不動産を売却しようと考えたとき、まず気になるのは「いくらで売れるのか」という点ではないでしょうか。その査定方法には「訪問査定」と「机上査定」の大きく2つの種類があります。特に訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を見て価格を算出するため、より正確な査定額を知ることができます。
この記事では、訪問査定の仕組みや流れ、必要な準備から注意点まで、初めて不動産を売却する方にもわかりやすく解説します。記事を読み終えた後には、訪問査定の全体像を理解し、スムーズな売却活動のための第一歩を踏み出すことができるでしょう。
訪問査定とは
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、現地調査を行って査定価格を算出する方法です。担当者は、土地や建物の状態、周辺環境などを直接確認しながら、その不動産の価値を総合的に判断します。
訪問査定では、まず土地に関して、敷地の形状や接道状況、日当たり、通風の良さなどを確認します。また、周辺の道路状況や公共施設へのアクセスなど、その土地特有の環境要因も細かくチェックします。
建物については、外壁や屋根の劣化状況、内装の状態、水回りなどの設備の使用感、過去のリフォーム履歴などを詳しく調査。マンションの場合は、共用部分の管理状態や修繕積立金の状況なども確認の対象です。
さらに、最寄り駅までのアクセス、スーパーマーケットなどの買い物施設、学校や病院といった公共施設の利便性、騒音や臭気などの生活環境要因まで、幅広い視点で調査を行います。
このように、実際の物件を見ることで、データだけでは分からない個別の特徴や価値を適切に評価できるのが訪問査定の特徴です。これにより、より現実的な売却可能価格を算出することが可能となります。
机上査定との違い
机上査定とは、所在地や建物の種類、面積、築年数などの基本情報をもとに、不動産会社がデータ上で価格を算出する方法です。インターネットで手軽に依頼でき、すぐに概算価格を知ることができる特徴があります。訪問査定と机上査定には、以下のような主な違いがあります。
比較項目 | 訪問査定 | 机上査定 |
---|---|---|
査定方法 | 実地での現地調査+データ分析 | データ分析のみ |
査定精度 | 実売価格に近い正確な査定額 | 参考程度の概算価格 |
所要時間 | 1週間程度 | 最短数分〜3日程度 |
必要な準備 | 立会い、書類準備、整理整頓など | オンラインでの情報入力のみ |
向いている段階 | 具体的な売却検討時 | 売却の初期検討時 |
アドバイス | 具体的な売却戦略の提案が可能 | 一般的な情報提供が中心 |
このような特徴を踏まえると、売却の検討段階では机上査定で概算を把握し、実際の売却を決めた段階で訪問査定を受けるという使い分けが効果的です。特に一括査定サイト「イエカカク」を利用すれば、最大6社までの不動産会社に同時に査定依頼が可能です。イエカカクは優良企業との提携が多く、クレーム対応の体制も整っているため、安心して利用できます。
訪問査定・机上査定それぞれの特徴を理解し、自身の状況に合わせて適切な方法を選択することが、スムーズな不動産売却への第一歩となるでしょう。
訪問査定を行うメリット
訪問査定には、売主にとって以下のような具体的なメリットがあります。
- より正確な査定額の算出が可能
- 具体的なアドバイスが得られる
- 不動産会社の対応力を確認できる
実際の物件を見ての査定は、データだけでは分からない価値を適切に評価できます。例えば、日当たりの良さや収納の使い勝手、眺望の良さといった住んでみないと分からない要素も、プラスポイントとして査定額に反映されます。逆に、建物の傷みや設備の劣化なども正確に把握できるため、売却後のトラブルを防ぐことにもつながります。
また、訪問査定では不動産会社の担当者から具体的なアドバイスを得られることも大きな利点です。例えば、「この部分を修繕すれば価格が上がる可能性がある」「この時期に売り出すと需要が高まる」といった、実践的な提案を受けることができます。さらに、ローンの返済状況や税金の問題など、売却に関するさまざまな相談にもその場で対応してもらえるでしょう。
不動産会社を選ぶ際の判断材料としても、訪問査定は重要な機会となります。担当者の知識量や説明の丁寧さ、質問への対応力などを直接確認できるため、信頼できる会社かどうかの見極めがしやすくなります。特に売却活動は数ヶ月にわたることも多いため、この段階で良好な関係を築ける会社を選ぶことが重要です。
