自宅を売却するには、自宅を空き家にしてから売却しなければならないと思っている人もおられると思いますが、実際に住んでいる状態で売却することも可能です。特に実際に住んでいるなら、内覧時に家事動線や水回りの使い勝手などを購入希望者に伝えやすいといったメリットもあります。
今回は自宅に住みながら家を売却することは可能なのか。また可能ならどのような流れで進めていくのかについて解説します。合わせて自宅に住みながら売却活動を行うメリットやデメリットについても紹介しますので、参考にしてください。
住みながら家を売ることはできる?
家を売る場合、まず次の住まいを確保し、引っ越して空き家にしてから売却する方法を選ぶ人もいます。しかし、それだと新居の購入費用や引っ越し費用などを用意しておかなければなりません。さらにまだ売れていない家と新居の固定資産税を二重に払わなければならなくなります。
また仮住まいの家を用意し、新居が見つかるまでそこで暮らす方法もありますが、その場合2回の引っ越しが必要となり、引っ越し費用の負担もそのぶん多くなります。
しかし、住みながら家を売ることで、売却代金を新居の購入費用に充てることもでき、引っ越し回数や引っ越し費用、さらに固定資産税などの負担も少なくできます。
住みながら家を売却することは可能ですので、できるだけ買い替えに関する費用負担を抑えたいと思う人は住みながら家を売ることを考えてみましょう。
住みながら家を売る方法
売却しようとしている家に住みながら家を売る流れは以下のとおりです。
- 売却の事前準備をする
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売却活動を展開する
- 新居を探す
- 購入希望者と条件交渉する
- 買主と売買契約を結ぶ
- 決済・引き渡しを完了する
- 売却後に確定申告する
ただし、これらは新居探しと平行して行うケースです。売却した後に新居を探す場合は、1度仮住まいの家に引っ越してから新居探しを始める形になります。
住みながら家を売るメリット
住みながら家を売るメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的には、以下の3点が挙げられます。
- 住宅ローンの返済に売却資金を充てられる
- 余裕を持って売却先を見つけられる
- 内覧者が暮らしをイメージしてもらいやすい
住宅ローンの返済に売却資金を充てられる
売却しようと思っている家に住宅ローンの返済が残っている場合、売却代金を住宅ローンの返済に充てることで家を売ることができます。
住宅ローンの返済が残っている場合、家にはローンを借り入れている金融機関の抵当権が設定されており、そのままで売ることはできないため、住宅ローンの返済が残っている人にとっては大きなメリットでしょう。
余裕を持って売却先を見つけられる
売却しようと思っている家に住んでいる場合、いつまでに売却しなければならないといった期限はありません。そのため、良いタイミングで家を売れるというメリットがあります。
売却する期限が決まっていると、期限が近づくにつれて早く売らなければと焦ってしまい、価格交渉の際に必要以上の値下げをしてしまう可能性があります。家を売るならできるだけ高く売ろうと考えるでしょう。しかし、売却までの余裕がなければその希望がかなわなくなってしまいます。
そのためにも余裕を持って売却活動が行える点は大きなメリットです。
内覧者が暮らしをイメージしてもらいやすい
内覧の際、空き家ではなく実際に住んでいる場合、家具の配置や家事動線、設備の使い心地などを実際にみてもらえるため、購入希望者に暮らしをイメージしてもらいやすい点もメリットです。
外からの視線をどのように遮っているか、また洗濯物を干す場所などについてもイメージしやすいため、購入希望者も実際に家を購入した場合、何を用意すれば良いかといった具体的なイメージがつきやすいでしょう。
購入希望者としても、実際に住んでいる人から物件の魅力な点や暮らしにあたって注意しておきたい点などを聞けることは、最終的に購入するかを考えるにあたって重要なポイントです。
住みながら家を売るデメリット
住みながら家を売るにあたって、メリットとともに以下のデメリットもあることをしっかりと理解しておきましょう。
- 生活感の出しすぎは購入意欲の低下を招く恐れがある
- 内覧者の希望スケジュールを優先する必要がある
生活感の出しすぎは購入意欲の低下を招く恐れがある
内覧の際に洗濯物が干しっぱなしになっていたり、家の中が散らかっていたりすると、あまりにも生活感を感じすぎるため、マイナスの印象を持たれてしまう可能性があります。
もちろん実際に住んでいる以上ある程度の生活感は出てしまうのは仕方がありませんが、それでも室内はきれいに片付け、水回りの掃除なども忘れないようにしておきましょう。
生活感を出しすぎている状態としては、具体的に以下のようなケースが該当します。
- 家の中が掃除されておらず、物が散らかっている
- ベランダや屋外に洗濯物を干しっぱなしにしている
- 壁などに汚れが目立ち清潔感が感じられない
内覧者の希望スケジュールを優先する必要がある
内覧時には在宅の必要があるため、購入希望者の内覧希望スケジュールに合わせなければなりません。
また内覧日から逆算して家の掃除やハウスクリーニングサービスの利用を行うなど、計画的な動きが必要です。
内覧希望スケジュールを優先するあまり自由に過ごせる時間が限られる、もしくは先の予定が立てられないといった問題が生じ、家族のストレスになる可能性もありますが、気持ちよく内覧してもらい、少しでも高く購入してもらえるような割り切りも必要だと考えましょう。
住みながらの売却で新居探しを始めるタイミング
家に住みながら売却活動を行う場合、新居探しを始めるタイミングとして先に新居を購入する「買い先行」と、物件を売却した後に新居を購入する「売り先行」があります。
