不動産を売却するにあたっては、できるだけ早くしかもできるだけ高額で売りたいと思うでしょう。
不動産を売却する際には、不動産会社に査定依頼を行い、その査定結果や査定根拠、さらには不動産会社の担当者の対応などを考慮したうえで最終的に媒介契約を結ぶ不動産会社を決定します。
そして媒介契約締結後は、不動産会社と共同して売却活動を行うわけですが、その際にいくらで売るかという売出価格を設定しなければなりません。
そして、この売出価格の設定を誤ると、売却までに時間がかかってしまうほか、最終的には売出価格よりも下げて売却せざるを得ない結果を招いてしまいます。
今回は不動産を早くそして高額で売却する際のポイントについて、解説します。
不動産売却の「成功とは何か」を定義する
不動産を売却するには、その成功をどこに定めるのかを意識しておかなければなりません。多くの場合は成功を「高く売る」もしくは「早く売る」に決めて販売活動を行います。
- 高く売る
高く売るには、何をベースにして高く売るのかがポイントになります。例えば、購入した価格よりも高く売れた場合は成功と言えるでしょう。また、この売却価格ではさすがに買い手がつかないだろうと考えていた状況で買い手がついたケースも成功と言えます。
時間をかけて売却することで高く売れる可能性もあります。
- 早く売る
早く売ろうと考えている場合、多くのケースで売却の期限が決まっています。そのため、多少売却価格が低くても早く売れれば成功です。
「早く売る」を成功とするのは、まとまった現金が必要なため早く売りたいケースや、住み替え先が決まっているため早く売ってしまいたいと考えるケースが該当します。
【共通】不動産売却の3つのポイント
家を高く売りたい場合でも、高く売りたい場合でも、不動産売却には共通するポイントがあります。それは以下の3つです。
- 査定までに売却相場を把握する
- 複数の不動産会社から見積もりをとる
- 集客力の高い不動産会社を選ぶ
以下でこの3つのポイントの詳細について解説します。
査定までに売却相場を把握する
家を売却するにあたっては、媒介契約を締結した不動産会社と連携して販売活動を行う必要があります。
そして、販売活動を行う際には査定価格を元に算出した売出価格を決めなければなりません。
もちろん査定は複数の不動産会社に依頼して相場に近いものを選ぶことが大切ですが、その際には、自分も同時に相場がどのくらいなのかを知っておく必要があります。
相場を調べる際には、一般的に「レインズマーケットインフォメーション」や国土交通省が公表している「不動産情報ライブラリ」を活用しましょう。
どちらも、現時点での取引相場が分かるため参考になります。
関連記事:【築年数別】家の売却相場|シミュレーションや自分で調べる方法を紹介
複数の不動産会社から見積もりをとる
査定価格を知るにあたって大切なことは、複数の不動産会社に査定を依頼し、比較することです。
なぜなら、査定価格を算出する基準は依頼先の不動産会社によって異なるためです。そのためにも、査定結果を受け取った際には、その金額の根拠を必ず確認するようにしましょう。合わせて不動産会社の担当者の対応や知識の豊富さなどもチェックしておくと安心です。
ただ、多くある不動産会社のどれを選べば良いのか分からない人も多いと思います。さらに、自分で複数社に査定依頼を行うには、1社ごとに依頼しなければならずかなりの手間になってしまいます。
そのような時には一括査定サービスサイトの利用がおすすめです。一括査定サービスサイトでは、1度の入力で複数の不動産会社に一括で査定依頼が可能です。
一括査定サービスサイトの1つであるイエカカクは、厳選した優良企業に対して最大6社まで査定依頼が可能です。
入力もインターネットで1分もかかりませんので、ぜひ利用してみましょう。
集客力の高い不動産会社を選ぶ
販売活動は主に不動産会社が主体となって行います。そのため、数ある不動産会社の中でも集客力に実績のある会社を選ぶことがポイントです。
集客力があるということは、多くの人に物件を見てもらえることにつながり、その結果買い手が見つかる可能性が高くなります。
【高く売る】不動産売却の3つのポイント
「高く売る」を成功としている人は、以下のポイントを重視しましょう。不動産を高く売りたいと思っている大半の人に該当しますが、特に現在売ろうとしている家の住宅ローンが残っており、売却価格で住宅ローン残債を完済したいと思っている人は必見です。