このように、訪問査定は単なる価格査定以上の価値があり、成功する不動産売却のための重要なステップとなります。ただし、これらのメリットを最大限に活かすためには、複数の不動産会社に依頼して比較検討することをおすすめします。
訪問査定を行うデメリット
訪問査定には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 時間と手間がかかる
- 事前準備が必要
- 日程調整が必要
- 立ち会いが必須
訪問査定は、査定の依頼から結果が出るまでに通常1週間程度かかります。また、1社あたりの査定時間も1〜2時間は必要で、複数社に依頼する場合はその分だけ時間を確保しなければなりません。仕事や育児で忙しい方にとっては、この時間の確保が大きな負担となることがあります。
また、登記簿謄本や固定資産税の納税通知書など、事前に必要書類を揃える手間があります。建物の状態を正確に査定してもらうために、ある程度の掃除や片付けも必要です。特に空き家の場合は、残置物の整理や庭の手入れなども求められることがあり、これらの準備に時間がかかります。
日程調整の必要性も課題です。不動産会社の営業時間内で、かつ売主が立ち会える時間帯を設定しなければならず、特に平日は仕事との兼ね合いが難しくなるでしょう。また、複数社に依頼する場合は、それぞれの会社と個別に日程調整をする必要があり、この調整自体にも手間がかかります。
立ち会いが必須という点も、特に遠方に物件がある場合は大きな負担でしょう。不動産会社の担当者に物件の特徴や売却理由などを直接説明する必要があり、この時間を確保できないと正確な査定が難しくなってしまいます。
ただし、これらのデメリットは決して訪問査定を避ける理由にはなりません。なぜなら、実際の売却を進める上では必ず必要となる過程だからです。むしろ、これらのデメリットを理解した上で、計画的に準備を進めることが重要です。例えば、休日にまとめて複数社の査定を受けたり、書類準備を前もって済ませておくなどの工夫をすることで、負担を軽減することができます。
訪問査定にかかる時間
訪問査定には、依頼から結果が出るまでに以下のような時間が必要です。査定プロセス全体の流れに沿って、具体的な所要時間を見ていきましょう。
まず、不動産会社との日程調整に2〜3日程度かかります。これは担当者のスケジュールと売主の都合を調整する期間です。特に複数社に依頼する場合は、それぞれの会社との調整が必要となるため、余裕を持って計画を立てることが大切です。
実際の査定当日は、1社あたり約2〜3時間を見込んでおきましょう。その後、不動産会社が査定結果をまとめ、報告するまでに3〜4日程度必要です。この間、担当者は周辺相場の調査や取引事例の分析、物件の個別要因の検討などを行います。結果は書面で送付されるか、直接説明に来社するかのいずれかの場合が多いです。
このように、依頼から査定結果を受け取るまでのトータル所要時間は、通常1週間から10日程度となります。これは1社の場合の目安であり、複数社に依頼する場合は、査定を受ける会社数に応じて全体の期間が長くなることを考慮しましょう。
なお、この期間は物件の種類や規模、不動産会社の混み具合などによって変動することがあります。例えば、広い土地や大型の建物、賃貸物件が付随している場合などは、より詳細な調査が必要となるため、さらに時間がかかる可能性があります。
このような時間的な制約があることを踏まえ、売却を検討する際は余裕を持ったスケジュール管理が重要です。特に、急いで売却を進める必要がある場合は、この点を考慮して早めに査定依頼を行いましょう。
訪問査定にかかる費用
訪問査定は基本的に無料で行うことができます。これは業界の標準的なサービスとして定着しており、ほとんどの不動産会社が無料で訪問査定を提供しています。
なぜ無料なのか、その理由は不動産会社のビジネスモデルにあります。不動産会社は売買が成立した際に得られる仲介手数料で収益を上げる仕組みとなっています。仲介手数料は、一般的に売却価格の3〜3.6%(税込)程度です。つまり、訪問査定は不動産会社にとって将来の顧客獲得のための営業活動の一環として位置づけられているのです。
ただし、以下のような付随的な費用が発生する可能性があることは知っておく必要があります。
- 必要書類の取得費用
- 登記簿謄本:480円/通
- 公図:430円/1筆の土地又は1個の建物
- 建物図面:430円/1筆の土地又は1個の建物 ※法務局での取得時の費用
- 遠方物件の場合の交通費
- 売主が立ち会いのために現地に行く際の交通費
※オンライン請求・窓口交付の場合の費用感(2024年10月現在)