ここでは、「買い先行」と「売り先行」について解説します。
先に新居を購入する「買い先行」
先に新居を購入する「買い先行」には、次に住む家をじっくりと探せるというメリットがあります。新しい家を購入するのですから、できれば妥協はしたくないでしょう。「買い先行」を選ぶことで新居のイメージを明確にしたうえで、自分たちの要望をかなえてくれる家が見つかる可能性が高くなります。
また、仮住まいを用意しなくてもいい点も大きなメリットです。「売り先行」だと売却してから新しい家が決まるまで仮住まい先を見つけて引っ越さなければなりません。その後新しい家が決まったら、また引っ越しと、手間や費用が2重にかかってしまいます。
ただし、売りに出す家の住宅ローンが残っている場合、新しい家で住宅ローンを組むと2重のローンの支払いが必要です。
先に物件を売却する「売り先行」
「売り先行」だと売却金額が確定するため、その後の資金計画が立てやすいというメリットがあります。売却した後に新居を探すため、売却金額を元に予算を決めたうえで新しい家を購入できます。
さらに売却した後であれば、住宅ローンも2重になる心配はありません。
また、内覧時に購入希望者に対して家の魅力を伝えやすいといったメリットもあります。
「売り先行」の一番のデメリットは、仮住まいが必要になる点です。新居が見つかるまでどのくらい住むかわからない状態だと賃貸借契約を結ぶ際にも困りますし、家賃のほか敷金や礼金も発生します。また、家具全てを仮住まいに持っていくのか、一旦トランクルームに預けるかなども考える必要もあるでしょう。新居が決まるまで中途半端な生活を送ることにストレスを感じるかもしれません。
さらに内覧時の対応も必要です。内覧のスケジュールは購入希望者の都合をできるだけ優先する必要があり、急なスケジュール変更を迫られる可能性もある点に注意しておきましょう。
自分には住みながらの売却が向いている?
実際に住みながら家を売ることが向いているケース、また、空き家にしてから売ることが向いているケースについて、さらに深く解説します。
住みながら家を売ることが向いているケース
住みながら家を売ることが向いているケースは以下に当てはまる人です。
- 住んでいる家をより良い条件で売りたいと考えている
- 住宅ローンの支払いが残っている
- 新居の購入について、しっかりとした資金計画を立てたいと考えている
空き家にしてから売ることが向いているケース
逆に空き家にしてから売ることが向いているケースは以下に当てはまる人です。
- 新居を探すにあたり妥協をしたくないと考えている
- 仮住まいにかかる費用を削減したいと考えている
- 資金にある程度の余裕がある
住みながらの売却を成功させるコツ
住みながらの売却を成功させるコツとして、以下の3点が挙げられます。
- 過度な生活感を与えないように掃除をする
- 土日はできるだけスケジュールを空けておく
- 家の情報を正確に伝えるための資料を用意する
過度な生活感を与えないように掃除をする
過度な生活感を与えないように掃除をし、きれいな印象を与えるには、具体的に以下の場所を掃除するようにしましょう。
- キッチンやトイレ、お風呂など水回り
- 玄関
- リビングルーム
- ベランダや庭
- 各部屋や収納スペース
水回りの掃除は特に重要です。自分では限界があると感じるならハウスクリーニングサービスの利用も考えてみましょう。
土日はできるだけスケジュールを空けておく
内覧は土日を希望されるケースが多いため、売却活動期間中の土日は柔軟に対応できるようスケジュールを空けておくことをおすすめします。
内覧日が後になってしまったために売却のタイミングを逃してしまうのは非常に残念です。どうしても難しい日があれば先に伝えておくなど対処法を取っておきましょう。
家の情報を正確に伝えるための資料を用意する
家の間取り図や新築時のパンフレットなどは、家の情報を正確に伝えるために有効な資料です。
これらの資料があることにより、物件の魅力をより詳しく伝えられます。また修繕を行っているなら、いつどのような修繕を行ったのかが分かる資料を準備しておくことをおすすめします。
もし家の間取り図や新築時のパンフレットが見当たらない場合は、手書きで作成しても構いません。
リースバックなら売却後も住み続けられる
リースバックとは、自宅をリースバック業者に売却し、その後はリースバック業者に賃料を払うことで売却した家に住み続けられるサービスです。
売却して得た資金はさまざまな目的に利用できるため、最近話題に上ることも多くなっています。
リースバックのメリット
リースバックには以下のメリットがあります。
- 自宅を売却した後も自宅に住み続けることができる
- 売却資金をさまざまな目的で利用できるため、資金調達手段の1つになる
- 自宅の固定資産税や修繕費などの負担を考えずに済む
- 契約の内容によっては、その後買い戻すこともできる
- 住宅ローンの支払いが残っている場合、売却金額で完済できる
そのため、一時的にまとまった資金が必要で、さらに売却した自宅にその後も住み続けたいと考えている人に向いています。
リースバックのデメリット
ただ、リースバックには以下のデメリットがある点にも注意しておきましょう。
- 売却価格が相場よりも安くなる可能性がある
- 賃料が相場よりも高くなる可能性がある
- 売却後ずっと住み続けられるとは限らない
- 買い戻す場合、売却金額よりも高い価格を掲示される可能性がある
- 自宅が自分の持ち物ではなくなる
リースバックを利用して家を売却した後は、その家の所有権を失います。そのため、自分の好きなようにリフォームなどを行うことはできません。
そのため、新しい住まいを探す間の仮住まいとして利用したいと考える人におすすめのサービスです。
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