家を売却する際には、不動産会社にどのくらいで売れるかといった見積もりを作成してもらうよう依頼しますが、見積もりの種類は1つだけではありません。どの見積もり方法を採用するかで査定価格は異なりますし、実際に不動産会社によって査定価格は異なります。
今回は不動産の見積もりの種類について解説するとともに、見積もりを受ける際の準備そして見積もりに関する注意点についても紹介します。
不動産の見積もりの種類
不動産会社にいくらで売れるかといった見積もりを依頼することを、査定依頼といいます。そして、査定には「簡易査定」「AI査定」そして「訪問査定」の3つの種類があります。
それぞれの査定の違いについて、以下で詳しく説明します。
簡易査定
簡易査定とは、依頼者から受け取った物件の情報を元に、過去の取引事例や似た物件が現在どのくらいで売りにだされているかを参考に見積もりを行うことです。また、年に1度公表される公示価格を元に計算することもあります。現地を訪問せずに査定を行うことから机上査定とも呼ばれます。
簡単に依頼ができ、結果も数日間で分かるため、広く利用されている方法ですが、訪問査定に比べると精度が落ちることは理解しておきましょう。
そのため大まかな価格を知りたいと思っている人に向いています。
AI査定
AI査定とは、人工知能つまりAIを用いて、過去の取引事例から物件の査定価格を算出する方法です。
AI査定を利用する際には申込者の情報を入力する必要がないため、家のおおよその査定額を知りたく、かつ、その後の営業を望まない人におすすめです。また、短時間で査定額が分かる点もAI査定を利用するメリットでしょう。
ただ、査定価格を算出する根拠が過去の取引に限られるため、3つの査定の中では一番精度が低い点がデメリットです。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が直接現地に訪れ、物件の実際の状況から査定額を算出する方法です。
3つの査定の種類の中では一番精度の高い結果が得られますが、不動産会社の訪問に立ち合いが必要なため、日程や査定に必要な調査時間を事前に調整しなければならない点がデメリットです。また、査定額が分かるまでの時間も1週間程度といわれており、早く査定額を知りたい人には向いていません。
逆に本気で売却を考えており、精度の高い査定結果を望んでいる人に向いている査定方法です。
不動産の見積額に影響する要素
不動産の見積もり額には、築年数や立地条件などの物件の状況が大きく影響します。
例えば、築年数は浅いほど査定価格が高くなります。また、物件の立地条件も査定に影響します。最寄りの駅からの距離や近くに商業施設やコンビニ、病院や学校、公園などがある便利な場所なら見積もり額も高くなるでしょう。
さらに、物件自体の状況も影響します。室内がきれいに保たれているかどうかや、定期的な修繕を行っているか、また最新の設備が導入されているかなどで見積もり額は大きく変わります。
逆に売り出す前のリフォームは見積もり額には影響しません。そのため、売りに出すからといってリフォームを行う必要はないと言われています。
不動産の見積もりを受ける際の準備
不動産会社で見積もりを受ける際には、依頼と同時に準備が必要です。具体的には以下の項目をしっかりと押さえておきましょう。
- 必要書類を用意する
- 売却希望額と時期を決める
- 隣地との境界を確認する
必要書類を用意する
必要書類は戸建てとマンションで異なります。それぞれで必要となる書類は以下のとおりです。ただし、不動産会社によってはほかの書類も必要となるケースもありますので、事前に必要な書類を確認しておきましょう。
| 戸建 | マンション |
|---|---|
| ・登記事項証明書 ・公図・測量図 ・建物の図面（竣工図など） ・登記識別情報 ・土地の境界が確認できる種類 ・検査済証 ・建築確認済証 ・固定資産評価証明書 ・本人確認書類 | ・登記事項証明書 ・登記識別情報 ・購入時のパンフレット、図面 ・耐震診断報告書 ・固定資産評価照影書 ・マンションの管理規約・使用細則 ・管理費の内容がわかるもの ・修繕計画の内容がわかるもの ・本人確認書類 |
書類によっては平日の昼間に法務局や役所に行って入手する必要がありますので、できれば一日で取得できるように段取りを考えて動くことをおすすめします。
売却希望額と時期を決める
売却希望額は高ければ高いほどいいというわけではありません。その時の市場のニーズなどを考慮し、できるだけこの価格で売りたいという希望を不動産会社に伝えておきましょう。合わせて最低額も伝えておくとその後の売却活動がしやすくなります。
住宅ローンの支払いが残っているなら、その残債以上の額で売却しなければ完済できませんので、その旨も伝えておくようにしてください。
また、一般的な売却期間は4ヶ月程度といわれており、実際にはそれよりも長くなるケースもあります。
仕事の都合などでいつまでに売らなければならないという決まった時期があるなら、早めに不動産会社に伝えておきましょう。それから逆算し、余裕を持って売却活動を行うことが大切です。