また、訪問査定前に軽微な修繕や清掃を行う場合は、それらの費用が別途必要となることがあります。ただし、これらは必須ではなく、現状のままでも査定は可能です。むしろ、大規模な修繕やリフォームは、査定を受けてから不動産会社のアドバイスを参考に検討することをおすすめします。
なお、業者によっては有料で詳細な査定レポートを作成するサービスを提供していることもありますが、これは任意のオプションであり、基本的な訪問査定とは別のサービスとして考えましょう。一般的な売却のための査定であれば、無料の訪問査定で十分な情報を得ることができます。
訪問査定に必要な準備
訪問査定を効率的に進め、正確な査定額を得るためには、適切な事前準備が重要です。必要な準備は大きく以下の5つに分類されます。
- 住宅ローンの残高の確認
- 必要な書類の準備
- 相場の確認
- 家の修繕履歴の確認
- 土地の境界線の確認
これらの準備をしっかり行うことで、不動産会社とのスムーズなコミュニケーションが可能になり、より正確な査定結果を得ることができるでしょう。特に必要書類の準備は、売却活動の円滑な進行に直接影響するため、早めに着手することをおすすめします。
住宅ローンの残高の確認
住宅ローンの残高確認は、訪問査定の準備段階で重要な作業の一つです。なぜなら、売却価格からローン残債を返済できなければ、売却自体が困難になる可能性があるためです。住宅ローンの残高は、以下の方法で確認することができます。
- 返済予定表での確認
- 金融機関への直接確認
- インターネットバンキングでの確認
また、住宅ローンの残高確認と合わせて、以下の点も確認しておくことをおすすめします。
- 繰り上げ返済の可否と手数料
- 完済時の手数料
- 団体信用生命保険の解約手続きの要否
- 金利の種類(変動金利か固定金利か)
特に注意が必要なのは、住宅ローンの残高が売却予定価格を上回っている場合です。このような場合は、不足分を別途用意する必要があり、資金計画の見直しが必要になります。早めに残高を把握しておくことで、このような事態への対応も計画的に進めることができます。
必要な書類の準備
訪問査定を円滑に進めるためには、物件に関する書類の準備が欠かせません。必要な書類は物件の種類や状況によって異なりますが、主に以下の書類を用意します。
書類名 | 概要 | 取得方法 | 必要性 |
---|---|---|---|
登記簿謄本 | 所有者や権利関係を証明する書類 | オンライン申請の場合(480円/通) | 必須 |
公図 | 土地の位置や形状を示す図面 | オンライン申請の場合(430円/1筆の土地又は1個の建物) | 必須 |
設計図 | 建物の間取りや構造を示す図面 | 購入時の書類または建築会社に依頼 | 推奨 |
固定資産税納税通知書 | 固定資産税の課税情報が記載された書類 | 市区町村から届く通知書を保管 | 推奨 |
住宅ローン返済残高証明書 | ローンの残高を証明する書類 | 金融機関に依頼 | 該当者のみ |
修繕履歴の記録 | リフォームや修繕の記録 | 自身で作成または工事会社の記録 | あれば有用 |
これらの書類のうち、登記簿謄本と公図は売却手続きに必須となる重要書類です。登記簿謄本は物件の権利関係を証明する公的な書類で、所有者や抵当権の設定状況などが記載されています。公図は土地の位置や形状、周辺との関係を示す図面で、境界確認の際に重要な役割を果たします。
設計図や固定資産税納税通知書は、物件の正確な情報を不動産会社に伝えるために有用です。特に設計図は、間取りや設備の位置関係を正確に把握するために重要で、査定価格の算出にも影響を与える可能性があります。
住宅ローンがある場合は、返済残高証明書も準備しておくと良いでしょう。この書類は、実際の売却時に必要となるだけでなく、売却金額の目安を検討する際にも重要な情報となります。
また、過去に行ったリフォームや修繕の記録があれば、それらも用意しておくと査定の際の参考になります。特に耐震補強や設備の更新など、物件価値に影響を与える工事については、できるだけ詳しい記録を残しておくことをおすすめします。
なお、これらの書類は査定時に全て揃っていなくても構いませんが、できるだけ早い段階で準備を始めることをおすすめします。特に法務局での書類取得には時間がかかる場合があるため、余裕を持って対応することが大切です。
売却相場の確認
不動産の売却相場を事前に知っておくことで、不動産会社から提示される査定額が妥当なものかどうかを判断する基準となります。
