土地を売却しようと考えているものの、「売却までにどのくらいの期間がかかるのだろう」「早く売れるのだろうか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、土地の売却には複数のステップがあり、それぞれに必要な期間が存在します。
この記事では、土地売却の全体的な期間から各ステップにかかる具体的な時間、売れにくい土地の特徴、期間を短縮するためのポイントまで、土地売却の期間に関する情報を詳しく解説します。記事を読み終えた後には、土地売却にかかる期間の目安がわかり、スケジュールを立てやすくなるはずです。
土地の売却には3〜6か月程度かかる
土地の売却には、一般的に3〜6か月程度の期間がかかります。これは、東日本不動産流通機構(レインズ)のデータによると、2023年の土地売却における登録から成約までの平均期間は82.5日(約2.8ヶ月)となっているためです。
ただし、この期間は実際の売却活動に要する時間のみを指しており、事前準備や売買契約後の手続きなども含めると、全体では半年程度かかることが一般的です。特に、以下のような要因がある場合は、さらに期間が長引く可能性があります。
- 土地の境界が不明確で、測量が必要な場合
- 立地条件が悪く、買い手が見つかりにくい場合
- 売出価格の設定が適切でない場合
そのため、相続税の納付期限までに売却したいなど、期限が決まっている場合は、余裕を持って早めに売却活動を開始することをおすすめします。
参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)
【ステップ別】土地の売却にかかる期間
土地売却の全体的な流れを把握したところで、具体的な各ステップにかかる期間を見ていきましょう。売却までの道のりは大きく6つのステップに分かれており、それぞれに必要な時間が異なります。
- 事前準備をする
- 土地の査定を受ける
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動を行う
- 売買契約を締結する
- 土地を引き渡す
以下、順を追って解説していきます。なお、これから説明する期間はあくまでも目安であり、土地の状況や地域の不動産市場の状況によって変動する可能性があります。
1.事前準備をする
事前準備では、土地売却に必要な書類の収集と権利関係の確認を行います。具体的には以下のような作業が必要です。
- 登記簿謄本や公図の取得(3~5日)
- 固定資産税評価証明書の取得(即日〜数日)
- 境界確認書類の確認(3~4日)
- 所有権や抵当権などの権利関係の確認(3~4日)
登記簿謄本は、土地の正確な情報を示す重要な書類です。法務局での取得に数日かかるため、早めに準備しておくことをおすすめします。また、土地に関する過去の契約書類なども、できる限り集めておくと後の手続きがスムーズになります。
2.土地の査定を受ける
土地の査定は、実際の売却価格を決めるための重要なステップです。一般的な流れは以下の通りです。
- 簡易査定(机上査定):即日〜3日
- 訪問査定の日程調整:2~3日
- 実地調査と査定額算出:2~3日
不動産会社は、土地の立地、面積、接道状況、周辺環境、法規制などを総合的に判断して査定額を算出します。より正確な査定額を知るためには、複数の不動産会社に依頼しましょう。一括査定サービスを利用すれば、一度の申し込みで複数社からの査定額を比較できます。
3.不動産会社と媒介契約を締結する
媒介契約とは、不動産会社に土地の売却を依頼する正式な契約です。信頼できる不動産会社を選んで契約を結ぶまでに、約2週間程度かかります。媒介契約には以下の3種類があります。
契約の種類 | 特徴 | 有効期間 | 売主への報告義務 |
---|---|---|---|
専属専任媒介契約 | 1社のみに売却を依頼 | 3ヶ月 | 週1回以上 |
専任媒介契約 | 1社のみに売却を依頼するが、売主自身での売却は可能 | 3ヶ月 | 2週間に1回以上 |
一般媒介契約 | 複数の不動産会社に依頼可能 | 制限なし | なし |
一般的には、不動産会社からの報告が頻繁にある専属専任媒介契約か専任媒介契約を選ぶことをおすすめします。これらの契約では、不動産会社が責任を持って売却活動を行ってくれます。
4.売却活動を行う
売却活動は、実際に買主を見つけるための期間です。不動産会社は以下のような活動を行います。
- 不動産情報サイトへの掲載
- チラシやDMの作成・配布
- 物件案内や内覧の実施
- 購入希望者との価格交渉
この期間は、土地の条件や相場価格との関係で大きく変動します。土地の立地が良く、価格設定が適切であれば1ヶ月程度で買主が見つかることもあるでしょう。一方、立地に課題がある場合や価格が高めに設定されている場合は、3ヶ月以上かかることもあります。
なお、売却依頼から3〜4週間ほどで初めての問い合わせが入るのが一般的です。もし1ヶ月以上問い合わせがない場合は、価格の見直しを検討する必要があるかもしれません。
5.売買契約を締結する
買主が見つかり、価格などの条件が合意できたら、売買契約の締結に入ります。この段階では以下のような書類が必要です。
- 売主の身分証明書
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 実印
- 固定資産税評価証明書
- 公図
- 測量図
- 境界確認書
契約時には、一般的に売買代金の10〜20%程度の手付金が支払われます。なお、契約から決済までの期間についても、この段階で取り決めます。資金決済の準備や各種書類の準備に必要な時間を考慮して、通常は1ヶ月程度の期間を設定します。
6.土地を引き渡す