隣地との境界を確認する
売却する物件が戸建ての場合、隣地との境界を確認しておかなければなりません。
境界とは隣地との境目を示すもので、境界をはっきりさせておかないと、隣人と所有権を争うようなトラブルに発展してしまいます。そのため、登記事項証明書や地積測量図などではっきりとさせておきましょう。
土地家屋調査士に依頼するという方法もありますが、別途費用が発生するため、自分で測量図などを取り寄せて確認することをおすすめします。土地家屋調査士には書類でもどうしても分からない場合に依頼するようにしましょう。
不動産の無料見積もり（査定）で多いトラブル
不動産会社の無料見積もり（査定）で多いトラブルとして、査定額が極端に高いというケースが挙げられます。
不動産会社としても、自分の会社と媒介契約を結び、売買が成立した際の仲介料が欲しいと考えます。そのために、ほかの会社よりも高い価格を掲示して媒介契約を結びたがるのです。
しかし、査定価格がそのまま売却価格になるわけではありません。高く売ってくれそうだからと安易に媒介契約を結んでも、売却活動が進まずなかなか売れないといった状況にもなりかねません。
そのためにも、不動産会社から見積もりをもらった際には、その算出根拠を納得がいくまで聞くようにしましょう。そのうえで信頼できる不動産会社と媒介契約を締結することが大切です。
不動産の見積もりに関する注意点
不動産の見積もりを依頼する際には、以下の点に注意しておきましょう。
- 複数の会社に見積もりを依頼する
- 査定額で売却できるわけではない
- 査定までに自分で売却相場を調べておく
複数の会社に見積もりを依頼する
見積もり依頼は複数の不動産会社に対して行うことが大切です。なぜなら1社だけではその価格が妥当かどうか判断できないからです。
そのため、複数の不動産会社に見積もりを依頼し、その結果を比較したうえで、どの会社と媒介契約を締結するかを決めるようにしましょう。
その際には、査定価格の根拠や担当者の対応なども考慮しながら、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
ただし、複数の不動産会社に一つ一つ依頼するのは大変な手間がかかります。そのため、依頼の際には一括査定サービスを利用しましょう。
イエカカクでは、厳選した優良会社に対して最大6社まで一括で見積もりを依頼できます。インターネット上で必要事項を入力するだけなので手間もかかりません。
複数の不動産会社に対しての見積もり依頼を考えている方は、ぜひイエカカクの一括見積もりを利用してみてください。
査定額で売却できるわけではない
査定価格と実際の売却価格は異なります。査定価格はあくまでも不動産会社がこの価格で売れるのではないかと考え算出した価格であり、実際の売却価格は不動産会社と相談しながら決定します。
また、必ずしも売出価格で売却できるわけではない点にも注意しておきましょう。購入希望者は少しでも安く購入したいと考え、必ず価格交渉を依頼してきます。そのため、売出価格は価格交渉での値引き額を上乗せした額で設定しましょう。
査定までに自分で売却相場を調べておく
査定までに自分で売却相場を調べておくことも重要なポイントです。なぜなら、不動産会社が提示した査定価格が必ずしも相場に合っているとは限らないからです。
事前に自分で相場価格を調べておくことで、不動産会社の査定価格の信憑性も判断できるでしょう。
成約事例から自分の家と似た物件を探す
自分で売却相場を調べる方法としては、過去の成約事例から自分が売りたいと思っている物件と似た物件を探すことで知る方法が挙げられます。
不動産流通機構が運営しているレインズマーケットインフォメーションでは、実際の成約価格を知ることができます。
また、国土交通省が提供している土地総合情報システムでも、売りたい物件の地域ではどのくらいの価格で不動産が取引されているかを調べられます。
これらのサイトを上手に活用しながら、事前に自分の家の相場価格を調べておくと良いでしょう。
不動産会社の売り出し中の物件を確認する
また、不動産会社のサイト上で売り出し中の物件のなかから自分の家と似た物件を探すことで、現状の売却価格を予想できます。
ただし、サイトに記載されている価格はあくまでも売り出し中の価格ですので、今後価格が下がる可能性がある点には注意が必要です。
家を高く売るならイエカカクがおすすめ
家を高く売りたい場合には、複数の不動産会社に見積もりを取ることが重要です。
その際には、一括見積もりサイトの利用がおすすめです。1度の依頼で複数の不動産会社に査定依頼ができる点は手間も省けますし、依頼先も優良企業が多いため、悪徳な不動産会社とトラブルになる心配もありません。
イエカカクでは全国のエリアを対象にしており、1度に最大6社まで依頼できます。過去にトラブルがあった不動産会社とは契約を解約しているため、安心して利用できる点も魅力です。
依頼はインターネットで必要事項を入力するだけで、1分もあれば完了します。過去に不動産が1,000万円以上も高く売れた実績もありますので、依頼を行う際にはイエカカクをぜひ利用してみてください。