売却相場を調べる方法は主に3つあります。まず、不動産ポータルサイトでの調査です。SUUMO、アットホーム、LIFULL HOME’Sなどの大手ポータルサイトでは、自分の物件周辺の売り出し物件の価格を確認することができます。ただし、これらはあくまで売り出し価格であり、実際の成約価格とは差があることを認識しておく必要があります。一般的に、成約価格は売り出し価格より5〜10%程度低くなる傾向です。
次に、国土交通省が提供する「不動産取引価格情報検索サイト」の活用です。このサイトでは実際の取引価格を確認することができ、より現実的な相場観をつかむことができます。特に、取引時期や物件の築年数、面積などの条件で絞り込んで検索できるため、自分の物件に近い条件での取引事例を見つけやすいという利点があります。
さらに、地元の不動産会社に直接相談するという方法もあります。地域に密着した不動産会社は、その地域の相場に詳しく、また取引事例も豊富に持っているため、より具体的な相場情報を得ることができます。特に、最近の売買動向や地域特有の価格変動要因などについても知ることができます。
ただし、相場調査をする際、築年数や広さが同じでも、日当たりや眺望、最寄り駅からの距離、建物の管理状態などによって価格は大きく変わる点に注意が必要です。また、不動産市況は常に変動しているため、半年以上前の取引事例は現在の相場と異なる可能性があります。
そのため、相場調査では可能な限り多くの事例を集め、それらを総合的に判断することが重要です。また、得られた情報はあくまで参考値として捉え、訪問査定での専門家の意見も踏まえた上で、最終的な売却価格を検討することをおすすめします。
相場を把握しておくことで、不動産会社との価格交渉も円滑に進めることができます。また、自己の期待価格と市場価格との差を事前に認識することで、より現実的な売却計画を立てることが可能となります。
家の修繕履歴の確認
家の修繕履歴を正確に把握しておくことは、訪問査定でより適切な評価を受けるために重要です。修繕やリフォームの記録は物件の維持管理状態を示す重要な情報であり、査定価格にも影響を与える可能性があるためです。
修繕履歴の確認は、まず購入時から現在までの主な工事内容を時系列で整理することから始めます。具体的には、外壁の塗り替えや屋根の補修、水回りの改修、設備の交換など、建物の価値に関わる工事を中心に記録を集めます。できれば工事の領収書や施工証明書、施工前後の写真なども一緒に保管しておくと、より詳細な説明が可能です。
特に以下のような修繕・リフォーム履歴は、物件価値に大きく影響する可能性があるため、詳しく記録を残しておきましょう。
- 耐震補強工事
- 外壁や屋根の改修
- 給排水管の交換
- 設備機器の更新(給湯器、エアコンなど)
- 内装のリフォーム
- バリアフリー化工事
- 断熱改修工事
一方で、修繕履歴を確認する際には、劣化箇所や不具合の有無もチェックする必要があります。雨漏りの形跡やひび割れ、設備の不具合など、将来的に修繕が必要となる箇所があれば、それらも正直に伝えることが重要です。隠れた不具合を見落とすと、売却後のトラブルの原因となる可能性があります。
また、定期的なメンテナンスの記録も重要です。例えば、エアコンの清掃や給湯器の点検、排水管の洗浄など、日常的な維持管理の状況も物件の状態を示す重要な情報となります。マンションの場合は、管理組合による大規模修繕の履歴なども確認しておきましょう。
これらの情報は、訪問査定時に不動産会社の担当者に詳しく説明することで、物件の維持管理状態を正確に評価してもらうことができます。また、適切なメンテナンスを行っていることが証明できれば、同じ築年数の物件でもより高い評価を得られる可能性があります。
土地の境界線の確認
土地の境界線の確認は、一戸建ての売却において特に重要な準備項目です。境界線が不明確だったり、隣地との間でトラブルがあったりすると、売却手続きに支障をきたす可能性があるためです。まず、土地の境界線は以下の書類で確認することができます。
- 公図(法務局で取得可能)
- 地積測量図(土地家屋調査士などが作成した図面)
- 境界確定図(隣地との境界確定時の図面)
これらの図面と実際の土地を照らし合わせ、境界標(プレートや杭など)の位置を確認します。境界標が見当たらない場合や、位置が不明確な場合は、売却前に土地家屋調査士に依頼して境界確認を行うことをおすすめします。特に以下のような場合は、早めに専門家に相談することが重要です。
- 隣地との境界が曖昧
- 塀や擁壁が境界線上にある
- 隣地との間で越境物がある
- 以前に境界トラブルがあった
また、境界確認の際には隣地所有者との関係も重要です。境界について隣地所有者と認識の違いがある場合は、売却前に話し合いで解決しておく必要があります。特に、建物や塀が境界を越えている場合は、越境に関する覚書を作成するなどの対応が必要となることがあります。