- 内覧までに清掃や修理を行う
- 売却タイミングを見極める
- 売出価格は売却希望価格より少し高めに設定する
上の3つのポイントの内容については以下のとおりです。
内覧までに清掃や修理を行う
売却活動を行っているなかで購入希望者が現れた場合、物件そのものの状態を確認するための内覧が行われます。内覧することで、購入希望者は購入後のイメージを具体的に捉えることができ、実際に購入するかどうかを左右する大きなポイントにつながることを意識しておきましょう。
内覧のときにはまだ家に住んでいるケースが多いため、できるだけ家を片付けておくことはもちろん、故障している設備があるなら修理をしておくことが大切です。
家の掃除や設備の修理を行う際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 室内はきれいに片づけ、ものが散らかっているようなことはないようにすっきりさせておく
- 玄関や玄関周りもきれいに掃除し、不要なものは片づけておく(ベランダも同様)
- 室内で匂いが気になる部分があれば消臭スプレーをかけておく
- 水回りの掃除において、自力ではきれいにできない黒カビや油汚れがある場合は、ハウスクリーニングを利用してきれいにしておく
- 床の汚れが気になるようなら、きれいに拭き掃除を行い、ワックスをかけておく
ホームインスペクションも活用する
ホームインスペクションとは、住宅診断士などの専門家に調査を依頼し、住宅を診断してもらうサービスです。
住宅に欠陥や改修が必要なところがあるかどうかを見つけ、教えてくれるため売却後のトラブルを防ぐことにもつながります。
最近ではホームインスペクションを利用する人も増えていることから、売却を考える際には利用してみましょう。
売却タイミングを見極める
家にも高く売れる時期やそうでない時期が存在します。繁忙期に売ることで高く売れる可能性が高くなりますが、閑散期だとなかなか買い手がつかず、思ったよりも安い金額で売却する結果にもなりかねません。
季節
季節的には3月もしくは9月が狙い目と言われています。
- 3月
移動や進学などで人が多く動く春は繁忙期とされ、家が高く売れる時期です。高く売りたいなら、この時期をターゲットに積極的な販売活動を行いましょう。
- 9月
また、9月などの秋口も人が動くタイミングです。この時期も高く売れる時期だと覚えておきましょう。
築年数
築年数によっても売却のタイミングは異なります。レインズが発表しているデータによると、中古マンションの売約のタイミングは築5年~10年が一番成約率が高く、次いで築5年までもしくは築11年~15年までとなっています。
中古戸建てだと、築5年~10年および築11年~15年が成約率が多くなっています。
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場
関連記事:家を売るベストタイミングとは|売却すべきではない時期と家を売る際の注意点
売出価格は売却希望価格より少し高めに設定する
最終的に買い手が見つかったら、必ず価格交渉が行われると思ってください。
なぜなら、買い手としてもできるだけ低い価格で購入したいと考えるからです。家を売る過程で価格交渉は重要な位置にあり、価格交渉がスムーズに行われなかったことで売却のチャンスを逃してしまう可能性が高くなります。
ただ、売る側としてもこれ以上は下げたくないと思う価格があるでしょう。それも含め、売出価格は売却希望価格よりも少し高めに設定しておくようにしましょう。
関連記事:家を高く売るためのコツ7つ|やってはいけないこと・注意点も解説
【早く売る】不動産売却の4つのポイント
税金の納付期限が近づいており、まとまった費用が必要など、不動産を「早く売る」ことを成功と位置付けている人は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 事前に必要書類を準備しておく
- 下限価格を決めておく
- 要望が出た際に対応できるラインを決めておく
- 買取を依頼する
ポイントは4つありますが、それぞれの詳細は以下のとおりです。
事前に必要書類を準備しておく
不動産売却に当たっては、多くの書類が必要です。例としては、以下のようなものが該当します。
- 不動産登記事項証明書
- 登記識別情報
- 不動産売却契約書
- 物件の重要事項説明書
- 固定資産税通知書
- 建築確認済証