売買契約の締結後、最終的な決済と引き渡しまでには約1ヶ月かかります。この期間中に行うことは以下の通りです。
- 残代金の受け渡し
- 所有権移転登記の実施
- 固定資産税の精算
- 物件の引き渡し
- 各種書類の引き継ぎ
引き渡し時には、以下の書類を買主に渡す必要があります。
- 不動産登記識別情報
- 境界確認書
- 測量図
- 地積測量図
- その他土地に関する重要書類
なお、所有権移転登記は通常、司法書士に依頼して行います。この手続きには、約2週間程度を想定しておきましょう。
なかなか売れない土地の特徴
ここまで土地売却の標準的な期間について説明してきましたが、土地の状況によっては売却期間が大幅に長引くケースがあります。以下では、特に売却が困難になりやすい土地の特徴について、それぞれの対策とともに解説していきます。
- 立地が悪い
- 売出価格が相場より高い
- 境界が明確になっていない
立地が悪い
土地の売却において、最も大きな影響を与えるのが立地条件です。以下のような特徴がある土地は、買い手が見つかりにくく、売却に時間がかかる傾向があります。
- 最寄り駅から徒歩20分以上
- バス便のみの交通手段
- スーパーマーケットや病院などの生活利便施設が遠い
- 道路との接道が狭い(4m未満)
- 高低差が大きい
- 日当たりが悪い
- 周辺に嫌悪施設(産業廃棄物処理場、火葬場など)がある
このような立地の土地を売却する場合は、以下の対策を検討しましょう。
- 相場より10〜20%程度低めの価格設定を検討する
- 土地の特徴を活かした活用方法を提案する(例:駐車場、太陽光発電など)
- 地域の不動産事情に詳しい地元の不動産会社に依頼する
売出価格が相場より高い
適切な価格設定は、売却期間に大きく影響します。売出価格が相場より高すぎると、以下のような問題が発生します。
- 問い合わせ自体が少なくなる
- 内覧希望者が現れない
- 価格交渉が成立しにくい
- 売却期間が長期化し、維持費用の負担が増える
相場価格を知るには、以下の方法が効果的です。
- 公示地価や路線価の確認
- 国土交通省の不動産取引価格情報検索サイトの活用
- 複数の不動産会社による査定額の比較
- 近隣の売り出し中の類似物件の価格確認
なお、土地の相場は地域や経済状況により変動するため、定期的な見直しが必要です。6ヶ月以上売れない場合は、価格の再検討を行うことをおすすめします。
境界が明確になっていない
土地の境界が不明確な場合、買主との取引に支障が出る可能性が高く、売却期間が長引く原因となります。境界とは、隣接する土地との区切りを示す線のことで、以下のような状態は問題となります。
- 境界を示す杭や鋲が見当たらない
- フェンスや塀の位置が登記簿の境界線と異なる
- 隣地所有者との境界確認が取れていない
- 測量図が古いまたは紛失している
境界を確定するためには、以下の手順が必要です。
- 土地家屋調査士への依頼(3〜7日)
- 現地調査と測量の実施(2〜3週間)
- 隣地所有者との立ち会いと境界確認(2〜4週間)
- 境界確認書の作成と取り交わし(1〜2週間)
全体で約2〜3ヶ月程度かかりますが、この作業を行わないと売却後のトラブルの原因となる可能性があるため、必ず実施しましょう。
土地の売却にかかる期間を短縮するためのポイント
土地売却を早期に完了させるためには、売却実績の豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。以下のポイントに注目して不動産会社を選びましょう。
- 当該地域での売却実績件数
- 売却完了までの平均期間
- 価格交渉力(成約価格の相場に対する割合)
- 買主となりうる顧客データベースの充実度
- 営業担当者の経験年数と知識
実績の確認方法としては、以下のような方法があります。
- 一括査定サイトでの評価やレビューのチェック
- 過去の売却事例の詳細確認
- 直近1年間の売却完了件数の確認
- 現地案内や内覧会の実施回数
- 価格交渉の成功率
特に重要なのは、似たような条件の土地の売却実績です。例えば、駅から遠い土地を売却したい場合は、同様の条件の土地を短期間で売却できた実績を持つ不動産会社を選ぶことで、売却期間の短縮が期待できます。
売れない土地は国に返せる?
相続や遺贈で取得した土地が売れずに困っている場合、2023年4月から施行された「相続土地国庫帰属制度」を利用して国に土地を返還することができます。この制度は以下のような特徴があります。
- 10年間の管理費用(要件確認や実地調査の費用など)を負担する必要がある
- 申請時に審査手数料(40,000円)が必要
- 土地の性質や利用状況によって国庫への帰属が認められない場合がある
国に返還できる土地の条件は、以下のとおりです。
- 相続または遺贈により取得した土地であること
- 建物がない更地であること
- 担保権等が設定されていないこと
- 境界が明確であること
- 有害物質等による土壌汚染がないこと
この制度を利用することで、土地所有者は大きな負担から解放されます。まず、毎年の固定資産税の支払いがなくなり、経済的な負担が軽減されます。また、定期的な草刈りや不法投棄の監視といった維持管理の手間から解放され、時間的な負担も減ります。
特に遠方に住んでいる場合、土地の管理は大きな負担となりますが、この制度を利用することで、その心配から解放されるでしょう。また、相続した不要な土地を適切に処分できることで、将来の相続問題の防止にもつながります。子どもや孫の世代に負の資産として引き継がれることを避けることができるのも、この制度の重要なメリットといえます。
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