訪問査定の流れ
訪問査定は、以下の8つのステップで進行します。
- 不動産会社への査定依頼
- 日程調整(1社あたり2〜3時間)
- 必要書類の準備
- 物件調査(外観・内装・設備等の確認)
- ヒアリング(売却理由・希望価格等)
- 査定額の算出(3〜4日程度)
- 査定結果の報告
- 媒介契約の検討
この一連の流れは、申し込みから査定結果の受け取りまで、通常1〜2週間程度で完了します。特に重要なのは物件調査とヒアリングの段階です。物件調査では、建物の状態や設備の動作確認、土地の形状など、細かなチェックが行われます。また、ヒアリングでは売却理由や希望時期、価格などについて詳しく聞かれますので、事前に整理しておくとスムーズです。
査定結果は書面やメールで送られてくる場合もありますが、できれば担当者から直接説明を受けることをおすすめします。その方が査定価格の根拠や今後の売却戦略について、より詳しい説明を受けることができるでしょう。
なお、正確な査定と良好な売却結果を得るためには、複数の不動産会社に依頼して比較検討することが重要です。各社の対応や提案内容を見極めた上で、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。
訪問査定を行う際の注意点
訪問査定を有効に活用し、適切な売却価格を把握するためには、いくつかの重要な注意点があります。具体的には以下の4つのポイントに注意を払う必要があります。
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 査定の際に希望を伝える
- 家のアピールポイントや瑕疵は正直に伝える
- 査定価格の根拠を尋ねて説明してもらう
これらの注意点を守ることで、より正確な査定結果を得られ、信頼できる不動産会社との出会いにもつながります。以降の項目で、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産の査定価格は会社によって異なることがあり、時には数百万円の差が出ることもあります。そのため、最低でも3社以上の不動産会社に査定を依頼し、比較検討することが重要です。
複数社に依頼するメリットは、査定価格の比較だけではありません。不動産会社ごとの対応の違いや、提案内容の充実度、担当者の知識量なども比較できます。例えば、ある会社は近隣相場を詳しく説明してくれる一方で、別の会社は売却後の税金対策まで提案してくれるなど、各社の得意分野や対応に違いが表れます。
ただし、多くの不動産会社に依頼すると、その分だけ時間と労力がかかります。効率的に進めるために、一括査定サイト「イエカカク」の利用がおすすめです。イエカカクでは、1回の申し込みで最大6社までの不動産会社に同時に査定依頼が可能です。イエカカクが選ばれる理由は以下の点にあります。
- 厳選された優良企業との提携
- 過去にクレームの多かった会社は契約解除
- 全国の不動産に対応可能
- 申し込みから最短1分で完了
- 査定依頼は完全無料
また、複数社の査定を受ける際は、できるだけ同じ日にまとめて行うことをおすすめします。そうすることで、各社の対応や提案内容を鮮明に比較できます。さらに、それぞれの会社の説明内容に違いがあれば、その場で質問することもできます。
なお、査定依頼の段階で、すぐに売却する予定がないことや、まだ検討段階であることは正直に伝えましょう。そうすることで、不要な営業電話を避けることができます。
査定の際に希望を伝える
訪問査定を効果的に活用するためには、売主側の希望や条件をできるだけ具体的に伝えることが重要です。あいまいな伝え方では適切な査定や提案を受けることができず、後々のミスマッチにつながる可能性があります。具体的に伝えるべき内容は主に以下の3点です。
- 売却の理由と希望時期
例えば「住宅ローンの返済が厳しくなった」「転勤が決まり3ヶ月以内に売却したい」など、背景事情を含めて説明することで、不動産会社は適切な売却プランを提案できます。特に期限がある場合は、はっきりと伝えることが重要です。
- 希望売却価格と資金計画
住宅ローンの残債がある場合は、その金額も含めて伝えましょう。「最低でもローン残債は返済したい」「できるだけ高く売りたい」など、金額に関する要望を明確にすることで、実現可能な販売戦略を立てることができます。
- 売却に関する不安や懸念事項
「近隣に知られたくない」「内見者の出入りを最小限にしたい」といった要望や、「リフォームした方が良いか迷っている」などの疑問点も、遠慮せずに伝えましょう。不動産会社はそれらを考慮した提案をしてくれます。