マンションか戸建てかによっても必要書類は異なりますので、事前に良く調べてからそろえるようにしましょう。
書類によっては不動産会社が用意してくれるものもありますが、多くは自分で準備しなければなりません。不動産関連の書類は法務局で、税金関係の書類は自治体の窓口で入手する必要がありますので、現時点でどの書類がそろっているのか、入手するならいつ窓口に行くかなど計画的に動いて準備しておきましょう。
下限価格を決めておく
物件の下限価格を決めておくことで、価格交渉がスムーズに行われます。下限価格が分かっていればその分上乗せして売出価格を設定しておけば、交渉次第では、下限価格よりも高い値段で折り合いがつくことも考えられます。
逆に下限価格を決めずに交渉してしまうと、売却した後に「もっと高く売れたかもしれない」と後悔することにもなりかねません。そのような状態を招かないためにも、下限価格は必ず設定しておきましょう。
要望が出た際に対応できるラインを決めておく
購入希望者から要望がでた際に対応できるラインを決めておくことも大切です。
家を売却するにあたり、物件の状態にもよりますが基本的にリフォームは必要ないと言われています。ただ、買い主から壁紙だけは変えて欲しいなどと要望が出る可能性がありますので、その際にはどこまでなら対応するかをあらかじめ決めておきましょう。
そうすることで購入希望者との話がスムーズに進む可能性が高くなります。
買取を依頼する
なかなか家が売れない場合、早く売りたいと思っている人は焦りを感じます。その際には買取を依頼することも一つの方法です。
買取とは不動産会社に物件を買い取ってもらうことで、不動産会社は買い取った物件をリフォームもしくはリノベーションして買った値段よりも高く売ることで利益を得ます。
そのため、買取価格については、相場よりも20%~30%程度安くなってしまいますが、早く売るといた希望をかなえることができるほか、仲介手数料を払わずに済むといったメリットが得られます。
また、買取の場合は契約不適合責任を問われなくなる点も大きなメリットでしょう。
関連記事:不動産買取りとは?メリット・デメリットや仲介との違いをわかりやすく解説
不動産売却の流れ
不動産の売却は、以下の流れで進みます。スムーズに売却を進めるためにも、流れをひととおり理解しておきましょう。
- 売却の事前準備をする
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売却活動を展開する
- 購入希望者と条件交渉する
- 買主と売買契約を結ぶ
- 決済・引き渡しを完了する
- 売却後に確定申告する
ここでいう事前準備とは、自分で相場価格を調べることです。そして複数の不動産会社に査定依頼をし、最終的に信頼できる不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約を締結したら、売却活動に移ります。売却活動は主に不動産会社が主体となって行いますが、不安な点や進捗状況などは常に担当者に確認するなど、不動産会社とのコミュニケーションは欠かさないようにしましょう。
購入希望者がいれば、内覧などの対応を行い、最終的に価格交渉を行って売却します。売却には不動産売買契約書が必要ですが、不動産会社が作成してくれます。ただし、印紙税がかかりますので、契約時に準備するのを忘れないようにしてください。
その後、決済・引渡しとなります。
もし売却したことで利益が発生した場合は、譲渡所得として扱われ譲渡所得税の対象になりますので、確定申告を行い、税額を納めるようにしましょう。
ちなみに準備開始から売却までには約半年かかると言われています。また、マンションの方が売れるのが早く、3ヶ月程度で売れるケースもあります。戸建ての場合は半年程度と考えておくと良いでしょう。
関連記事:家を売るにはどうする?不動産売却の手順や注意点・高く売るコツ
不動産売却の一括無料査定はイエカカクがおすすめ
家を売却するにあたり、「高く売りたい」のか「早く売りたい」のかで取るべき行動やポイントが異なります。
そのため、どちらを優先するのか、事前にしっかりと決めたうえで行動に移すようにしましょう。
また、家を売る際には不動産会社へ査定依頼を行う必要がありますが、1社だけでなく複数社に依頼することが重要です。その際には一括査定サービスサイトの利用が効果的です。
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