60坪
木造住宅	60万～100万円	90万～150万円	120万～200万円	150万～250万円	180万～300万円
鉄骨造	80万～120万円	120万～180万円	160万～240万円	200万～300万円	240万～360万円
鉄筋コンクリート造	120万～160万円	180万～240万円	240万～320万円	300万～400万円	360万～480万円

一戸建ての取り壊し費用は家の構造や広さだけでなく、立地条件や付帯工事の有無などによっても変動するため、正確な金額を知りたい方は業者に見積もりを依頼しましょう。

一戸建ての取り壊しにかかる費用の決まり方

一戸建ての取り壊しにかかる費用は、基本的に以下の要素で決まります。

それぞれ詳しく紹介します。

構造

一戸建ての取り壊しにかかる費用は、建物の構造によって以下のように異なります。

構造	1坪あたりの費用相場
木造	3万～5万円
鉄骨造	4万～6万円
鉄筋コンクリート造	6万～8万円

鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は、木造と比較して頑丈な構造であるため、取り壊すのに時間がかかったり特別な重機が必要になったりします。そのため、人件費や重機のレンタル代などで費用が高くなる傾向があります。

広さ

建物の規模が大きくなるほど、取り壊す面積が多くなるため、費用が高くなります。取り壊す面積が大きいと、作業時間が長くなることで人件費がかさんだり、廃棄物が増えて廃材処分費用が高くなったりします。

立地条件

取り壊しにかかる費用は、どのような場所に一戸建てがあるのかによっても異なります。例えば、以下のような立地条件では、重機が使えず、手作業で取り壊すケースがあります。

重機が使えず手作業で工事を進めることになると、人手が必要になったり時間がかかったりして費用が高くなりやすくなります。

廃棄物の量

一戸建てを取り壊して発生した産業廃棄物は、適切に分別したうえで、専用施設に運搬・処分しなければなりません。産業廃棄物の処分には費用がかかり、取り壊し費用の一部として請求されます。

廃棄物の量が多ければ、分別や運搬の手間がかかったり、処理施設に払う費用が増えたりすることで金額が高くなる傾向があります。

アスベスト調査

建物の取り壊しをする際は、アスベストの有無を確認する事前調査の実施が義務付けられています。建物の解体業者に、アスベスト調査もあわせて依頼すると追加費用がかかります。

また、調査によってアスベストの使用が認められたときは、適切な方法で除去しなければなりません。アスベストの除去工事が必要になれば、作業コストが増えて解体費用が高くなります。

付帯工事費用

付帯工事費用とは、敷地内にある建物以外のものを撤去する際にかかる費用です。例えば、以下のものを撤去する場合は、付帯工事費用として別途料金がかかります。

付帯工事費用は、建物以外に撤去するものが多いほど高くなる傾向があります。

諸費用

諸費用は、建物本体の解体費用や付帯工事費用といった他の項目に該当しない費用を指すのが一般的です。諸費用には、以下のような費用が含まれることが多いです。

諸費用の内訳は業者によって異なるので、見積もりをもらったときに確認してみましょう。

一戸建ての取り壊し費用を抑えるポイント

一戸建ての取り壊し費用を抑えるポイントは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく紹介します。

相見積もりを取る

相見積もりとは、複数業者に見積もりを依頼することです。複数社の見積もりを比較することで、適正価格で依頼できる業者を見つけやすくなります。

ただし、価格の安さだけを追求し、見積金額が安すぎる業者に依頼するのは避けましょう。そのような業者は、高額な追加費用が発生したり、不法投棄をしたりするリスクがあります。

依頼先を決める際は金額だけでなく、口コミや評判、スタッフの対応などもあわせて確認しましょう。

自分で雑草や不用品を処理する

自分で雑草や不用品を処理しておくと、余分な人件費がかからなくなるので、工事費用を抑えられます。

建物の中に不用品が残っているときは、リサイクルショップに売ったり粗大ごみとして捨てたりしておくのが効果的です。不用品のなかに買取価格がつくものがあれば、思わぬ収入になるケースもあるでしょう。

建物周辺に雑草などがある場合は、それらを処理してから取り壊しの作業に移ることとなります。あらかじめ雑草を処理しておくことで工事をスムーズに始められれば、余分な人件費がかかるのを避けられるでしょう。

補助金制度を活用する

自治体の補助金制度を活用すれば、一戸建ての取り壊しにかかる費用を抑えられる場合があります。例えば、東京都江東区には、建築時期や構造の一定条件を満たした建物の取り壊しにかかる費用の2分の1（上限50万円）まで補助する制度があります。

補助金制度の有無や条件、補助金額は自治体によって異なるので、事前にホームページや窓口で確認しておきましょう。

更地にせずに物件付きで売却するほうがいいケース

一戸建ての取り壊しにかかる費用を抑えながら不動産を売却したい方は、更地にせずに建物付きの土地として売却する方法も視野に入れてみましょう。例えば、以下のようなケースでは、更地にせずに売却するのがおすすめです。

建物を建てる際は、建築基準法や都市計画法に定められている基準を満たす必要があります。建築当時は基準を満たしていても、法改正によって建物が建てられなくなっている可能性があります。現在の建築基準法では接道幅2m未満の敷地は、原則として再建築ができません（2024年8月現在）。

再建築ができない土地は建物を解体すると、土地の用途が限定されて買主が見つかりにくくなってしまうので注意が必要です。取り壊して更地として売却すべきか、そのまま売却すべきなのか迷っている方は、解体前に不動産会社の査定を受けてみるのがおすすめです。

イエカカクでは、査定申し込みフォームに必要事項を入力するだけで最大6社を手軽に比較できます。複数社の査定額を比較して、より納得のいく方法で売却を進めましょう。

一戸建ての取り壊しに関する注意点

一戸建てを取り壊す場合は、建物滅失登記をしなければならなかったり、固定資産税が高くなる場合があったりする点に注意が必要です。

最後に一戸建ての取り壊しに関する注意点を解説します。

建物滅失登記を行う

建物の所有者は原則として、取り壊してから1ヶ月以内に管轄の法務局に必要書類を提出して、建物滅失登記をしなければなりません。なお、建物滅失登記は、登記の専門家である土地家屋調査士に委任することもできます。

建物滅失登記をしなければ10万円以下の罰金が科せられる可能性があるので、忘れないようにしましょう。

固定資産税が高くなる場合がある

居住用の建物がある土地は「住宅用地の特例措置」によって固定資産税が軽減されます。しかし、建物を取り壊して更地にすると、特例措置の適用を受けられなくなることで固定資産税が高くなる可能性があります。

ただし、取り壊すと固定資産税が高くなるからといって使わなくなった家を放置するのは避けましょう。自治体に「特定空き家」に指定され、勧告を受けると、特例措置が適用外となって固定資産税が高くなってしまいます。

一戸建てを取り壊す前に、その不動産をどのように活用するのか、どのような方法で売却するのかを検討しておくことが大切です。

一戸建ての売却ならイエカカクの一括見積もりがおすすめ

一戸建ての取り壊しにかかる費用は、建物の構造や広さによって異なり、100万～300万円程度が相場とされています。費用を安く抑えるには、相見積もりの依頼や補助金制度の活用が効果的です。

なお、更地にすると再建築ができなくなったり、固定資産税が高くなったりする可能性があります。取り壊しを検討する際は、今後の不動産の活用方法や売却方法も考慮したうえで決めましょう。

更地の売却を検討している方や、物件付きの土地として売る方法を検討している方は、イエカカクを使って査定を依頼するのがおすすめです。

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