ただし、希望を伝える際は現実的な範囲に留めることも大切です。相場から大きくかけ離れた価格を希望したり、無理な条件を出したりすると、かえって売却活動に支障をきたす可能性があります。不動産会社からの提案や助言にも耳を傾け、市場の実情を踏まえた上で、最適な売却方法を検討していくことが重要です。
家のアピールポイントや瑕疵は正直に伝える
売却活動をスムーズに進め、後々のトラブルを防ぐためには、物件の良い点も悪い点も正直に伝えることが重要です。特に以下のような情報は、必ず不動産会社に伝える必要があります。
まず、物件のアピールポイントについては具体的に説明しましょう。例えば「キッチンは3年前にリフォーム済み」「断熱性の高いペアガラスを使用」「収納スペースが豊富」といった特徴は、売却価格に好影響を与える可能性があります。また、「近隣住民との関係が良好」「学区が人気校」といった住環境の利点も、重要な情報となります。
一方で、物件の不具合や気になる点も隠さず伝える必要があります。
- 建物の不具合(雨漏り、シロアリ被害など)
- 設備の故障や不調
- 近隣とのトラブル履歴
- 事故や事件の有無
- 自然災害による被害経験
これらの情報を隠してしまうと、売買契約後に買主から契約不適合責任(瑕疵担保責任)を問われるリスクが高まります。最悪の場合、損害賠償請求や契約解除につながる可能性もあります。むしろ、問題点を事前に開示することで、適切な対策を講じたり、査定価格に反映させたりすることができます。特に以下のような重要事項は、必ず伝えるようにしましょう。
- 土地の境界に関する問題
- 法令違反の有無
- 建物の構造上の問題
- 周辺環境の変化予定(道路工事など)
- 管理規約の制限事項(マンションの場合)
正直に情報を開示することで、不動産会社はより現実的な売却価格を提示し、適切な販売戦略を立てることができます。また、買主に対しても誠実な対応が可能となり、スムーズな売却につながります。隠し事のない透明性の高い取引は、結果として売主の利益にもなるのです。
査定価格は根拠を尋ねて説明してもらう
査定価格の提示を受けた際は、必ずその根拠について詳しく説明を求めることが重要です。根拠が明確でない査定額は信頼性に欠け、実際の売却価格との間に大きな差が生じる可能性があるためです。具体的に確認すべきポイントは以下の通りです。
- 価格算出の基本的な要素
- 土地や建物の評価方法
- 参考にした取引事例の詳細
- 周辺相場との比較分析
- 築年数による減価の計算方法
- 物件固有の評価ポイント
- 立地条件の評価(日当たり、道路との関係など)
- 建物の状態(リフォーム履歴、設備の状況など)
- 所在地の将来性(再開発計画の有無など)
- 市場動向の影響
特に注意が必要なのは、相場よりも明らかに高い査定価格を提示してくる場合です。このような「高値査定」には以下のようなリスクがあります。
- 実際の売却時に値下げを迫られる
- 売却期間が大幅に延びる
- 媒介契約を結んだ後に態度が急変する
一方で、極端に低い査定価格にも要注意です。その場合は、以下の点を確認しましょう。
- 見落としている物件の価値はないか
- 減価要因を過度に考慮していないか
- 古い取引事例を参考にしていないか
これらの確認を通じて、不動産会社の専門知識や誠実さを見極めることもできます。しっかりとした根拠を示せる会社は、その後の売却活動でも信頼できるパートナーとなる可能性が高いと言えます。
なお、査定価格は確定した売却価格ではなく、あくまで目安となる価格です。最終的な売却価格は、市場の動向や買主との交渉によって変動することを理解しておく必要があります。
不動産の査定ならイエカカクがおすすめ
訪問査定は不動産売却の重要な第一歩です。より良い売却結果を得るためには、複数の不動産会社から査定を受け、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。そこでおすすめなのが、一括査定サイト「イエカカク」の利用です。
イエカカクは全国の優良企業と提携しており、最大6社まで同時に査定依頼が可能です。過去にクレームの多かった会社は契約解除する体制も整っているため、安心して利用できます。また、たった1分の簡単入力で申し込みが完了し、訪問査定と机上査定のどちらも依頼できます。まずは机上査定で概算価格を把握し、その後必要に応じて訪問査定を依頼するという段階的なアプローチも可能です。
不動産売却という人生の大きな決断を成功に導くために、ぜひイエカカクを活用して、ご自身の条件に合った最適な不動産会社を見つけてください。